ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

東野圭吾『白夜行』

2020年01月21日 | 読んだ本(日本語)
東野圭吾著『白夜行』

夏に書店で平積みになっているのを買って積ん読になっていたものです。
第81刷やって。すごい。

それはさておき。私は読書に関しては雑食だと思っていたのですが、
違うな。やっぱりハッピーエンド、すっきり爽快、勧善懲悪が
好きでした。

ああああああああ~~~~~~!!!!!!
すっきりしない~~~~~~~!!!!!!

東野圭吾さん、好きですよ。何冊も読んでいます。
東野圭吾さんがさまざまなジャンルの小説を書くことは承知しています。
が、これはなんというか……。

すごいとは思うんです。その時代時代の事件や出来事をうまく絡めて、
19年という歳月が流れていて。

最初、被害者の息子(亮司)や容疑者の娘(雪穂)という存在に、幼いのに親を
亡くして(雪穂も母親が怪しい死に方をします)……とある程度は気の毒になるのですが、
でも、素直に同情できない部分があって。

ざっくり言うと、このふたりは周囲の人を利用して、
どんどん不幸にしていきます。そして何人も殺します。それも冷酷に。

いろいろな登場人物の目線で描かれるので、その人物に感情移入しかかったところで、
ものすごい不幸になったり殺されたり。もうなんか読んでて苦しかったです。

そういう書き方がキモらしいです。

細かいところにちりばめられた要素も脱帽もので、それでその事件が結びつくんや!
みたいなのはさすがにすばらしいです。

でも、このふたりがあまりにひどいから、ふたりをずっと追っている笹垣刑事に、または
超絶美人で男を骨抜きにしてしまう雪穂に唯一骨抜きにされなかった一成に、
ぎゃふんと言わせてほしかったのに、なななななんだぁ、この結末は!

ふたりの生い立ちに同情すべき要素が出てきて、目頭が熱くなるんだけど、
でも、ふたりが重ねた罪を思うと、その終わりじゃ釈然としない!
すっきりしない!!

ある意味、亮司は命がけで雪穂を守ったのだろう。雪穂は彼の想いに応えるため、
いつも通り何事もなかったように純真無垢な女を演じていくのだろうと思うと、
ふたりのせいで不幸になった人たちがかわいそうでならない。殺された人たちがかわいそうでならない。
なんともひどくつらくて胸が潰れそうな読後感でした。

むむむ。こんな私にいわゆる「ノワール」は読めないな。

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