こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

私(おじさん)の夢

2011年03月31日 | 日々思うこと、考えること
某雑誌の依頼原稿で、「著者紹介」を書いて欲しい、とあった。項目の一つに、「夢はなんですか」とあり、はたと困ってしまった。
考えてみると、「ああしたい、こうしたい」などという近視眼的なことを挙げていけば、人生の局面局面で、いくらでも出てくる。しかし、こういう場合の夢ともなると、自分なりに一生をかけて達成したいこと、となろう。


さてそういったものを私は今、持っているか。父親との相克を経て医者になろうと決意した時。障害を持って生まれた弟を治してあげたい、と思った。病理医になって、自分なりの病理医像を作り、医療のなかでの病理の認知度の向上を夢見たこともあるし、いまでも、ある程度継続している。そして、50歳近くなり、残された時間も体力も余り無くなってきたところで、いまさらの夢とは。

原稿には、該当分野のさらなる研究、発展を目指して頑張ります!というようなことを書くことになろうが、これでは、エントロピーは見かけ上縮小するばかりだ。そうはいっても、ほんの小さな事象であっても夢を持って追求すべき真実はそこにこそあるかもしれない。

もう少し時間をおいて、考えてから(〆切に間に合うように)書いてみよう。


さて、私は変わり映えなく4月1日を迎えるが、新しい一歩を踏み出すあなた、どんな夢を持って歩み始めるのだろう。そのとき、夢を言葉にして、口に出してみるといいかもしれない。

高校のメーリングリスト

2011年03月30日 | あの頃のこと…思い出話
先日(といっても、去年)挙行した高校の同窓会、ずいぶんと盛り上がった。
その時にメーリングリストを作ったが、そのメーリングリストが今回の大地震に関する情報、意見の交換に役立っている。
被災地に住んでいるやつの消息や、現地に乗り込んでいくやつの報告、原発事故についての情報、意見交換、被災した企業に勤務していてその復旧で頑張っているやつ話とか、いろいろ話題は尽きない。もちろん、トップシークレットに関してまでは話は出てこないので、NHKで放送されていること以上のことがどれだけあるかはよくわからない。というか、政府もそれなりに情報公開を極力行っているということかもしれない。
幸い、同期で地震により亡くなった人はいなかったが、被災した人は何人かいた。

原発事故に対する対応も、いろいろで、すぐに家族を西日本に”疎開”させたやつも何人かいる。
高校時代と同じような立ち位置の感じが伝わってくるのが分かって、興味深い。春休みが終わったら、どうするのか、そちらの方の判断も参考にしたい。

私も一度、意見を投稿したが、もともと、こういう偉そうな書き方をしてしまうので、控えめにした(つもり)。今回の大地震について、それほど有意義な情報は持ち合わせていないので、雑情報を混在させるわけにもいかないので大人しくしている。
できることといえば、頑張っているやつに、心のなかでエールを贈ることくらいか。




風邪か花粉症か

2011年03月29日 | 日々思うこと、考えること
朝から鼻水がとまらない。
風邪とすると、一昨日、ベランダでナイトを横にうたた寝したのがよくなかったのか(15分毎に顔を舐めてくるので、それほど眠れなかった)。
多少、ゾクゾクするし。
それとも、花粉か。
花粉症に詳しいひどい花粉症の人によると、スギ花粉のつぎは、ヒノキのシーズンだそう。
私の場合、ここ数年、皆がスギ花粉で騒ぎだす頃には大丈夫で、いつもこの季節になると鼻がむずむずする。

花粉症=スギ花粉症という、ワンパターンでいるので、その他の花粉症には頭が廻らない。

その、花粉症に詳しい花粉症の人はもちろん原因物質(アレルゲン)を検査しているのだが、それで鼻水の出る季節を想定しても仕方ないように思うので、私としては調べる気は今のところない。


