IPアドレスを知っていますか?・・・なんて書いたら怒られそうですが、念のため。IPアドレスは、66.249.89.99のような8bit×4の数値をピリオドで区切った形で表されるネット上の住所の事で、今回問題にされているのは「グローバルIPアドレス」、つまりネット上の固有な番地を表す、ユニークなアドレスのことです。
現在使われているIPアドレスは「IPv4」という規格のもので、8bit×4=32bitのアドレスを利用しますが・・・物理的に42億強のアドレスまでしか扱えず、ネットにつながる機器の数が増えるにつれて、数年以内にアドレスの割り当て分が底をつくと言われています。先進国で携帯電話などでのネット利用がIPアドレスの消費を押し上げているのに加え、新興国も利用に加わるのですから正に時間の問題です。なんで、最初からもうちょっと余裕を持たせなかったかと言いますと、ネット利用が一般的とは言えない時に立ち上がった規格をそのまま使っているため、43億なんて言う天文学的な資源を使い切るなんて考えもしなかったらしいですね。
その待ったなしの状況で現れたのが、こんな延命措置です。
休眠IPアドレス探せ…国内売買解禁へ YOMIURI ONLINE
インターネットの住所にあたるIPアドレスの売買が、来年中に国内でも認められる見通しになった。
世界的なアドレス不足に備えた措置で、使われていない休眠アドレスの利用が活発になると期待される。
つまり、申請したけれど使われていないグローバルIPアドレスを、プロバイダ間で売買できるようにするという事です。これにより、二年で枯渇する所を三年に延命できるとか出来ないとか・・・
いやもう本当にその場しのぎですね!
こんな事をするくらいなら、さっさとほぼ無限のアドレス空間を持つIPv6に移行してしまえば良いのに・・・と思ってしまいますが、現在売られているハブやルーターなどが軒並み使えなくなるし、プロバイダや各PCでの対応など移行コストは決して馬鹿になりません。今、不自由なくネットが使えているユーザーからすれば、直接的には見えないし、興味もない話題でしょうから、全く余計なコストになってしまいます。
Windows XPと同じく、普及しすぎたが上のデメリットってやつでしょうか。最終的にはIPv6に移行するしか道は無いと思いますが・・・どのような方法で移行を促すのか、今までの機器はどうなってしまうのか、今後の動向が実に興味深いですね。