こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

山の紅葉とサンラータン

2022年11月05日 | 料理・グルメ
毎朝の写真の東の山がずいぶん色づいてきた。
街路樹だといちょう、けやき、少し丈は低いがハナミズキもいい色だ。
これらに比べてサクラは見劣りするが、花の素晴らしさに免じてこのことは気にしない。
家のことをいろいろやったあと、近くのショッピングモールに出かけた。
ちょうど昼時で、どこにしようとレストランのあるフロアを歩いていたら、私も妻も大好きな酸辣湯(サンラータン)の写真を店先に出しているところがあってそこにした。

麻婆豆腐も一皿頼んだが、どちらも真っ赤。
酸辣湯はとろみがあり、うっかりするとやけどするので、ふうふうしながらゆっくり食べた。
食べ終わると体はポカポカしてちょっと寒くなった日にはちょうどよかった。
モールの中は幼い子供を連れた若い親子が多く、あんな頃もあったなと懐かしい思いでみた。
おとといに続いて夕方の綺麗な月の出を見ることができた。
のどかに過ごせた1日に感謝

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元気を出そうと簡単オーブン料理

2022年08月01日 | 料理・グルメ
やっと8月に入ったところだというのに、今日の東京、神奈川予想最高気温は35度、場所によっては37度とか予想されているところもあるが、お盆の頃はどうなってしまうのだろう。
ワクチンの副反応である左肩の痛みはほぼおさまったが、頭痛がまだ少々ある。
まあ、頭痛は熱さによるものかもしれず判断は難しい。

一昔前だったらこんな”体温と同じ気温”などという話題は、どこか遠くの国での”熱波”のことだったのに、日本でもこれが当たり前となってしまった。
ニュースか何かで、クワガタ虫の顎にあたる鍬形の形が明治時代と変わってきていて、それが温暖化によるものと考えられるという話をしていた。
人間もあと100年もしたら体のどこかが伸びて、どこかが縮んでなどということになるのだろうか。

妻が暑さにやられてしまったので、おととい昨日は私と娘で食事を作った。
いずれもメインディッシュは私の担当。
おとといは、ラムラック。
冷凍庫に入っていたのを流水解凍、ニンニク刷り込み、あとは塩胡椒、赤ワインを回しかけ、庭のローズマリーを添えて、オーブンで焼いた。
焼き上がったのを1本1本を切り分け、あとは娘に託した。

昨晩は鯛のオーブン焼き。

 これ安くなってたから

と美容院の帰りがけに駅間のスーパーで買い物をしてきた娘がいうので見たら大きな鯛。

これを娘に任せるのは不安だと思い、かといって教えるのも面倒なので、体調も少し良くなってきたということもあり、下拵えだけでもしておくことにした。
ペットボトルの蓋で鱗を落とし、エラからハサミを入れチョキチョキ切って外し、腹を割いて内臓を取り出し、塩水で洗い、バッテンをつけた。
ここまでやったら最後までやってしまおうと、塩胡椒を刷り込みスライスした玉ねぎの上に乗せ、スライスしたズッキーニとトマトを周りに置いて白ワインとオリーブオイルを回しかけし、庭のローズマリーを添えてからレンジで200度、30分。
鯛は玉ねぎ、ズッキーニ、トマトからでた水分のおかげでしっとりしていた。
身離れも良く、骨だけ残して全部いただいた。

いずれも見栄えは今ひとつだったけど、それなりに美味しかった。
まあ、下ごしらえだけであとはオーブンが勝手にやってくれるので料理といっても楽なものだ。

こうして振り返るとたった三人の食事のために、ずいぶん多くの命をいただいたし、エネルギーも使った。
偉そうなことをいくらいったところで、無駄かもしれないことをしている。
フードロス対策を

