こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

自然な光

2012年05月24日 | 日々思うこと、考えること
なにをもって、自然な光というのか。
基本的には太陽光をもってそういうのであろうが、火の灯りは自然ではないのか、というと難しい。
人類は短期間のうちに沢山の種類の光を手に入れた。

勤務先の病院の医局の照明の入れ替えが行われている。従来の蛍光灯から、LED蛍光灯に変えるようだ。
私のいるブースの上はすでにLED蛍光灯に変わっている。変わった当初はなんだか、紫色っぽい白、というか、おかしな気分だったか、じきに慣れてしまい、今ではなんとも思わない。

医局はとても広く、半分はまだ従来の蛍光灯を使用している。まだ使えるので、そうしているのだろう。そちら半分はなんだか黄色っぽい。

手洗いはまだ従来の蛍光灯なのだろうか、色が黄色っぽい。
廊下もまだ、従来の蛍光灯のようだ。

こうなってくると、どういう光が“自然”であるのかよくわからなくなってくる。
現代の日本人の多くは分娩室で生まれるはずなので、はじめに見る光のほとんどは、人工灯の光であるはずだ。それも、蛍光灯。そのうち、LED蛍光灯になっていくのだろう。

私の仕事部屋である、病理診断科の照明は従来の蛍光灯が入っている。幸いにも外に面しているので、太陽光も入ってくるし、ちょっと離れたところにある、いつもの公園の緑も見える。

太陽光は朝、黄色がかっているが、昼間は真っ白、そして夕方赤くなって、沈む。
病理診断でも光量をいろいろに調節して診断することがある。そもそも色の着いていない組織に色を着けて、診断をするが、この場合、自然光というものを規定することは困難だ。
顕微鏡の光源にも近頃LEDが使われるようになってきた。真っ白すぎるような気がしたが、慣れれば、今使っている、白熱灯のものよりも視認性が上がるかもしれない。それで、診断能力も上がるのであれば、すぐにでも更新するのだが・・・(実際は、予算の都合上困難)。
それに、この程度(光源が白熱灯か、LEDであるか)の違いは、弘法筆を選ばずの範疇のようである。

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