黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『カレーソーセージをめぐるレーナの物語』ウーヴェ・ティム(河出書房新社)

2009-09-02 | 読了本(小説、エッセイ等)
ドイツで人気のカレーソーセージを最初に発明したのは、グロースノイマルクトに屋台を出していた、ブリュッカー夫人だと確信している“僕”。
今は老人ホームで余生を送る彼女に、カレーソーセージ誕生のエピソードを聞こうとやってきた僕に彼女が語ったのは、1945年4月29日から始まる物語だった。
ドイツ・ハンブルグ。当時40代だったレーナ・ブリュカーには、20歳の娘と16歳の息子、そしてルックスは良いけれど、それ故に浮気性の夫がいるが、さまざまな理由により一人暮らし。
役所の食堂で働く彼女は、日曜日に映画に出かけた折、休暇中の海兵・ブレーマーと出会う。これから戦地に赴かなければならない彼を、ひょんなことからそのまま部屋で匿うことにしたレーナ。
自分の子供ほどに年の離れた、妻子持ちの彼と関係を持ちながら、しばらく幸福な日々を過ごした彼女だったが、やがて終戦を迎えてもその事実を、彼に伝えることができずにいた……

カレーソーセージ(ソーセージにケチャップとカレー粉をかけた感じの食べ物?)誕生にまつわる敗戦間際~直後の恋を描いたお話。
何故それを考案したのか、という部分について描かれているのは最後の最後なのですが、それ以前の恋があってこその結果だとするならば、やはり語られなければならないのでしょうね~。
いつも食べている食べ物に、こんな秘話が隠されていたら、ちょっと特別な味に思えてしまうかも(レーナ自身の人生がスパイスのような効果?)

<09/9/1,2>


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