今朝、病院の裏門の横の桜が咲いた。
季節はめぐり、さまざまな命が動き始める。


若年女性向け支援物資の充実を

2011年03月28日 | 自然災害・事故・感染症
国生が呼びかけ、生理用品を持ってきて!(サンケイスポーツ) - goo ニュース

国生さゆりさんらの活動の記事にもあるが、女性向けの救援物資を充実させる必要がある。
鎌倉市ももちろん、救援物資を受け付けているのだが、受付物品一覧のうち、女性向けのものは生理用品、下着しか記載されていない。下着については、男女の区別は無い、ということが、いかに問題であるのかということに、私なんぞが気がつくわけはなく、ぼんやりしていたところ、妻が「今日、寄付してきたの」と言う。

「きっとね、うちの子(4月から中学2年になる娘)と同じくらいの女の子たちが困っていると思うの。大人用の下着なら、集まるかもしれないけど、13、4歳の女の子用の下着、多分あまり足りていないと思うの。だから、駅前の東急ストアで買って、市役所に持っていったわ。」とのこと。
この世代の成長期の女の子の場合、言いたくても我慢していることが、たくさんあると思われる。娘を持ちながら、そういったことに気がつかなかった自分が全く情けない。

義援金の寄付を考えている方がおられたら、是非この年頃の女の子用の下着のご購入、ご寄付もご検討願いたい。男性の場合、購入は困難だが、奥さん、お嬢さんにこのことを伝え、お金を渡せばいいし、独身男性でも、ご母堂、ご姉妹、職場の女性同僚に頼んでみてはいかがだろうか。

決行 敢行 断行 強行

2011年03月27日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
我が家のミモザもずいぶんと咲いてきたが、まだまだ、肌寒い日が続く。

東北地方は未だ朝は氷点下の冷え込みのようだ。
鎌倉も日当たりは良いものの、空気は冷たい。それでも、街中に出てみると少しだけ人出が戻ってきているようだ。少しずつ、人々が普通の生活を取り戻しつつあるのかと思えた。


来月末の”第100回”病理学会、予定通り開催だそうだ。東北地方の医科大学、医学部は大変な被害を被ったそうだし。そこで、問題。

問 (  )内に下記の選択肢の中から適当な語句を選んで入れなさい。
3月11日にあった大地震は大津波を伴い、東北地方を中心に未曽有の甚大な被害をもたらした。そのような状況下、4月下旬に予定されていた”第100回”日本病理学会総会が(  )された。
a.決行 b.敢行 c.断行 d.強行

答 予定通り思い切って行うわけで「決行」が適切だが、現在のわが国が置かれている状況は、きわめて厳しい。さらには、余震が4月末で終わるか、原発事故がそれまでに収束するか、といった不透明な状況もある。となると、「敢行」となろうか。困難のみならず、反対する人がいないのか。それでも、行うとなれば「断行」。会場が被災した、というほどではないが、ホームページには開催中止の文字が痛々しく連なる。学会長のご心労を思うと、「強行」は不適切だが。

あなたはどの言葉を入れるか。ここまできて、私だったら、と改めて考えてみたが、私のような「実行」力のない人間には、お手上げの問題だ。


天園ハイキングコース2 鎌倉宮から建長寺へ

2011年03月26日 | 鎌倉暮らし
妻は復興支援活動、息子は春期講習、部活を含む学校行事すべてが中止となっている娘は小学校のクラスメート数名で会うというので出かけてしまった。私は、書き物と第100回病理学会総会の準備をしようと、家に資料を持ち帰っていたので、留守番兼学会の準備。病院に行ってしまったほうが仕事ははかどるのだが・・・
そんなで、留守番していたのだが。寒い。
薄曇りとはいえ、太陽も見え隠れしているので、暖房を入れるのももったいない。そこで、フラットコーテッドレトリバーのナイトと少し長めの散歩に行くことにした。
この1月に天園ハイキングコースを歩いた。その時は全部の3分の1くらいしか歩かなかった。今日は薄曇りの中、残りの4分の1くらいを歩いた。