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それぞれの人が それぞれの思いをもって未来を生きる

2021年03月11日 | 料理・グルメ
それぞれの人が、それぞれの思いをもって 今日という日を迎え 
それぞれの思いをもって また明日からを生きる

それぞれの思いは、それぞれの人のもので 生き方はそれぞれだ

生き方に 良いとか悪いとかなどなく たら、れば、 もない
生きることに意味があるかどうかはとてもあやふやで 生き方はわからない
たとえ意味があったとしても 私に正しい生き方はわからない

それがわからなくても生きているかぎり 私は生きることを生きる
必死に がむしゃらに のんびり 人にはいろんな生き方があるけれど

生きてゆく先には かならず未来がある
未来を生きることは 今を生きること

未来のため たとえ意味がなくても たとえ正解がなくても 

私は私の思いをもって生きていく


3.11に寄せて

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寓話にするには時期尚早でした

2020年11月11日 | 料理・グルメ
大統領選挙で、どうやら負けが決まったらしいトランプさんは、それでも法廷闘争に持ち込み、いよいよ意気軒昂のようだ。ネット上には、彼が最後っ屁のような形でいろいろな”遺産”を残していくかもしれないというようなことが書かれているが、果たしてどうなるだろう。これで、”手続き的に”トランプさんが大統領に居座ることになったら、一体あの国はどうなってしまうのか。何より、その国民が固唾を飲んで見守っていることだろう。
そのトランプさん、型破りな人であることは間違い無い。話を聞くと、波乱万丈の人生を歩んできている。今回の大統領選挙でジ・エンドとなって大団円といくかと思っていたが、そんなことはなさそうだ。2024年を見越してか、共和党もトランプさんの法廷闘争を容認するようで、世の中そんなに簡単に話はおさまらない。
こんな話なかったかな?とおもって、昔話を思い出そうとしたが、ぴったりくる話はなくて、では自分で寓話を作ってみようと思った。
むかし、あるところに1人の若い男がいました。男の家は裕福で、お金に困ったことはありませんでした。子供の頃から体も大きく、喧嘩で負けるようなことはありませんでした。気が強く、負けず嫌いで、言い争いになってもあれこれ言って相手を言い負かしていました。大人になっても、お金があって、喧嘩が強くて、口も達者ということで、子分もたくさんできました。男は偉くなりたいと思いました。

偉くなるにはどうしたらいいか、男は考えました。もっと金持ちになる、もっと喧嘩に強くなる、もっと有名になる。いろんなことを考えましたが、もともと欲張りだったので、考えれば考えるほどあれもこれも欲しくなってしまいました。「どうしたらいいか、わかりきっている。それはこの国の王様になることだ。世界で一番裕福で戦争の強い国の王様になったら、お金も戦争も手に入るし、よその国も屈服させることができる。そうだ、王様になって世界を支配しよう。」男はそう思い立って、その国の王様になることにしました。

その国の王様は代わり番こに話し合いで選ばれていました。話し合いにはすべての国民が参加して行われます。男はそれまで溜め込んだお金を惜しげも無く宣伝につぎ込み、ついには王様に選ばれました。こうして、男は世界で一番裕福で戦争にも強い国の王様になってしまいました。王様になった男は、それまでのしきたりをいっさい変えることにしました。その国は世界で一番裕福だったので、よその国から物を買ってやったり、世界中に軍隊を送って支配していたので、尊敬されたり、怖れられたりしていましたが、そういったことをやめたのです。そして、自分の国がもっと裕福になるようにしたのです。外国のことなどどうでもいいと思っていた一部の国民は大喜びで男を応援しました。でも、その国は、外国からあまり尊敬されなくなりました。

