こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

ひどめの風邪

2016年12月28日 | 日々思うこと、考えること

先週末、忘年会の帰りに雨に当たったのが悪かったのか、風邪をひいてしまった。一昨日から昨日にかけては平熱より1度以上熱が上がってきつかったけど、今朝はほぼ平熱まで戻っていた。
今回、私がかかった風邪の症状は、鼻水に始まり、半日ほどで関節痛、もう半日で熱発、頭痛そして咽頭痛。

 

それでも、クリスマスには家族に約束していたビュッシュドノエルを4年ぶりに作った。クリームの冷ましをはしょって、少し失敗したが、なんとか食べることはできた。

熱は治まって、やっとブログも書けるようになったものの、鼻水、喉の痛みはまだまだだ。とくに喉の痛みは乾燥した空気のせいもあって、なかなか治りそうにない。このまま年末年始休暇に入ってしっかり治して、年明けは体調万全で仕事に臨みたい。 

残すところ、あと少し 

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病理医は必要なのか

2016年12月21日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

「とりあえず次世代シークエンサー(NGS)で遺伝子の変異を調べてから」

そういう時代はすぐそこまできている。
画像解析ソフトの進歩は想像をはるかに超えたものがある。囲碁や将棋の棋譜なんか全て取り込んで、それで最善手を選ぶという方法で人間の棋士を撃破している。あと、10年もしたら、オンラインゲームレベルでそんなことになってしまうのではないかと思う。

顕微鏡標本によって行う病理診断も、そのうち機械に取って代わられてしまうのではないかということを言う人がいるがどうだろう。

現在の病理診断は、病変の質的診断と病変の拡がりの評価が主体となっている。
例えば病変が癌かそうでないか、癌だとしたらそれはどのような生物学的特性をもっていて、どのような薬剤が有効か。そういった質的診断は人間の目よりも機械の目の方がブレがなく安定して行われるだろう。だが、機械では採取された検体に目的とする病変があるか、採取した病変は検査に耐えうるものか、といったような評価はできない。



病変の拡がりを評価することも難しい。人間の体は三次元の存在である。病理医はそれを臨床データを勘案して、経験に基づいて検索範囲を決定して、標本を作って調べる。そういう作業は個人差が大きすぎて、機械にはできない。

癌の診断は機械を適切に用いることで、より正確性が増していくだろう。だが、非腫瘍性病変の診断となると難しくなる。炎症だの線維化だのといった所見が入り組んで存在し、それらを総合した診断を行なわなくてはいけない。

とはいえ、教科書の写真をみて、それとあっているかどうかで満足しているような、絵合わせ病理医であってはいけない。一人の人間の体というものを全体的に把握し、身体の各部位の所見を統合して診断していく能力をもっていかなくてはいけない。

 新たな展開を 

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”ほぼ”と”ほぼほぼ”

2016年12月17日 | 日々思うこと、考えること

最近、”ほぼほぼ”という言い方をよく耳にする。この言い方、私が若い頃はなかったように思う。というか、あったのかもしれないが、あまり使われてはいなかったのではないか。

同僚の医者(臨床医)と話していて、”(この患者さん)ほぼほぼよくなっているんですよね”とか言われるのを聞くと、患者さんの状態は何となく分かるけど、正確には分からない。

私はまだつかったことがないのだが、この言い方、二つの捉え方ができるのではないか。

一つの捉え方は、”ほぼ治っている”は90%以上治っている、で、”ほぼほぼ”は70~90%程度とある程度幅を持たせた表現。

もう一つの捉え方は、かつては病気の程度の表現が、-、+で済んでいたのが、-、±、+、++とかに細分化された。これだと、ダメ、”ほぼ”治った、治ったという表現が、ダメ、”ほぼ”治った、”ほぼほぼ”治った、ほとんど治った、治った、となった可能性もある。これだと、”ほぼほぼ”は95%以上(ほとんどは99%)治ったということの表現、ということになる。

癌に対する治療効果判定というのがあって、これは私たち病理医がおこなう。このうち、乳癌取り扱い規約のグレーディングに置き換えてみると、

癌細胞に治療による変化がほとんど認められない無効(Grade0)からやや有効(Grade 1/ Grade 1a:軽度の効果, Grade 1b:中等度の効果)、かなり有効(Grade 2/ Grade 2a: 高度の効果、Grade 2b: きわめて高度の効果)そして全ての癌細胞が消失した場合の完全奏功(Grade 3)となる。見た目は4段階だが、実際は6段階となっている。

これだと、”ほぼほぼ”はどこになるのだろうか?

うーん、それぞれの人がそれぞれの使い方をするのが言葉なので、そのうちどちらかの意味が定着していくだろうと思うが、新しい言葉が生まれつつあるのに立ち会うというのは面白いものだ。

 ほぼほぼ紅葉

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読まなきゃよかった

2016年12月07日 | 日々思うこと、考えること

今日の星占い、射手座は12位。
普段読むことなどないのに、CPC(臨床-病理カンファレンス)でのプレゼンがいまいちだったので、今日の私はどんなものだったのかと。

いわく、

今日はどんな日?
憶病になりがちなので自信をもって。風邪にも注意。

CPCには自信をもって臨んだのだが、やっぱり剖検診断は難しい。
そして、

総合運
落ち込んでしまいそうな日です。アテにしていたことがうまくいかず、先見性のなさ、人を見る目のなさを悔やむかも!? 憶病になりがちですが、「ソレはソレ、コレはコレ」と物事をきちんと区別すれば、大きな影響はないでしょう。対人関係においても消極的になる傾向がありますが、本当に心配してくれる人には心を開いて。健康面では、風邪をひきやすい状態なので、ヘンだなと感じたら早めに対処しましょう。

まあ、こういう日もあるとはわかるのだが、こういう日に、つい読んでしまうというのも不思議なことだ。

 たしかに風邪だけは

 

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トランプ大統領になった・・・2016年11月の読書記録

2016年12月02日 | 読書、映画、音楽、美術

南スーダンでの自衛隊の任務が拡大された。今月は、日露首脳会談も開かれる。トランプ大統領になって、世界経済は大きく変わるだろう。

日本だけは安閑としていられる時代はもう遠い過去の話。世界の中の日本の立ち位置を真剣に考えないと、不平不満ばかりになる。

2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:383ページ
ナイス数:27ナイス

食べ方のマナーとコツ 暮らしの絵本食べ方のマナーとコツ 暮らしの絵本感想
たいていのことは無事こなせてきたようだけど、改めて確認できた。年を取ると、「めんどくさいや」みたいなことがあるけれど、食事はみんなで楽しくとるもの、食事時自分勝手な態度をとらないように気をつけたい。
読了日:11月30日 著者:渡邊忠司,伊藤美樹
国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫)国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫)感想
時奇しくもアメリカ大統領選挙。内向き政治家が世界各国で選ばれるようになって来て、世界をリードして来たアメリカも世界の面倒を見る事を止めようというトランプさんが大統領になる事になった。 この本を読むと、世界というのがいかに人々のエゴによって動いて来た事が分かる。欧米列強の横暴の歴史が再確認できるとともに、日本も人の事をどうこう言えないという事を忘れてはいけない。
読了日:11月13日 著者:吉田一郎

読書メーター

 

 食文化の交流だったら楽しいのに 

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