PCで使うソフトウェアのコストは、正直な所どんどん下がっています。Googleを初めとする広告型無料ウェブサービスが台頭している事が最も大きな原因ですが、それに引きずられるかのように、パッケージソフトウェアの値段も下がり気味です。大きなところでは、私も先日購入したマイクロソフトのOfficeもそうですし、ATOKも月刊・年間ライセンスを用意し、支払金額を抑える方向に動いています。また、廉価パッケージソフトも増殖していますが・・・そもそも、ウェブサービスのおかげで、必要なソフトがそもそも減っているのですよね・・・
さて、そのような状況下において、むしろ以前より必要とされるようになったのがセキュリティソフトです。今では入っていないPCの方が異端・・・というか、Windowsにおいてはもはや必須とも言えるものです。デフレの波には逆らえずに値段を下げてはいるものの、まだまだ無料ソフトウェアの勢いが弱い、珍しいカテゴリーを形成しています。
そのセキュリティソフトにインスタントOS対応の物が出たとか。インスタントOSと言えば、Windowsやubuntuと言ったメインOSの代わりに立ち上げて軽作業が行える、起動が速いSlashtopやgOSのようなコンパクトなOSのこと。そもそも機能が恐ろしく限定される上に、ソフトウェアのインストールすら想定されていないことが多いインスタントOSに、いったいどんなセキュリティ対策が必要なのか?と思ったのですが、どうやらこういうことらしいです。
トレンドマイクロ、インスタントOS対応のセキュリティソフトを提供 Security Next
インスタントOS上のウェブアクセスを監視して危険サイトへのアクセスをブロックするほか、URLフィルタリング、ハードディスク内のウイルスチェック、リムーバブルメディア内のファイル検索などが可能。
大まかに分けて機能は二つ。フィッシング対策やペアレンタルコントロールなどの「アクセス制御」と、メインOSの「ウイルス検索」です。
アクセス制御はOSを感染から守ると言うよりも、むしろユーザーをソーシャルエンジニアリング的な罠から遠ざける機能と言えます。なるほど、それならばOSを問わずに必要でしょう。知らず知らずのうちにYahooそっくりのサイトでユーザーIDを打ち込んでいないとも限らないわけですからね。
それよりも、むしろ大いに納得したのがメインOSのウイルス検索のほう。元々メインOSとセットで提供されるインスタントOSですので、メインOSを起動しない状態でウイルスチェックが出来るのは大きなメリット。メインOSを動かす必要は無いから、ウイルス自体も動きません。よって、感染をこれ以上広げることはないですし、また、メインOSのデータも保護出来ます。
メインOSの応急措置的な意味でも、インスタントOSの搭載例や役割が増えるかも知れませんね。最近は、ネット上の脅威がソーシャルエンジニアリング的手法に動いているように思いますし、そういう意味では、インスタントOS用のセキュリティソフトというのは先進的で将来性のあるものだと言えるかも知れませんが・・・いかんせん、インスタントOSにはあんまりお目にかかれないんですよね・・・そもそも、そのセキュリティソフトはプリインストールのみでの提供になりそうですし、この流れがどう市場に受け入れられるか、インスタントOSの動向も含めて見守る必要がありそうですね。
既に世界シェア上位4製品はフリーのセキュリティソフトのようです。
OPSWAT,Inc. worldwide antivirus market share report
http://www.oesisok.com/news-resources/reports/worldwide-antivirus-market-share-report
そういう私も数ヶ月前にウイルスバスターのライセンスが切れたので、無料のSecurity Essentialsに乗り換えました。
どうも最近のトレンドマイクロは行儀がよくないようなので…。
日本においても状況が変わってくるでしょうか?