国王になった男は思い通りの政治を行って、有頂天になっていました。ところが、世界中を巻き込む疫病が流行して、多くの国民の命が失われました。疫病がまん延するなか、何年かぶりに国王を選ぶ話し合いが行われました。話し合って王様を決めることだけは、昔から”当然のこと”であり、男もそれを止めさせることはできませんでした・・・。
これが、あらすじ。
このあとは、皆様ご存知の通りで、決着はついていないので、わからない。創作なのだから、自分の思った通りにしてしまえばいいかもしれないが、事実は小説よりも奇なり、で、本物の迫力には遠く及ばない。そして、寓話にするには、主人公の男のキャラクターを織り込まないといけないのだが、まだ生きている人について直接知りもしないのにあることないこと書くのは卑怯なことだ。
「話し合いで、男は選ばれず、王様ではなくなりました。それでも男は、ひるまず、話し合いはインチキだと言って、それまで住んでいた王宮を去ることなくいすわりました。国民は絶望しましたが、男はそんなことどこ吹く風で、幸せに暮らしましたとさ、メデタシメデタシ・・・」なんてことになるかもしれない。

いずれにしても、まさに動いている歴史を寓話にするのはどうやら無理なようだ。
さて、どうなることやら

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弁当箱でお弁当の味は変わるか

2020年07月06日 | 料理・グルメ
今日も朝から土砂降り。鎌倉は水害に強い街ではないので、だんだん心配になってくる。

車で駅まで送ってもらわなかったら、とてもじゃないけど出勤などできないぐらいだった。駅の近くにはいつもの数倍の車が家族を送りに来ていて、ちょっとした渋滞まで起こっていた。湿度は高くて、階段を上がってホームに並んだ頃にはマスクの下で頭がぼーっとしていた。それでも雨のおかげかPM2.5が低い値で推移しているのは助かる。結局一日中降ったみたいで、帰りも傘を持って出てよかった。なにしろ、仕事場は窓なし部屋なので、出るときには外の天気は分からず、タイムカードを押して、病院の外に出てやっとわかる。だから、手ぶらで外に出て雨だったら部屋に取りに戻らなくてはならず、傘を持って出るかはちょっとした賭けだ。

妻には、今の職場に移ってからお弁当を作ってもらうようになった(今週からお弁当 - 2019年10月17日)。それ以来、よほどのことがない限り弁当を持たせてくれている。最初は息子が高校時代使っていた黒い弁当箱を使っていたが、大きかったのとパッキンが今ひとつで時々汁漏れをした。そこで娘が高校時代に使っていた蓋にスヌーピーの絵が描かれている2段重ねの弁当箱に変えた。それなりに量も入り、使い心地はまずまずだった。休憩室で技師さん達と一緒に食事をしていた頃は、蓋も可愛いといってくれていたが、最近表の絵がだいぶ剥げてきてしまっていた。
妻が先週、新しい弁当箱を買ってきてくれた。スリムタイプでカバンの中に立てて入れることができるスグレモノだ。四六判の単行本と同じぐらいの大きさなので、並べてピッタリと入れることができ、荷室に無駄が出ない。昼は多めにというのが妻の持論で、ちょっと細身だったのを心配していたが、見た目よりも多く入っていた。
これにインスタント味噌汁にとろろ昆布を二口分ほど加えたものが昼食。今度のはワンプレートなので、蓋を取ってそのままぱっと電子レンジで温めることができるのはうれしい。それに洗うのも楽だ
ところで弁当の味が、弁当箱によって変わることはない。今日も美味しくいただいた。毎日いろいろと献立を考えてくれる妻には感謝するとともに、尊敬する。
ありがとうございます

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スパゲティ ジェノベーゼソース

2020年06月06日 | 料理・グルメ
父が亡くなったからといって、お腹はすく。

夕食はパスタにしようと、家を出る前に、いつの間にか花がつき始めてしまったバジルを摘んでおいた。
帰ってきて、ニンニクと松の実とオリーブオイルをミキサーにかけて、ジュノベーゼソースを作った。パスタと和えて、パスタジュノベーゼ。
バジルの葉を添え、野菜サラダとで、夕食にした。

お線香の匂いがしみてきた

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在宅勤務でブイヤベース

2020年05月12日 | 料理・グルメ
昨日の記事に”続き希望”が多ければ、と勝手に書いたら結構希望していただいたので、"予定通り(?)"書かせていただきます。

