Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

新しい「創造論」

2005-06-08 18:57:20 | Science
 政教分離、という言葉があります。日本人にとってはごく当たり前な論理で、玉串奉納で政治家先生がたたかれたのは記憶に新しいところです。
 宗教と政治は切り離して考えましょうよ、というごくごく当たり前な考え方なんですけど、先進国の中でその考え方が通用しない国もあったりします。

 その国というのは、まあアメリカなんですが。

 創造論という考え方があります。
 いわゆる、「神が全てを作った」と考えている人たちです。彼らにとって、神を挟まない進化論は受け入れられないのですけど、そこで「創造論は科学的に正しい」「進化論は価格的に間違っている」といってしまう人も少なくないみたいです。
 信教の自由と言論の自由がありますので、別に何をしゃべってもらってもいいのですけど、それを他人に、こと何も知らない子供に押しつけるのは問題があると思います。

 と言いますのは、今までアメリカでは、一部の創造論者によって「学校教育から進化論を閉め出すべき」というとんでもない論争が起こっており、とある州では、現実に教えられない時期もあったほどです。

 公共教育はキリスト教徒だけのものではないし、疑似科学を「科学」として教える姿勢はけしてほめられたものではありません。
 そういう批判は当然のことで、実際に出てきました。
 そこで創造論者は次の手を考えました。

米で新たな進化論争 「神」ではなく「知的計画」?

  「生命の誕生や進化の背景には知的な計画があった」という「Intelligent Design(知的計画=ID)」説を学校で教えようという主張が、米国で頭をもたげている。米国では、旧約聖書の創世記に基づき、天地と人類は神がつくったとするキリスト教右派が勢力を保つ。そうした宗教右派の「進化論を学校で教えるな」という主張とは表向き一線を画しているのがID推進派の特徴だ。

 要するに、

進化論教育の維持を訴える非営利組織「全米科学教育センター」のユージニー・スコット代表は「憲法の政教分離原則によって公立学校で天地創造説を教えられないため、宗教色を薄めたIDを持ち出しただけ。科学で説明できない『穴』があると、それを『神』で説明しようとする、天地創造説を唱える人たちの手段だ」と話す。

ということなんでしょうけど、いきすぎた宗教は科学の進歩を阻害する・・・ということを、未だに彼らは分かっていないようですね。


参考
進化論と創造論
~科学と疑似科学の違い~
  

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