こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

文学作品に没入するということ

2024年06月20日 | 読書、映画、音楽、美術
時々日の射す薄曇り。
昨日ほどの気温にはならないらしい。

アラ還にさしかかったからか、死ぬまでに読んでおきたい名作をあれこれ漁っている。
今は夏目漱石の『こころ』で、今日明日には読み終えるところ。
これほどの名著をこれまで読んでいなかったかと思いながら読んできたが、最後の”先生と遺書”になって、やっとこれが再読だと認識できた。
前に読んだのは高校生の頃だったか記憶にない。
それでも、読んだことを思い出せたのだから、私の人格形成になんらかの関与をしたものという気がする。
『人間失格』では”人間、失格”まできてやっと再読であることに気がついたのだから、それよりはマシかもしれない。

『こころ』は元が新聞連載だからだろうと思うが50数章よりなっており、やや冗長に感じるところもあるが、それは私の現代的な読み方のせいなのだろうと思う。
語り手と先生、また両親との関係性を語るにはこのぐらいのページ数と時間が必要だ。
読み手が一つの作品を味わい理解するためには、間というか余韻というか、そういったものがなくてはならず、ただ単にネタバレ要約を読むだけではいけない。

私にしても、登場人物のまどろっこしさに先を急いでしまいそうになってしまったが、なんとか踏みとどまって牛歩を選んだ。
そうするうち、作品の中の大きな出来事ではない、ささいなところで、再読であったことを、数十年の時を経て思い出した。
自分がかつてこの作品に没入していたのだと実感する。

読み上げ本を倍速で聞いたり、要約本で結末だけを知ることが悪いとは言わないが、それじゃあ作品を理解したことにはならないし、シンクロできたとは言えない。
仮に自分には難しい本であっても、それに挑戦することで新たな成長を実感することができるはずだ。
今はあれこれの“没入エンタメ”が出てきているが、こういうアナログな方法による没入も悪くはないと思う。
解説は江藤淳

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心がとても癒された・・・20024年6月の読書記録

2024年06月03日 | 読書、映画、音楽、美術
薄曇り。
蒸し蒸しするみたいで、夜にはまた雨の予報。
すでに梅雨に入っているのではないかという気にさせられるが、梅雨前線は遠く南にあるので、まだそれを口にするのは早いだろう。

ほぼ積読状態だったガルシア=マルケスに再挑戦してこれをなんとか読破した。
再挑戦の理由としては本屋大賞を受賞した『成瀬は天下をとりにいく』を読みたいというのがあって、そのために『百年の孤独』を片付けたというところもあるのだが、読後感は、当然ながら後者の方が”ズーン”ときている。
『アルジャーノンに花束を』も忘れえぬ1冊となった。
本を読むと心が潤う。

読んだ本の数:5
読んだページ数:1580
ナイス数:225

雫の命が尽きようとする後半部分にさしかかった時に、その先が読めなくなり2年ぐらい積読になっていた。ブックカバーのスピンが挟んであったところから再開した。内容を覚えているか心配だったが、いざ読み始めたら登場人物があっという間に蘇ってきて話に復帰できて、わずか半日で読み終えてしまった。人生を静かに振り返りながら終えることができるのってとても難しいことのように思えるけど、無理せず死を受け入れることができたらそれができるかもしれない。
読了日:05月24日 著者:小川 糸

最後の一行ですべてがわかった。読んでいる途中でダウン症の弟のことや、弟の入っていた施設のみんなを思い出した。優しい心に戻ったチャーリーは幸せになったのか?そもそも幸せとは何なのか?利口な人、美しい人、身体能力のすぐれた人、金持ち、そんな人達への嫉妬や羨望は生きてゆく上で必要なのか?我にかえるとそんなことに汲々としている自分自身が哀れに思えるが、その呪縛から逃れることはできない。なまじの知性を持ってしまった人間とはかくも哀れで切ない存在で、短い一生でその本質を知ることはできないのではないか。感動の名作品。
読了日:05月23日 著者:ダニエル・キイス