で、昨晩、ぼうぼうとなっていた髪の毛をやっと切ることができて気分が良くなり、帰りにがけに寄ったスーパーで目にした美味しそうなブイヤベースセットを買った。内容はアサリ、ムール貝、タラ、エビ、イカ。もちろん私が作ることにした。
レシピはル・クルーゼのHPのもの(ブイヤベース - ル・クルーゼ レシピサイト)。似たようなものはこれまでにも何度か作ったことはあるが、今回は結構居合を入れて。玉ねぎやニンジンは冷蔵庫の中の切れ端を加えたので、量はこれより多い。
 

    
ニンニク、玉ねぎ、ニンジンをみじん切り。セロリはスジをピーラーで取ってから。みじん切りにすると結構量がふえてびっくりする。
分量よりはケチったがサフランはまあまあいい色が出た。
 
玉ねぎがあめ色になるまで炒めてから、サフランをさらしておいた水を加える。

お魚、イカ、エビ、ローリエ、タイム、トマトを入れ、沸騰したらアクを取り、バターを加えて、少し休憩・・・ではなく、煮込む。
煮込んでいる間に風呂に入って、最後に貝を入れる。
また少し煮て、というか、貝がみんな開いたら完成。
家庭菜園から切ってきたパセリを散らしたら美味しそうに出来上がった。

お味のほうは、少々薄味だったが、われながら上出来。妻も娘もおいしいといってくれたのでまあいいだろう。塩をもっと入れてバターも倍にしたらよかったかもしれないが、血圧高めで減塩を心がけている身、この辺が限界だったという感じ。妻にはトマトペーストを使ったらよかったのにと言われた。いずれにしてもお客に出そうというならばもっと味を濃くしないと商売にはならない。
失敗したのは、エビの背ワタの抜き忘れ。うっかりしていた。食べるとき、殻をむいてから取り除いたが、ちょっとじゃりじゃりさせてしまった。

在宅勤務は、新型コロナウイルス(COVID19)への感染リスクが下がるということに加え、その通勤時間分で家事がいろいろできていい。家事をやりながら、妻から色々コツというか注意点を教えてもらうのも楽しい。
次は掃除か

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今週からお弁当

2019年10月17日 | 料理・グルメ
今度の病院で病理医は私一人。この間までいた大学病院と違い、同僚病理医はいない。
仕事で重要なのは昼食。前までは、病院の食堂が出前するお弁当を、仲間の病理医や病理診断科の技師さんらと、世間話などしながら楽しく食べていた。いまごろはラグビーの話で盛り上がっているだろうか。水害にあった人はいないかも心配になる。

今は一緒に食べる医者はいないわけで、昼食難民。
とりあえずは、職員食堂で一人飯にしたのだけど、先月までの楽しかった昼食に比べると寂しい。窓の外を眺めながら食べる定食は味気なく、2、3度行っただけでやめてしまった。次はコンビニ弁当。バリエーションはある様で意外と少なく、これもすぐに飽きてしまった。それに、思っていたよりも高く、サラダでもつけでもしたら軽く6〜700円を超えるのでびっくりした。大学生の娘がお弁当を持って行っているのもよくわかる。
職場が変わるとこうも変わるのかと実感する。

そういうことで、ついに、妻にお弁当を作ってくれる様お願いしたら、二つ返事で引き受けてくれた。今週からお弁当だ。

お昼は休憩室で食べるが、技師さん達とはまだしゃべるようなことはあまりない。同じ職場で働く様になって日も浅いから無理もない。テレビを眺めながら、黙って弁当を食べている。
喋る相手はいないけれど、妻が作ってくれたおかずの一つ一つに込められた思いを考えながら食べると、妻と喋りながらお昼を食べているようで楽しくなる。
この様な状況にもそのうち慣れるだろうと思う。

今日の献立は?

