こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

休肝日に気がついたこと

2012年05月09日 | 日々思うこと、考えること
腰だの膝だのがこれほど痛むということは、表面から見ること、感じることのできない内臓にもずいぶんガタがきているであろうことは、想像に難くない。
とくに、肝臓は沈黙の臓器といわれるが、大きいので予備能が高いが、ぎりぎりまでがんばってくれても、ダメになる時はいっぺんにダメになる。

さて、その肝臓、これまでどれほどいたわってきたかというと、ほとんど気にせず毎日過ごしてきた。だが、50も近くなり、いつまでも放っておくわけいにもいかない。
そこでいよいよ、週に一日だけだが、”休肝日”を設けることを妻に提案し、同意を得た。
二人で、夜ごと飲んだくれていては共倒れしてしまいかねない。
切りがいいので、休み明けの日、たいがいは月曜日、の夕食はアルコール抜き、にした。以来、2ヶ月が過ぎた。休肝日明けの朝は何となく違う感じで、体が少し軽くなったような気がする。連休明けのおとといはうっかりして、連休の続きのつもりで飲んでしまったが、昨晩はアルコール抜きにした。

休肝日には、アルコールの代わりにビールテイスト飲料、というものを飲んでいる。
最初は、飲んでも飲んでも酔わないので変な感じだったが、こんなものかと思うようになってきた。

昨晩、例によって苦いビールテイスト飲料を飲んでいて、「ビールを飲みはじめた頃、なんで大人はこんな苦いものを好んで飲むんだ?」と感じたことを思い出した。
そして、今、こうしてビールを飲む疑似体験をしている自分をみて、人間の感覚がいかにいい加減なものなのか、あらためて実感した。

苦いビールを飲むのは、飲むと酔っぱらって気分が良くなるからで、ほかの酒でもたいして変わらない。酒というのは酔っぱらうから酒であって、酔わなければ意味が無い。
この、ビールテイスト飲料というのは、アルコール分がゼロということで、酔っぱらうことは無いのだが、恐ろしいほど味はビールなので、人間としては飲んでいる気になる。

だから、未成年者が飲み会に参加したいのであれば、ノンアルコールということで、ビールテイスト飲料を飲めばいいのだが、酔っぱらわないのでたいして楽しくない。ただ苦いだけの炭酸水などだれも飲みたくない。
ビールテイスト飲料を美味しく感じるのは、ビールを飲んで酔っぱらった経験のある人間だけである。


ビールを飲むと酔っぱらう。


このことが、条件反射として刷り込まれている人だけが、この類いの飲み物を喜んで飲む。
なんだか、こういうと身も蓋もない。
ビール会社にマインドコントロールされているだけの話である。

酔っぱらって気持ちよくなっているのは、同じ臓器であっても脳だけで、肝臓はその度に大変な負荷をかけられているわけで、肝臓のこと、ひいては自らの体をいたわろうという気持ちが少しでもあるのであれば、週に一日くらいは、こういう日(休肝日)を置くのは、そう悪いことではない。

それに、飲まなければこういったことにも気がつく。
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