マルチーズのコロ、一匹にして悪いが、留守番だ。


鎌倉旧市街から鎌倉宮へ行く時に通るのが荏柄天神。去年は息子と娘の高校、中学ダブル受験があってお参りしたのだが。今年はまだお参りしていない。

荏柄天神から山に向かうと鎌倉宮。

このお宮は護良親王を祀るために明治天皇が創建したとのことで、鎌倉の中では比較的新しい神社だ。

さて、鎌倉宮の横の道を奥に入っていくと、この前出てきた、ハイキングコースの入り口が見えてくる。

ここからの上り道もややぬかるんでいるところがあるのだが、永福寺から獅子舞に上がる道よりはずっとましだ。
途中には、”百八やぐら”といわれる多数のやぐらがある。横穴式のお墓で、犬のナイトは何かしら、感じるものがあるのだろうか?

ほどなく、鎌倉アルプス尾根伝いの道に出る。
右に行けば瑞泉寺、左に行くと建長寺へ。

天気のせいもあるだろうが、今日はすれ違う人が少ない。地震と大津波は、鎌倉の観光産業にも大打撃を与えている。
建長寺の上に着いた。

展望台から、少しだけ海が見える。なんといっても、ここは北鎌倉。

半僧坊前の石段を一気に駆け下りると、大蛙が。


市内に戻って、我が家へ。
約1時間半の散歩でした。


途中、新装なった鎌倉市立第二中学校を見に行った。
可愛い時計台のある、木の香りが漂ってきそうな素敵な校舎が出来ていた。

前の校舎、本当に古かったからな・・・

少しづつ 戻していこう

2011年03月25日 | 自然災害・事故・感染症
大地震から、今日で2週間。

2週間前の朝、このようなことが起こることを誰が思っていただろう。

もしかしたら、大地震が起きたら?と、頭をよぎった人もいるかも知れないが、数十の町村が壊滅し、数十万におよぶ人が被災することになる、人智を超えた災害になると思えただろうか。

病理医3人でディスカッション顕微鏡を囲んでいたときに起きた地震。
壁材が剥がれ落ちる数十秒、数分におよぶ長い揺れの中、本棚を押さえに自分の顕微鏡のあるデスクに行った。

しばらくして、医局に戻り、テレビに映しだされた津波が、これほどの大災害になっているとは、その時はまだ、知らないでいた。


あれから、2週間。

はじめの1週間、まともな診断ができなかった。
春分の日があったので、比較的ゆとりがあったのが救いだった。
人間ドックにかかって、検査を行ってくれた友人に、そのことを話したら、「そうか、お前もだったのか。俺もそうだったんだよ。」と。
皆、それなりに不安を感じていたのだろう。

余震のたびに、マルチーズのコロが2階から駆け下りてくる。


フラットコーテッドレトリバーのナイトも、家の中に居たがった(人間のそばいにたいのはレトリーバーの習性で、これは地震のせいだけでもないのかもしれないが?)。


さて、そんな今日、外科がずいぶんと大きな手術をするというので、病理も迅速のために待機。
最初の検体が出始めたのは午後ちょっと遅い時間だったのだが、なかなか取りきれない。
結局、8ヶ所目の断端陰性、という返事をインターホンで返し、迅速診断のレポートをサインアウトしたのは20時過ぎ。
ちょっと、しんどかったが、落ち着いて診断できたような気がする。

ちょうど、先週の金曜日にも難しめの迅速があったが、その時は首都圏が大規模停電になるかもしれない、ということで早めの帰宅が言われ、騒然とした中で行った。
病変の広がりが今まで見たこともないようなものだったということもあり、診断にだいぶ苦労した。
それに比べると、今日は冷静に行うことができた。