ゆっくり読もうと思ったが、結局あっという間に読んでしまった。まあ、漫画みたいなストーリーだから致し方ない。最後のお話は予想通りだった。ずいぶん忙しい1日だったが、リハーサルの時間には間に合ったのだろうか。日付を見るとこのシリーズを続けるのは難しいが、できれば成瀬のこの先の成長を見届けたい。やっぱり寂しい。
読了日:05月15日 著者:宮島 未奈

4日で読了。半日で読み終えてしまえたが、それでは作品を"消費"するだけになるので、少しゆっくり読んだ。 小説なんてどれも文字の配列に過ぎないのに、5日前に読み終えたガルシア=マルケスの「百年の孤独」に比べると断然読みやすかったが、それはなぜなのか。 マコンドの街(百年の孤独の舞台)の歴史と成瀬あかり史が、頭の別々の場所に格納され、それぞれを味わうことができるのが実感できているが、こういうのはこれまで知らなかった感覚で心地よい。 読書とは、面白くて、素晴らしい。
読了日:05月12日 著者:宮島 未奈

”銃殺隊の前に立つはめになったとき”という衝撃的な書き出しの、ほんの8行先にメルキアデスという名前が出てきて、なんて胡散臭い物語だと感じながら読み始めた。本を開くたび”ブエンディア家 家系図”のページにスピンを挿し込み、それを参照したが結局最後までそれは欠かせなかった。(おそらく)章の区切りに番号を振っておいてくれたら、今物語のどのあたりにいるか、もしくはどのあたりに差し掛かっているのかがわかっただろうが、それがないが故にかえって読んでいる間、ずっと没入できたのかもしれない。 死ぬ前に読めてよかった。
読了日:05月08日 著者:G. ガルシア=マルケス


じっくり味わうことも大事

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最近また本を読むようになった

2024年05月23日 | 読書、映画、音楽、美術
フラットコーテッドレトリバーの子犬のアンのしつけで四苦八苦している。
昨夜はクレートに入れて寝たら、夜中に出せ出せと啼きだし、結局こちらが折れて出してやった。
生後4ヶ月の子犬をどう躾けたらいいのかむずかしい。
同じフラットのナイトは、わが家に来た時はすでに6ヶ月近かったし、なにより先住犬だったマルチーズのコロが躾けてくれたのでだいぶ助かった。
犬は集団生活が基本なので、私たち夫婦と一緒にしてあげるべきなのかもしれないが、それはそれで問題も生じる。

最近、本をよく読むようになった。
読書メーターで確認したら、昨年は年末に1冊読んだだけで、一昨年も似たようなもので、過去2年間ほぼ読んでいなかったようだ。
読書が途絶えた理由の第一は2022年の12月にあった分子病理専門医試験のせいだ。
この歳になってからの資格試験の受験は厳しい戦いが予想されたし、精神的にも2度は受けられないと背水の陣を取り、当然のことながら読書も封印した。
試験が終わってからも読書を忘れてしまっていたようだったが、

 このまま名作と言われる作品を読まずして死んでいいのだろうか

という考えがふと頭をよぎり、再び本を手に取った。

私は読書家というほどの本読みではない。
そもそも、なんのために本を読んでいるのかもよくわからないできた。
ただ、以前にも何度か書いているが、読書は心の栄養補給だということ。
論文を読むのは知識の補給だが、文学作品は心に滋養を与えてくれる。

私の心に滋養が入っても、人間的な成長はほとんど見られないが、ブログを書く時は登場人物の心模様が参考になる時がある。
肥料をやって花を美しく咲かせるのと同じで、心に滋養を与えたら少しはマシな文章も書けるような気がするし、滋養が枯渇してしまったことを心がSOSとして発信して知らせてくれたのかもしれない。

