いわゆるIT産業は、他の業界に比べてずいぶんと若い産業です。歯車を使った機械式ではなく、電気回路のみの計算機の始祖と言われるABCの誕生が1939年ですから、今年で70年目。とはいえ、産業として成立していた時期として考えると、1951年に初の商用コンピューターであるUNIVAC Iの登場まで待った方がいいでしょうから、おおよそ60年弱の歴史と言えましょう。若いとは言われつつも、すでに還暦に近いという事実に、何となく違和感を感じてしまいますけど。
さて、その歴史が大きく動き始めたのは、人間が手軽にプログラムを書けるようになった高級プログラミング言語の登場にあると言っても過言ではないでしょう。その中でもCOBOLは、銀行業務や事務処理などに初期の頃から使われている言語で、現在では新規システム案件にはほぼ使われることは無いにしろ、銀行関係では未だにディファクトスタンダードであるなど、現役で使われているものです。
そのCOBOLが、誕生から50年を迎えました。
プログラミング言語のCOBOLが誕生50周年 ITmedia
9月18日はプログラミング言語「COBOL(COmmon Business Oriented Language)」の50周年に当たるとして、COBOLコンパイラで知られる英Micro Focusが誕生50周年を祝うサイトへの参加を呼び掛けている。
移り変わりの激しいこの業界において、50年間も使われ続けるというのは、やはり応用の利く基礎技術の強みですよね。実際、CPUのアーキテクチャであるx86とか、C言語など、現在でも使われている基盤はどれも30年以上の歴史があるのですから。
もっとも、COBOL等の古い設計の言語は、使われ続ける事はあってもこれ以上シェアを伸ばすことは望めません。今後75年、100年の節目の年に、誕生を祝ってもらえる程度の知名度を維持していくのは難しいかもしれませんね。
かつて、慣れ親しんだ技術があっという間に陳腐化し、過去の遺産になってしまう・・・。ドッグイヤーと呼ばれるゆえんですけれど、過去を振り返ってみるとチト寂しい思いもあります。この機会に、初めて覚えた言語について調べてみるのもいいかもしれませんね。