迅速のレポートを書いている間、再び大きめの余震があった。
地震酔いがなかなか抜けないし、いつまた大きな余震が来るかもしれないという不安はある。

だけど、いつまでも、こうしてはいられない。
検体の向こうの患者さんの笑顔のために、病理医は病理医の仕事をやっていかなくてはいけない。
今、すべきことを高い質で行うことが、それぞれの人に与えられたことなのだろう。
なにをどこまで、と決めるわけにはいかないが、少しずつ、戻していくことが大切だ。

今年ももうすぐ桜咲く

2011年03月24日 | 通勤・交通・旅行
去年の今頃、桜の花がちらほら咲き始めていた。

今年の冬は寒く、開花はもうしばらく待たないといけないようだ。
だけれども、つぼみは少しずつ大きくなり、ピンクに色づいたものも散見される。


大地震と大津波、私たちは稀有な天変地異を経験した。これに続発した原発事故という、未曽有の災厄に見舞われている。
地球にとっては、地震も津波も大したものではなかったかもしれない。

そして、今年も桜は、何事も無く、もうすぐ咲くのだろう。


人間ドックで病気が見つかり・・・

2011年03月23日 | 日々思うこと、考えること
先日受診した人間ドックで、甲状腺と大腸の精査が必要となった。

人間ドックで検診してくれた内科の先生が、触診で「結節を触れますね」などというので、専門医を受診することに。専門病院なのだが、予約も紹介も無しで受診できる病院。それにしても、甲状腺の病気の人って、これほどいるのかと驚いた。比較的若い女性に多いとは知っていたが。
私はといえば、甲状腺ホルモンのデータは正常範囲内、超音波にても結節などはなく、念のため、フォローアップしてもらうことになったが、まずは一安心。
便潜血反応が陽性だったので、大腸内視鏡を受けることにした。というのも、以前(10年以上前)、潜血反応があって、一度内視鏡を入れてもらい腺腫が見つかった。この時は、中等度異型で、自分で鏡顕しても「あれ、けっこう悪いんだ」と感じた。癌といえる所見はなく、また断端に腺腫成分もなく、取りきれいてたのだが、30代前半と結構、若年での発症だったので、潜血反応が陽性になったら大腸内視鏡検査をしてもらう覚悟をしていた(これから先もずっとだが・・・)。
そして今回、便潜血反応が陽性。高校の同級生で消化器内科、それも大腸が専門、というお医者さんがいて、相談したら、診てくれるとのことで、お願いした。
便潜血反応陽性=何かある、と戦々恐々としており、取った組織を自分で診るかどうしようか悩んでいたのだが、今回はどうやら何もなさそうだった。前の時は、ポリペクしたところから大出血して、1週間入院したなんてこともあったのだが、何事も無くよかった。

上司が、「人間ドックをやると、いろいろ病気がみつかっちゃうのよね」といっていたが、全くそう。病気(相対的な体の不具合)なんていうものは、探ばいくらでも出てくる。先輩病理医に今度のことを相談した時に、「ダメだよ、調べちゃー」なんて冗談で言われた。
早期発見早期治療が病気治療の原則だといわれ、検査結果として、探していたものが見つからなかった(陰性だった)から、こうも言えるのだが、深刻な病気が見つかっていたら、さてどうだったろう。
いずれの精査も大地震の前から予定、予約していたので、そのまま検査を受けたが、今の時期受ける必要があったのか、それとも3ヶ月後くらいに受けるべきだったのか。
大地震後も通常の病理診断を行っていて、また、自分自身も検査を受け、相対的な価値観のありようを考えると、どうあるべきなのか、よくわからなくなってくる。