どうでもいいことかもしれないが、できたら、○月の読書記録が定期的に復活できたらいいと思っている。
その読書記録の日のエントリーには、リアクションがあまり付かないが、そんなことはもう気にならなくなっている。
立体的に読むようになった

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SNSにあらがわなくては

2024年04月06日 | 読書、映画、音楽、美術
花曇だったが、まあまあの気温。
段葛は朝から結構な人出だった。
所用で山梨の方に行ったが、そちらもどこも桜が美しく咲いていた。
桜というのがソメイヨシノだけではないということがよくわかった。

どこの学会もそうだが、広報活動にSNSを利用しようという動きが(もうずっと前から)活発で、先日の病理学会総会でもその様なテーマのセッションが組まれていて、日本を代表するツイッタラー病理医が司会をして盛り上がっていた。
私もそれに触発されて、病理学会総会に参加したことを久しぶりにXに投稿した。
数人からリアクションがあったのに気をよくして、フェイスブックにも学会参加関連のこと、続けて鎌倉の桜のことも投稿した。

どちらも数日前のことだから、あっという間に忘れ去られてリアクションはほとんどないのだけど、なんとなく開いていてなんとなく他の人の投稿を読んでいるうちに、インスタとかスレッズを開いて読んでしまった。
SNSというもの、それぞれどれも悪くはない。
それどころかどれもそれなりに味のある文章やら写真なのだが、どうもこれらを読んだり見たりしていると頭を使っていない様な気がしてしまう。
やはり本を読まなくてはこのままボケてしまうのではないかと心配になる。
だが、本というもの一旦読み始めると今度はそこから逃れられないのが心配になってなかなか手をつけられない。
それでも読まなくてはいけないと、積読になりかけているガルシア=マルケスをリュックに入れることにした。
本は頭を使うトレーニング

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大河ドラマ「光る君へ」でなぜ源氏物語が名作なのかが再認識できた

2024年03月11日 | 読書、映画、音楽、美術
墓掃除ですっかり日焼けしてしまい、両頬がヒリヒリする。
赤みもあるのは日焼けなのかただの老人性の赤ら顔なのかよくわからないが、まあそんなことどうでもいい、私の顔のことなど気にする人はいない。
朝の気温は2度。
昼間には日差しがあり、暖かくなるようだが結局ダウンジャケットを着て出て来た。

昨夜のNHK大河ドラマ「光る君へ」では、藤原道長(柄本佑)とまひろ(紫式部;吉高由里子)のラブシーンがあり、

  これって、源氏物語そのものじゃないか

と、しみじみ見入ってしまった。
昨夜の第10回「月夜の陰謀」は、源氏物語のエッセンスがそこここに散りばめられており、大石静版源氏物語といったところで、それはまさしく換骨奪胎、解釈の素晴らしさに感服している。
考えてみたら、紫式部が源氏物語を書くにあたって、情報の乏しかったであろう平安時代にあれほど多くの登場人物と多彩な経験を想像と噂話だけで書くことなどできず、自身の実体験が下敷きとなっていると考えるのに無理はない。
それをそんな様子をお首にも出さずに淡々と描いた源氏物語というのが、どうして面白いのか、どうして素晴らしいのを再認識させられている。

この先、越前国に任官する父(藤原為時)についてゆくというのも興味深い。
これもまた明石の物語の下敷きとなっているのだろうか。

平安時代というのは日本に内戦のなかった平和な時代であって、大河ドラマとしても殺戮だらけの戦国、明治維新モノとの違いが際立っている。
それだけに、俳優の演技力も高いものが求められるが、すくなくとも主要な登場人物は皆上手に演じており、今後も安心してみていけそうだ。
視聴率がどうとか吉高はもう旬を過ぎているとか、あれこれの悪口がネット上にはあるが、大河ドラマファンとしては、NHKはそんなあれこれを気にせずにやっていってほしいと思う。
映像も美しい

