黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『無菌病棟より愛をこめて』加納朋子(文藝春秋)

2012-05-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
2010年6月。夫の咳風邪をきっかけに滅多にいかない病院で受診、前月の血液検査の結果、貧血だと診断され、さらに肺炎も発覚。
後に、骨髄を検査したところ、急性骨髄性白血病であると宣告される。
周囲の人々に支えられつつ、突然闘病生活をおくることに……

急性白血病になった加納さんの、毎日を綴った克明な記録。
最近作品を発表されないな、とは思っていましたが、まさか大変なご病気だったとはと、びっくり;;(……そして旦那さんが××さんだったとは、と今頃知りました)
悲観的になったり感傷的な感情に流されるだけでなく、自身のおかれた状況を俯瞰的に描写されています。
大変な状況下でも、好きなマンガやアニメを楽しんだり、病院で元気な病人と噂されつつもストレッチに励んだりという、前向きな様子に思わず微笑んだり。
誰がいつ同じ立場に置かれるかわからないし、自分の大切な人や周囲の人が同じ病に罹るかもしれないこと考えると、絶望に沈まないための光となる一冊だと思います。

<12/5/4>