このくらいがちょうどいい

2011年03月22日 | 通勤・交通・旅行
連休明けの横須賀線。
電車はいつも通り来たのだが、戸塚を過ぎたあたりからずいぶん混んできて、横浜を過ぎる頃はいつもよりも1時間くらい遅い時間(以前の勤務先に通ってた頃)の混み方に。
みなさん、遅れるかもしれないことを見越して、いつもより少し早めの電車に乗っているのだろうか。
間引き運転というと、江ノ電。
普段は12分に一本だったのだが、24分毎になってしまった。
一本乗り遅れると結構大変だ。

ところで、横浜駅。
電気を間引いていて、構内は薄暗い。


しかし、こうなってみると、この程度で十分。
普段の眩しいほどの構内が異常だったと思える。
中年のおじさんには、眩しくなく、この程度でちょうどいい。

鏡顕室も暗くして、かえって落ち着いたし。

生理的にはこのくらいがちょうどいいのかもしれない。

意識を意識しながら生きてみる・・・その後

2011年03月21日 | 自然災害・事故・感染症
3月11日の東北地方太平洋沖地震から10日が経った。この間、何があっただろう。

すぐ怒ってしまうことに悩んでいた私が、このブログの読者の方から紹介してもらった本を読み、そこから自分なりに試してみようと思って始めたことが、意識を意識しながら1週間生きてみるということだった。ところが、その1週間の最後の日が大地震の日だった。
中学校の卒業式の来賓として呼ばれたり、めんどうなカンファレンスがあったり、考え事をしていて、車にひかれそうになったり、その1週間も大変興味深く濃い1週間だったのだが、その後の大災害の発生で、私の意識を認識するという作業は、それまでとは全く違ったスケールになってしまい、総括するには自分自身どうしようもなくなってしまった。

なんとか、自分の意識のありかを探ってみたもののの、大地震発生後の2,3日の間、何を考えているのか、まったく見えないでいた。

余震が続き、不安で目が覚めた時に、意識を探してみたら、命が危ない状態では、思考がほとんど介在していないことがわかった。普段であれば、あれほどとりとめのないことが頭をよぎっていたにもかかわらず。
そして、身体は即応体制となっていて、考えを一旦頭の中に留めるということがなかった。
先週の月曜日(14日)から水曜日(16日)あたりまで、込み入った症例の診断文が上手く書くことができないで困った。所見をぱらぱらと取り上げる事はできるのだが、出来るのはそこまで。所見の羅列ばかりで、それらをすべてを上手く統合したレポートがなかなか書けなかった。あとから自分の書いたレポートを読むと何が書いてあるのかがわからない。これでは、病理診断とは言えない。
大災害というノイズが高度な思考力を必要とする業務を妨げていたであろうことは、間違いない。

”平時”には、仕事中は仕事(鏡検および病院業務)に集中していた。個人的なことなど仕事以外のことを考えることはほとんどなかった。しかし、大地震が起きてからというもの、ノイズがたくさん入る。実際に、余震もある。「人とはなんて美しいものだろう、人が人であるときには」。古代ギリシャにこんな名文句があった(2011年3月17日(木)天声人語より)。2000年以上昔から、同じことが繰り返し言われていたということだ。’平時’においては私たちは人であり、病理の仕事もできる。ところが、命が危うくなると、体は命を守ることに力を削ぐようになり、脊髄反射的な短絡的思考しか行えなくなる。


はたして、どちらが人であるのか。
人が人であるとは、”平時”とは。
人というものにほんとうの姿などないのだろう。生まれた時から、人それぞれに、置かれた環境は異なり、身体能力もそれぞれ大きく異なる。

意識を意識しながら生きてみることは、これからもやっていこう。
実際、意識を注意深く意識すると、心の動きが見えてくる。
大災害や生命に危険のあるときは、そういう事をする余裕は無いが。

禍福門なし唯人の招く所

2011年03月20日 | 自然災害・事故・感染症

墓参りに行ってきた。いつものお彼岸と違い鎌倉市内に入ってくる車はとても少ない。
お墓では、家族が無事に過ごさせてもらっていることを御先祖様に感謝し、手を合わせた。