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日本文化の深さと魅力を考える

2024年01月29日 | 読書、映画、音楽、美術
鎌倉は今日も好天、風もなく気持ちが良い。

大河ドラマ『光る君へ』、昨夜もなかなか良い出来だった。
源氏物語関連では、猫と弘徽殿の女御が出てきていたが、他にもあっただろうか。
今回の大河ドラマの原作が源氏物語だというのはある意味日本の文化の質を示している。
これほどの文学を千年以上昔から有しており、その文化をいまだに失わないでいというのはすごい国だ。

通勤時はたいてい音楽を聴いている。
最近のヘビロテは、アンドレア・ボチェッリのCanto Della Terra。
あわせて、サラ・ブライトマンとのTime to say goodbyeも。
ボチェッリの歌を聴いていると、こういう大人が歌う歌というのが日本には少ないのではないかと思う。
昔は、フランク永井とか菅原洋一、小椋佳といった美声の男性歌手がいい歌を歌っていたが、紅白をみるとジャニタレは居なくなったもののあとはロック。
サザンや福山がよくないというのではないが、大人が歌う名曲というのはない(演歌はけん玉のおまけに成り下がっている)。
ジャニーズの戦略に巻き込まれたせいもあるだろうが、日本の音楽シーンというのはずいぶん幼稚なまま成長してしまったかのように見える。

文化というものをどう捉えたらいいか、どれがいいか悪いかなど決めつけることはできないが、古くからある日本の伝統というものを大事に守っていくことが大切だと感じる。
そろそろ柄本道長の青海波が見たい

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寒い1日に村上春樹をやっと読了

2024年01月21日 | 読書、映画、音楽、美術
朝から雨で寒い1日。
午前中のうちに食料品の買い出しに南部市場まで。

帰ってからは何をするというわけでもなく、ごろごろ。
昨日の疲れが出ているようだし、日頃の疲れもたまっている。

せっかくなので、村上春樹を読み終えることにした。



気がついたら、時計は針を失っていた。
しばらく余韻を楽しもう。
無事読了

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リアルな夢は小説のせい?

2024年01月20日 | 読書、映画、音楽、美術
いよいよ大寒、朝から雨で、夜半には雪になるかもしれないということだ。
土日はゆっくりしているが、あれこれあって今日も出かける。
話を聞くともっと忙しくしている人はいくらでもいて、よくそんなに動けるものだと思う。

そうはいっても移動の時間でブログを書いたり、本を読んだり、講演の準備ができるから、まんざら悪いことばかりではない。
読み進めるのに難渋していた村上春樹だが、3章立ての第2章に入ってからは俄然スピードが上がって、残り100ページあまりとなった。
今度の作品は、まだまだ読み終えたくない、というような展開ではないが、読了前にワンクッション置くことにして、今日は家に置いてきた。

その村上春樹の小説は、例によって夢か現かというような話なのだが、そのおかげか昨夜は私もなかなかリアルな夢を見た。
あまり楽しい夢ではなかったので、妻にちょっとその話をしただけで、ここには書かないで忘れてしまおうと思うが、これも小説の影響を受けているのだろうか。

夢には2種類あって、現実世界を整理するものと、それこそ未来を夢想するものとがあるようだ。
このところは、整理する夢ばかりのような気がするが、これももう未来が少なくなってきたせいだろうか。
そのうち天国の夢でもをみるようになるのだろうか、それとも地獄か。
夢などしょせん頭の中でのことで、生物学的にどうこうというわけではないので何も心配することではないのだが、内容は気になる。
現実と意識の間