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「献立アプリ」第15話・・・情報は握ったもの勝ち

2019年09月24日 | 料理・グルメ
第14話からの続き)
私が巻き込まれた駅ナカ通り魔事件の被害者は全員、IT関連企業の社員もしくはその家族だった。そしてそれらはすべて国内企業。通り魔は、通り魔などではなく、計画的に殺人を行ったということだ。
国産プラットフォーマー”ヘヴン”を開発し、海外の巨大プラットフォーマーに対して、巻き返しを図ろうとしていることに対して、海外プラットフォーマーは刺客を放った。未遂には終わったが、それは警告だったのかもしれない。
海外の巨大プラットフォーマーがヘヴンに対してそれほどの脅威を感じていたというのは驚きではあるが、この国の技術力を侮っては最後の大戦以降の二の舞となってしまう。脅威は芽のうちに摘んでしまうに限る。
この先、どのような戦いが繰り広げられていくのだろうか。

現代社会では、目の前で起こっていることよりも、目の前のスクリーンに映っていることの方が真実となる。大雨が降っていても、降水確率ゼロ、といわれたらのこのこ出て行ってしまう人がいてもおかしくない。何を信じて何を疑っていいか、個人レベルでの判断は難しくなってきている。個人間で情報交換をしていたとしても、そのコミュニティが閉鎖的であったり、全員の情報レベルが貧弱であったりしたらそれだけでもコントロールは難しくなる。さらには、それまで信頼できると思っていたニュースソースが、誤ったニュースソースを摑まされていたら、そのガセネタで社会は混乱に陥る。

商売にしてみても、情報の価値は計り知れない。10万人程度の規模の人間の購買活動を把握し、その80%程度をコントロールできたら相当な収益を上げることができる。国内であれば、1日に、一人1000円を使わせたら、それだけで8億だ。年間3000億近くになる。これをアジア圏で行ったら、数兆円が動く。

プラットフォーマーたちは、少しでも多くの個人情報を手に入れ、購買力を分析し、売り込む。通り魔事件に巻き込まれそうになった私は、ただ単にヘヴン守られなくてはいけない顧客の一人だったのだ。

今、街中で起こっている事件の裏には、プラットフォーマーたちの単なる小競り合いがあるのかもしれない。

FIN

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「献立アプリ」第14話・・・情報統制への道

2019年09月11日 | 料理・グルメ
第13話からの続き)
独裁政治を行うならば、個人情報を集めて情報統制を実施してしまえばいい。実際、先行する巨大プラットフォーマーなどはその気になれば相当量の、個人情報を得ている。カード番号も個人識別番号もみんなネット経由で登録されている。プラットフォーマーたちはそれらを寡占しようと躍起になっている。国内でもそれらに対抗していくつかのネット通販会社などが立ち上がって顧客の取り込みに躍起になっている。顧客=個人情報であり、そこには金がある。そして、ヘヴンはそれらの国内勢力連合からアジア勢力の結集を目指しているらしい。私たちの献立連絡もヘヴンの持つ私たちの情報の一つとなっていたに違いない。わが家の経済規模、ペットに至るまでの家族構成はすでに全て知られてしまっている。"今日のおススメ!"なんて勧められたら、そのメニューを選んでしまうだろう。

でも、その先には嗜好、さらには思想のコントロールが待っている。フェイクニュースとまではいかないでも、好きな記事ばかりを並べられてしまえば、そのうちそのような記事ばかりしか読まなくなってしまう。
右寄りの記事ばかり、左寄りの記事ばかりでは思想は偏る。国家がそのようなことをコントロールするようになったらどうなるだろう。その国が属している国家グループを礼賛する記事ばかりを並べていけば国民は皆それだけが真実だと考えらようになる。目の前で声を上げる数名の人よりもネットの情報の方が正しいのだ。

あの帽子の男は、単なる通り魔だったのだろうか?ヘヴンの秘密、国の秘密を知っていたということはなかったのだろうか。私はもう一度、被害者を探してみることにした。腕を切られた中学生の女の子、腹や背中を刺された男性、そしてそのほかの女性2人と男性1人。どの人も、IT関連企業の社員もしくはその家族だった。