原発事故は終息がなかなみえてこない。ついには、一部の農作物から規制値をこえる放射能が検出されたとのこと。とても残念だ。

東京、神奈川は福島から200㎞以上離れており、すぐさま被害が生じるわけではなかろうが、風向きによってはどのような事態に陥るか、予断を許さない。多数の外国人が国外退去を始め、私の周りの日本人も関東地方から西日本に移動し始めている。関東圏の2千万以上の人が移動したらそれだけで、パニックになることはあきらかだ。
少なくとも、私に出来ることといえば、状況を注視し、いざとなったら、屋内に避難するというのが関の山だ。

東京一極集中がこのような事態を招いたということを私は実感する。東京で育ち、仕事をするようになってからも勤務先は常に都内。神奈川鎌倉に住むようになってもそれは変わらないし、この先も変えることは難しいだろう。
比較すればキリがないが、自分こそ、東京の機能を最大限利用してきたと感じざろう得ない。

結局は、私にとっての幸せも不幸せも私が引き寄せてきたのだなと、気がつく。

それでも、墓参りに行き、花を手向け、線香をあげる。
繰り返しのなかで、人は年を重ね、世代を重ねていく。



スーパーフルムーン

2011年03月19日 | 自然災害・事故・感染症
今夜は19年ぶりに月が地球に接近し、普段より14%大きく、30%明るい満月をみることができるという。

源平池では、大小二つの月(一つは水面に映る月)が輝いていた。
おりからの節電で、鎌倉の街も20%くらい暗く、余計によく見えるような気がする。

天候は今ひとつだが、せめて今夜はこの国をあまねく照らしてほしい。


帰宅

2011年03月18日 | 家族のこと
5日ぶりに帰宅した。
通勤の便を考えて、都内にある実家に泊まって、いわば”逆疎開”していた。実家と言っても、私が出てから建て替えていて、自分の部屋はすでになく、客間に泊まっていた。
妹は結婚してとうの昔に家を出ているが、親父もお袋も元気で、障害のある弟もいる。家族はそれほど変わらないのだが、それでも居心地は前とは違う。

わずか1年半しか住んでいないが、家に帰ってくると落ち着く。
それほど、職場からは遠く、それほどいい場所でもないが、自宅というものはありがたい。
家族がいて、犬たちもいる。自分がどれほど幸運であるかを、神様に感謝する。


私たちにできること(2)

2011年03月17日 | 自然災害・事故・感染症
今日明日、真冬並みの寒さとなった。被災された方々、救援活動に当たっておられる方々の無事をお祈りする。


東北各県の基幹病院においては大変な困難が生じているとの連絡が来ている。
お水、お湯も足りないのは当然だが、医療機関によっては、行政と連絡が取れず現状を伝えることができず、ニーズが伝えられず、本当に必要なものが届いていないとのこと。たとえば、ミルクはあっても、哺乳瓶、乳首がない、といったような盲点となるようなことが起きているそうだ。
病院内での治安悪化(盗難など)も深刻だそうである。

我々にはなにができるか、自分がその立場になった時、遠くにいる人たちになにをして欲しいかを考え実行しよう。ひとそれぞれ、程度というものがある。いきなり、すべてを我慢するなどということができるわけがない。皆、できることは少しかもしれないが、それがたくさんになれば、大きな力になるはずだ。


今日の高速道路、交通量は大変少ない。




独立行政法人 放射線医学総合研究所(放医研)からヨウ素摂取に関する注意喚起書が出されているので、引用掲出する。

ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-


平成23 年3 月14 日(月)

独立行政法人 放射線医学総合研究所

放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。
市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。
理由は以下のとおりです。
・うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。
・たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果がありません。
わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。
・ 含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・ コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収までの時間がかかります。
以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『安定ヨウ素剤』の代わりに飲んではいけません。また海藻等を食べても十分な効果はありません。
『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。