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久しぶりの読書記録・・・2023年12月の読書記録

2024年01月02日 | 読書、映画、音楽、美術
今日(1月10日)のエントリーをアップし忘れていたことに気がついたのは仕事帰り。
そして、もう一つ大事なものを忘れていた。
先月、久しぶりに本を読んだので、これに関する読書記録をここに上げなくてはいけなかった。
本を読んだのはなんと、2022年7月以来で、かれこれ1年半もの間本を読んでいなかった。
毎月2日が読書記録の掲載日だったのも忘れていて、今日はもう10日だから未来からのエントリーでインチキではあるが、1月2日の投稿にしておく。
幸い、1月2日は写真を2枚撮っていたので、もう一枚をトップに載せよう。
あまり関係ないのだが、1月2日の朝の写真は地震雲のようなおかしなものだった。

12月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:649
ナイス数:26

自負と偏見 (新潮文庫)自負と偏見 (新潮文庫)感想
これまでこんな名作を読んでいなかったとは不覚。素直に読めて、素直に楽しめ、最後はホロリとした。よかった。 名訳です。
読了日:12月23日 著者:ジェイン オースティン

読書メーター
感想文がうまく書けない

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本屋はやっぱりいいところ

2023年12月13日 | 読書、映画、音楽、美術
たっぷり降った雨のおかげで、庭木は元気を取り戻していたが、庭は濡れ落ち葉に覆われて、連日掃き掃除に追われている妻は気の毒だ。
この数日弁当箱から汁が漏れるのでラップをしていたが、それでもこぼれてしまうので、おかしいと思ってよくよく見たらヒビが入っていた。
木製の弁当箱で、電子レンジにかけて使ったのが悪かったのか、とにかく、これでは鞄がびしょびしょになってしまうので勤め先の近くのターミナルの駅ビルで新しいのを買うことにした。
そのビルには大きな書店が入っていて、溜めていたポイントが年内に切れますよというメールがここ数回入っていて気になっていた。
わずか80数円分だったが、知性の劣化を食い止めなくてはと、久しぶりに行く良い動機づけになった。

死ぬ前に読んでおきたい名作を、というか、こんな名作をまだ読んでいなかったのかとバカにされそうだが、ジェイン・オースティンの『自負と偏見』を手に取った。
早速、帰りの電車で読んだが、テンポが良くてサクサク読みはじめることができた。
人の名前が分かりにくい、というか愛称が出てくるので、ちょっと戸惑った。
主人公のエリザベスがリジーとかイライザとかの愛称で呼ばれていることが推測されたので、ChatGPTで確認したら”はい、正確です”とのこと、スマホも使いようだ。
村上春樹はナイトキャップ代わりにして、2冊同時進行で読むことにした。

それにしてもやっぱり本屋はいい場所だ。
ネット書店だとその本しか見ることはないが、書棚の間を歩いてたくさんの作家の書いた、たくさんの背表紙のタイトルを眺めると、知性の海の中にいるようでワクワクしてくる。
そんなことに、どうしてこれまで気がつかなかったのだろう。


拙著の第2版もいよいよ12月26日に発売開始とのことで、Amazonでは予約注文が始まった。
医学書売り場にも並ぶだろうから、楽しみだ。
いまさらどうこうできるものではないが、これはこれで身の引き締まる思いがする。
一般向けも挑戦してみるか

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知性の劣化をどう食い止める

2023年12月12日 | 読書、映画、音楽、美術
朝から冷たい雨。
今日は1日降ったり止んだりが続くらしい。
気温は11月並みということで、それほど寒くはないようだが、体感はそれよりも低い。
結構降っていたので長い傘を持って出てきた。

最近、急速な勢いでバカになっている。
原因のひとつに本を読んでいないからというのがある。

とにかく本を読んでいる時間がない。
時間は作るものとはわかっているが、朝起きて、慌ただしく電車に乗り、それからの大半はブログか仕事の整理。
職場ではもちろん仕事だけだし、昼休みにはネットニュースを見ながら弁当を食べたり、ブロ友さんのところへ行ったりで、あっという間に終わる。
仕事帰りは、へとへとでぐったりしているので、仕事関連の論文を斜め読みしたりうとうとしながら帰る。
8時過ぎに帰ったらあとは風呂と食事。
ちょっとテレビを見たらあっという間に11時で、もう寝支度だ。