被害者と男の関係は

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「献立アプリ」第13話・・・ヘヴンの秘密

2019年08月28日 | 料理・グルメ
第12話からの続き)
新聞かなにかで知ったことだが、国産型プラットフォーマー”ヘヴン”のAIによるディープラーニング能力は、人間の感情、善悪判断に迫るもので、従来型のものとは全く異なるタイプだそうだ。何が異なるかというと、従来型のAIは自己判断ができるといっても、ゲームとか戦争における最善手を自律的に判断するだけで、感情的なこととか、善悪の判断とかの能力は含まれていない。したがって、無差別殺人すら可能となる。
一方、ヘヴンのAIには感情というか、善悪判断能力があるそうで、”人間の不利益になることはしない”という原則を学習させておけば、ある程度の幅を持って不利益になることはしないようになる。
兵器の発達がどこまで進むかはわからないが、極小の弾丸を仕込んだドローンに効率の良い殺人を学習させたAIを積んでおけば永遠に人間の殺戮を続けるが、無差別であるという点で、そこにいる人すべてを殺してしまうから、環境破壊を伴わない爆弾ということになる。
そこで、この国はヘヴン型のAIを登場させたことなる。これなら、敵味方の判断を行いながら殺人を行うことも可能だし、手加減することも可能になる。専守防衛が可能なのだ。
AIを搭載するのがドローンではなく、人間型ロボットだったらどうだろうか。そして、私たちを救ってくれたのがヘヴンの従業員ではなく、ヘヴンの新型AIを搭載したロボットだったという可能性はないだろうか。
ヘヴンはユーザーの顔と名前をすでに知っていて、従業員、というか新型AIを搭載した店員ロボットは誰がキムチを買いに来るかは知っていたのだ。そこへ、通り魔が”大切な顧客”を次々と襲った。そこで、ロボットは顧客を守った。顧客は味方で、味方を攻撃するものは敵ということだ。

でも、その詳細を知られてはいけないから、あの事件の後、関係者同士は連絡が取れなくなり、事件自体もあっという間に消し去られつつある。
なぜ、そんな役に立つロボットの存在を隠す必要があるのだろうか。ヘヴンには別の目的があるのだろうか。そして、ワゴン販売はそのためのちょうど良い隠れみのだったのか。ヘヴンにはどんな秘密が隠されているというのだろう。

通り魔はなぜ

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第14話に続く

「献立アプリ」第12話・・・国産プラットフォーマー

2019年08月21日 | 料理・グルメ
第11話からの続き)
「献立アプリ」を運営していたのは、食事のレシピを集めたのが大当たりしていろいろなグルメページを立ち上げたサイトだった。やがてそのサイトは国内発のプラットフォーマーに買い上げられて、そのグループ企業となった。
そのプラットフォーマー、もともとわが国を代表する規模のポータルサイトだったのだが、海外勢に圧倒されそうになっていたところを、ハイテク産業省の後押しをうけ、国を挙げての体制をとって成長した。さらには東南アジアの友好国を中心に勢力を伸ばし、海外勢に対抗できるほどの大きさまでに盛り返した。そのプラットフォーマー…ヘヴンは、国策プラットフォーマーといえばそれまでだが、こうすることでしか欧米中勢に対抗することはできなかった。
ヘヴン、は次々と国内外の中小アプリ会社を吸収していった。欧米勢が全世界的にネットワークを俯瞰的に支配を強めていったのとは逆に、各国の小さなアプリをしらみつぶしに検討して次々と吸収した。そして、それぞれのアプリ会社が収集した個人情報を集積したのだった。
私たちが使っていた献立アプリの情報もそうやって、ヘヴン、に吸収されていたのだろう。そして、その情報から私たちの行動を推測し、生姜だの油揚げだのキムチだのを売っていた。ユーザーの行動パターンから食品販売、ペット用品販売などを、従来型の駅ナカ商法と異なった方法で行うことがまずはヘヴンの最初の目的だったのか。
そうすると、私が遭遇した通り魔事件は、ヘヴンにとっても突発的な出来事であって、対応に苦慮したに違いない。あの時キムチのワゴンの周りにいた人は、大部分がキムチを買いに集まっていたはずで、そこにあの帽子をかぶった暴漢が紛れ込んできてしまったのは計算外だったはず。
そして、その暴漢に対応したのが、ワゴンの売り子だったということだ。その売り子はヘヴンの従業員というか、関係者だったのだろうか。

