人型ロボットと聞いて思い浮かべるのは人それぞれだと思いますけれど、「現実に存在する」という一言を添えるなら半分くらいは「ああ、ASIMO?」と答えるのではないでしょうか。一部実用化も進んでいる同社のロボット技術ですが、今度はまた、ちょっと別の形で世に出てきたようです。
ホンダ、「体重支持型歩行アシスト」の記者会見を開催~まずは業務支援用として検証を開始 ROBOT Watch
11月7日、本田技研工業株式会社は「体重支持型歩行アシスト」装置の試作機を初公開した。「体重支持型歩行アシスト」は小型シートのついた両脚型のデバイス。使用者(自力歩行できる人)の体重を支えることで、歩行・階段昇降・中腰動作をするときの脚の筋肉、関節(股関節、ひざ関節、足首関節)の負担を軽減する。
今回発表されたロボットは、まさに「足のはえた椅子」と言った表現がぴったりくる、ちょっと異色のもの。機能的には、歩く、階段を上る、中腰になるといった日常の動作を手助けするもので、バランスとるなどの基本的な動作は、ほぼ人間がやることになります。
アシストによって軽減されるのは、立った状態で3kg、中腰で9kgとのこと。たったこれだけ?とも思いますけれど、両手に5kgのダンベルを持った状態で中腰になってみると、それなりの効果が見込めることがわかのではないでしょうか。
ただ、慣れないうちはやはり違和感があるとか。
歩き回ってみたが、馴れない機器を装着しているせいか、自分自身が足を普段より大きく、かつガニ股気味になってしまっているのが分かる。階段を昇降してみてもそれほど不自由はないが、見ていると手すりをつかんで歩いている人が少なくなかった。それだけ違和感があるということだ。
今回の機器のターゲットは、中腰での作業が多い作業者や、足腰の弱くなった高齢者に設定しているとのこと。歩く・・・というよりも、自分で自由に動き回れるというのは本当に大事なことです。私は、以前二回ほど入院をしているのですが、そのときにいやと言うほど思い知りました。
日本のパワードスーツは、軍需用途とは一線を画した、いわゆる「弱者のためのもの」という印象を強く受けます。今後、このような技術によって、誰も血を流さずに、一人でも多くの人が自由に歩ける日々を取り戻せたら、それはとても大きな意義があると思います。願わくば、軍需転用とかされないといいですけれどね。