そんなわけで、本を読んでいない。
林望謹訳の源氏物語全10巻を読破した8年前はブログもそこそこ書いていた。
閑職にあって今ほど忙しくはなかったのは確かだが、それにしてもだ。

この間の村上春樹の新刊がボトルネックになっているということもある。
あの本を読了しないと次に進めないような気がしているのだが、なんとも読めない、昨夜も冒頭の4ページあたりまで読んだところで寝落ちしてしまった。
また、最初から読み直さなければならない。
村上春樹、いつもなら買って一週間もしないうちに読み切ってしまうのだが、今回はダメで、まだ、冒頭の1、2ページで止まっているのはつまらないからか、私の感性が鈍ってしまったのか。

それはさておき、これまでにも書いてきたことだが、ブログを書くにしても知性を蓄えておかなくてはならない。
人間一人の経験など高が知れているから、他人の経験を追体験するのが本読みだが、それができていない。

あとは、小説の類いが急激につまらなくなってしまったのは現代社会の激変のせいがあるのかもしれない。
古典を読んでも、そこにある”普遍的”な善悪が現代では崩壊しているということ、また、近現代の作品を読むと技術的な進歩が作品中の事物を陳腐化されているということがある。

短小軽薄なハウツー本とかエッセイ集が本屋の店先に平積みされているが、多くはお金と生き方について、あとはブログのような文章をまとめただけで、立ち読みをしてもわざわざ買う気にはならないし、そんなのよりもよほど気の利いた文章を書いているブロ友さんはいくらでもいる。

困ったものだと思いつつ、毎日が流れていく。
ブログに書きたいことはいまのところ出てくるものの発想の偏りが怖い。
知性の劣化を食い止めるには、時間との折り合いをつける必要もありそうだ。
いっそのこと本だけ持って無人島に1ヶ月ぐらい行ったらいいかもしれない。
村上春樹と歎異抄

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2023/12/12 76.2Kg

ミッション:インポッシブル・・・テーマが対AIという皮肉

2023年08月13日 | 読書、映画、音楽、美術
3連休は今日でおしまい。
朝から降ったり止んだりの蒸し暑い1日だった。
明日から仕事。

トム・クルーズファンの妻を連れてミッション:インポッシブルの最新作  デッドレコニング PART ONEを、みなとみらいまで観に行った。
AI対人類の話で、一昔前だったらSFアニメ映画の様な感じだったが、それを実写でやってしまうのがトム・クルーズの凄いところなんだろう。

それにしても、この映画の封切り前に、トム・クルーズがキャンペーンのために来日しようとしたら、ハリウッドの脚本家、俳優らのストでそれが中止になったが、それが対AI問題だったというのは、ずいぶんな皮肉ではないだろうか。
横浜みなとみらいはポケモン祭り

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映画2本・・・レ・ミゼラブルとインディージョーンズと運命のダイヤル

2023年07月02日 | 読書、映画、音楽、美術
夜半まで雨が降っていたが、起きた時にはいい天気。
庭はびしょびしょだったが、バラや紫陽花の手入れと庭掃除をした。
裏山の球根から育てたユリが立派に育った。
切るに忍びなくそのまま咲かせることにした。
昨晩、WOWOWをつけたら、映画『レ・ミゼラブル』が始まるところだった。
レ・ミゼラブルといえば、昨年2月に読了したユゴーの世界的名作。
かねてより観たいと思っていたのだがDVDを借りてくるほどではなく、そのままにしていた。
ナイスタイミング、とばかりに最初から最後まで観ることができた。
大変素晴らしい作品だっけど、ある程度話を知っていないとわからない様な気がする。
もちろん、私は読破していたので、心配なかった。