あの男はなぜ

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第13話に続く

ラーメンは大盛りもしくは半ライスをつけていた頃

2019年08月20日 | 料理・グルメ
今日はこれから日本中雨となるようで、大きめの折り畳み傘を持って出てきた。お盆を過ぎた途端、気温が3、4度下がったみたいで、楽といえば楽なのだが、今年の夏はほんとうに目まぐるしい。

ところで、私はラーメンが好きだ。少なくとも暑いからといってラーメンを食べることを断念することはないので、こんなにも暑い夏でも週に1度は食べている。
学生時代は、とんこつラーメンに凝っていて、あちこちのラーメン屋を訪ねた。グルメブーム、ラーメンブームの前だったので、友人からの口コミで店を探した。今ではぐるなびとかでランキングが出てくるので、それを読んで有名店に行こうと思う時もあるが、そういう店は大抵混んでいてひどい行列だから、腹ペコの状態で待つことが苦手な私としてはそれをみただけで素通りしてしまう。店によっては店主が威張っていたり、作法らしきものがあったり、常連が幅を利かせていたりで、食事がつまらなくなることが少なくないので、なるべく普通の店構えで美味しい店を探している。

そんなわけで、ここ一、二年の私のお気に入りのラーメン店は、ある私鉄沿線の駅から程近いところにある旭川ラーメンの店。地元の人に聞いたら、以前はもう少し離れた商店街にあったのだが、数年前に駅前に移ったそうだ。行列を見たことhないけれど、客は必ず1、2人いる。テーブル席で家族連れが食べていることもよくある。いつ行っても必ず座れるので月に3度は行っている。

そこのランチメニューではチャーハン、餃子ライスがついて850円、安くはないが味とボリュームを考えたらリーズナブルだ。でも、一度食べただけで、このセットは食べていない。食べるのは各種ラーメン一杯だけ。この前、味噌バタコーンにしたら、それでも多くて胃がもたれた。学生の頃から30代あたりまではラーメンは大盛りか半ライス、餃子をつけて食べていた。車でなければビールも。それでももちろんスープまで飲み干して完食。それを週2回は食べていた。なんでもおいしくたくさん食べることのできたあの頃は、幸せだった。妻も、私が大盛りネギチャーシュー麺、なんてのを完食していたのに惚れたと言っていたことがある。
でも、今の私の内蔵脂肪と高めの血圧、コレステロールはこの十数年間のラーメンの蓄積もあると思っているが後の祭りだ。
そうはいっても、美味しいラーメン屋さんに巡り会いたいといつも思っている。そんなお店で、スープを2割ぐらい残してしまうが、健康のためだと理解していただきたい。

昨日は正油ラーメン

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「献立アプリ」第11話・・・うすれていく記憶

2019年08月07日 | 料理・グルメ
第10話からの続き)
私が巻き込まれた通り魔事件はマスコミをしばらく賑わしたが、長続きすることはなかった。それというのも、その後凄惨なテロともいえるような放火事件や通学中の小学生が襲われるという事件があって、通り魔事件のことはそれらのより衝撃的な事件の前に霞んでしまった。ネットニュースを調べても犯人の帽子の男が身柄を検察に送られたとか、起訴されたとかいうようなことがときどき数行で報じられるだけだった。

そして私はといえば、私以外の被害者に会えないままだった。朝晩、コンコースをあたりを見回しながらゆっくり歩いてみたりするのだが、見覚えのある顔はない。休日にも朝から半日ほどうろうろして探したが埒があかなかった。
あの日以来妻との間で「献立アプリ」でやり取りしても、もちろんワゴンは出てこない。そして、駅のコンコースだけでなくて、妻の方も状況は同じで、入ったスーパーが”たまたま”何かの食品フェアをやっているということはなくなってしまったようだ。

妻には、私が漠然と考えていたこと、すなわち、「献立アプリ」が利用者の生活パターンを、通信歴から解析していたのではないかという仮説を伝えていたので、それ以来気にしてくれていたのだが、なにか目立った変化はその程度のことで、彼女の周りで起こっていたことも私のそれと大差なかった。
彼女の場合、ご近所の誰かと会うということがないかと思ったが、そもそもスーパーのような元々物を売っているような場所の場合、何かのフェアをやっていても私のワゴンほど違和感はない。
やがて私たちは「献立アプリ」を使うこともなくなってしまった。

事件から半年以上経ち、事件のことがネットに上がることも無くなり、警察から事情聴取の連絡も無かった。事件に関する記憶は社会的には急速に薄れていった。それでも、私の心に残った衝撃はトラウマとなって、ふとした瞬間に蘇ってくる。そして異様な恐怖感に包まれ、背骨をじかに握られるような感覚を覚える。

次に、私が”個人的に”事件に関していると考えていることが話題になったのは、「献立アプリ」の運営会社が倒産して、「献立アプリ」の一部の機能が使えなくなったということだった。アプリのそもそものレシピサイトの機能は別会社で存続されたが、無料で通話ができたインターネット電話の機能は使えなくなった。元々無料だったし、他にもそのような無料の通話アプリはあるので、この点について大きな話題になることはなかった。

何もわからないまま

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第12話に続く

「献立アプリ」第10話・・・ワゴンはどこへ行った

2019年07月31日 | 料理・グルメ
第9話からの続き)
すべてのワゴン販売が駅ナカから消えたというわけではなかった。「献立アプリ」で”連絡を取りさえすれば”出現してた、私と妻にとって”便利な”というか”使い勝手の良かった”ワゴンだけが消えただけだった。というのも、もともと常設店のような感じで店を開いていたカバン屋とか本屋、アクセサリー屋のワゴンは、事件後の現場検証が終わった前後からまた店を開いていたからだ。ではなぜ、食材(およびペットの餌)の店だけが消えたのだろうか。
あの店は、なにか特別な店だったのか。もちろん、いつもいつも都合よくわが家の食材を準備してくれていたのだから特別に決まっているのだが、では、どうしてそんな特別なことができたのか。
私たち夫婦の少なくともどちらかが食べたいと思ったものを予測することなどはたして可能なのだろうか。それにペットの餌。そもそも私たちがペットを飼っていることなどどうしてわかるのだろうか。疑問は大きくなるばかりで、いっこうに答えらしきものは見つからない。
でも、あのワゴンが、私たちの夕食のことを知った上で用意されていた、すなわちもう、私がキムチを買うとわかっていて、その私を待ち受けていたとすれば答えは簡単だ。

あの日の晩にキムチを食べる予定だった人が居合わせていたのだとしたら、そのことが証明される。そうだ、あの場所にいた人に、その日の晩のメニューを聞けばその謎が解けるかもしれない。
私は、警察の事情聴取を待つ間、何かあった時のためにと連絡先を知らせ合った何人かの人に連絡を取ることにした。しかし、6人の人と連絡先を知らせ合っていたのだが、その誰とも連絡を取ることができなかった。
一体どういうことか。メールアドレスと、電話番号を交換していたのだが、そのいずれもが3日経っても通じない。警察に被害者の方と連絡を取りたいと言ったのだが、個人情報だからそんなことは無理だと、けんもほろろに断られてしまった。
SNSを使って、それなりに呼びかけてもみたが、上手くいかなかった。もちろん、みんな犯罪被害者な訳だからそんなに簡単に返事をしてくることなどない。1ヶ月ほどあれこれやってみたが、誰からも返事はなかった。

どこへ?

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第11話に続く