今朝、フォローしているブログを読んでいたら、ある方が、インディージョーンズシリーズの新作を観たということをアップしていた。
ハリソンフォードは80歳だが、70歳の設定ということですごい、ということを書かれていたが、実際にどうなのだろうと思って午後にみなとみらいまで行って観た。
その方も書かれていたが、たしかに前半はちょっと期待外れだったが、最後の30分は怒涛のクライマックス。
感動とともに終わった。

久しぶりに土日で映画2本。
癒され、感動した。
たーら、たたーー たーららー

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マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

2023年04月01日 | 読書、映画、音楽、美術
ギリシャ系アメリカ人の女性がアメリカ人の男性と文化の違いを乗り越えて無事結婚するまでのラブコメディー。

私たちの娘が国際結婚をすることになりそうだという話を妻から聞いた方に勧められた映画だとかで、娘もみたかったそうでDVDを借りてきたので、三人で興味深く見た。

もちろんハッピーエンドの楽しい映画だったのだけど、文化の違いが生む悲喜交々を楽しく見た。
さて、我が家にはどんなことが起こるだろう、楽しみといえば楽しみ。

何があっても、二人が幸せになってくれさえすればそれでいい。
親同士言葉が通じない・・・

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通勤時の音楽鑑賞は趣味と言えるか

2023年02月17日 | 読書、映画、音楽、美術
往復の時間の大半は音楽を聴いている。
こういうのを趣味と言えるかわからないが、好きで楽しんでいるのだからそうしておいていいだろう。
Apple Musicを使うと、色々勝手に選んで揃えて出してくれる。
ここ最近は、「朝の・・・」といれて、クラシック、ジャズなどを集めたリストが出てくる。
クラシックを選ぶとそこそこアップテンポの曲が集められてそれなりにいいのだが、ペールギュントがいつも入っていて、そのレーベルを見るのに飽きてしまって最近は他のジャンルを選んでいる。
今朝は「朝のハワイアン」を選んだ。

冷たい風が吹く鎌倉駅のホームの上で、のんびりしたウクレレの音色が流れ、

 この寒さでハワイかよ

と、選曲を失敗したと別のを探そうとしたが、

 目を瞑ればここもハワイよ

と、そのまま聴いた。

帰りは気分によって色々。
クラシックが中心だが、BGMとして一楽章を切り抜いて聴くというのがどうも、曲に対して失礼なような気がしてしまう。
全体を聴くことが受け止めることができると思うのだが、まあ、駅の発車の合図のメロディーが混じっているのだからそう気にすることもあるまい。
他にも、眠くなる曲だの心穏やかになる曲だののなかから選んだり、自分で集めた曲で作ったプレイリストから選んだりする。

昨日は疲れていたので、眠くなる曲というのを選びたかったが、勉強しながら帰るからと、これではいけないと「邦楽マイヒット」というプレイリストを選んで帰った。
私の10代〜30代、すなわち、1970年後半から1990年代のいわゆる”メガヒット”が並んでいて、それぞれの曲ごとに印象的な出来事が蘇った。

昨夜はNHKで高橋幸宏の追悼番組が放送されていた。
YMOの出現に立ち会えたというのは幸せだったなあなどと妻と話しながらみた。
ジョンレノンが亡くなった時にも感じたことだが、YMOももう2度と再現されないのかと喪失感を覚えた。

ロック、ポップス、そういったジャンルの名曲も、オリジナルのメンバーが亡くなったのちには、クラシック音楽のように若い人がカバーするのが当たり前のようになるのだろうか。
もしかしたら、この間のAIユーミンのようなものが次々と出現して歌うようになり、そのうちには擬人格のようなものを持つようになるのかもしれない。
ただ、似たような曲を作ることはできるかもしれないが、新たな曲を創造することは難しいだろう。
才能はその人一代限りだし、AIが人間の創造性を超えることはあり得ないように思う。
新しい曲についていけない

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