本当は10月1日の夜行バスで涸沢から穂高に登る予定を立てていたが、約2週間前の地震による岩雪崩の報道に、地震が続くか、止むか分からなかったので、直前のキャンセルはキャンセル料もかかるというので、急遽取りやめて、木曽駒ケ岳の登山予定を立て直したのだった。
千畳敷カール
台風も接近するというので、木曽駒ケ岳の方もどうなるかと危ぶんだが、台風が逸れてくれて、2日の夜行バスで行くことにしたので、台風一過の晴天に恵まれた。
竹橋午後11時発。木曾御嶽山が最終目的地で、途中伊那大島駅前とか、鳥倉林道ゲートなどに3時過ぎから止まって、駒ヶ根の菅の台についたのは3時50分ごろだっただろうか?最初に乗り込んだので、ザックが一番奥に追いやられて、チケット売り場の列に並ぶのも大分遅れてしまった。旅慣れている人たちは、後から乗車して、しかも到着1時間くらいのところでトイレに行ったりなさっていた。チケット売り場やバス乗車のための列に並ぶとトイレにもなかなかいけないことが分かっていたからだろう。
この時期はロープウェイも並んで平均2時間待ちとホームページには書かれていたが、マイカー規制でバスに乗り換えるこの菅の台もすごく混みあっていた。駐車場も相当満車になっていた。その車の列をぐるっと回り込んで、切符購入の列ができていた。またバスに乗り込むための列も同じくらいの長さで並んでいたのだ。ネットで予約できる早朝割引切符というのも40人限定であるのだが、こんなに直前ではもちろん売り切れ。高速バスと路線バスとロープウェイとのセットで安いチケットが新宿のバスタに行けば買えたらしいが、始発が朝だから、どうしても到着は10時半過ぎ?になってしまう。菅の台まで、多少歩くようだし。それで高いけれど夜行の登山バスにしたのだった。山小屋どまりなら、利用できますね。
私たちは二手に分かれて、切符購入の列と、バス乗車の列に並んだ。一人で来ている人は、バスの列にザックを置いておいたりなさっていたが、列が動き出すとザックが置き去りになってしまう。
三日月と星がきれいだったのだが、携帯カメラでは写せなかった。カメラも取り出せなかったし。
明け方は相当に寒くて、私はバスの中は暑いと思ってつけてこなかったタイツを身に着けたいと思ったが、なかなか思うようにいかず、結局タイツなしで通してしまった。明け方は少々寒くて、上着を着こんだが、風邪ひいたかも… バスやチケットの列に並びながら、おにぎり一個だけ頬張った。
あたりが薄明るくなってきた。
並んだ列はとてもコロナ禍とは思えないほど密で、皆マスクはしていましたがおしゃべりもしてしまった。後ろの女性はなんと神戸から松本空港まで、直前割引の切符が取れたからとやっていらっしゃったとか。そういえば周囲の車も近畿地方からの車も結構多かった。もちろん関東一円の車も多かったですが。
5時半始発の予定のバスは5時15分から動きだしたらしい。私たちは6時ごろになってやっと切符を買うことができた。菅野台までのバスとロープウェイの往復切符は4200円だったが、私たちは帰りは駒ヶ根にとまる予定で、その分の切符をセットしてもらうことができた。並んでいた人たちと、立山みたいに早くネット予約が人数制限なしでできるようになると良いのにねと、話した。窓口も二つしかなくて、しかも現金でない人は少し手間がかかるみたいだった。
それからバスの列のリーダーのところに行って、バスの順番を待った。立ち席だと大変だなと思っていたところ、くねくねの山道を通るせいか、全員補助席も含めてだが、座ることができた。
やっと乗れたのは6時半ごろ。くねくね道を通る。昔ツアーで来たことがあるはずだが、こんなに崖が急斜面だったとは思わなかった、道路も狭いし、ヒヤヒヤものだった。人数が4人くらいならバスに乗らずにタクシーに乗る方が早く行けるという話を切符を買った後で伺った。そういえばおしゃべりしていた前後4人組が作れたからタクシーに乗れば良かったですね。
ともかくもバスの人数くらいが一度にロープウェイに乗れるみたいだったので、それほど待たずにロープウェイに乗ることができた。すっかり夜は明けて快晴の空が広がった。ロープウェイは950メートルの高度差を一気に登る。ちょうど先頭に並んで、上側の窓の方に陣取った。その方がザックが邪魔にならなかったからだけれど。
眼下には滝や渓谷が見えた。
ロープウェイ駅と三の沢カール方面
それで千畳敷駅に着いたのが7時ごろだった。一応計画を立てた段階では8時出発にしておいたので、それよりは早かったのだが、夜行バスで到着してから、3時間以上かかってしまった。
テラス状のところから見た山並み、富士山がちょこんと頭をのぞかせていた。
遊歩道入口には神社の社があった。宝剣岳が後ろにそびえていた。
目の前には岩稜がそびえたつ。真ん中のくぼみが登山道になっている。
他のハイカーと一緒に遊歩道に入る。最初はなだからな石の道だ。高山植物は皆紅葉していた。
しばらく進むと八丁坂登山道と遊歩道の分かれ道になる。ここから先は登山装備を、と書かれていた。
しばらく登ったあたりから剣ヶ池が見晴らせた。山並みの下の方には薄い雲海がたなびいている。
中央あたりの高い山は甲斐駒ヶ岳かもしれない。
千畳敷ホテルの建物も見渡せる。
ここからは岩場の急坂をジグザグに登る。本当は高度順応に少し千畳敷あたりで時間を取ると良いと思ったが、何しろリーダーが帰りのロープウェイのことを気にして、早く進もうというので、まだ高度順応していないので、ハアハア言いながらの登りとなる。
もう降りてくる人たちもいらして、やや渋滞気味。それで写真を撮る余裕もなかった。
やっとのことで乗越浄土にたどり着いた。後ろが木曽駒かと思ったら中岳だった。
ここからの展望もなかなかのもの。
下の方に千畳敷ホテルの建物が見える。
富士山も見えている。
宝剣岳にも登山者がどんどん登っていたが、帰りのロープウェイのことを考えて、まずは木曾駒ケ岳を目指す。
足が冷えて、宝剣山荘でトイレ休憩を取った。少し荷物を減らそうと提案したがそのまま登った。
中岳に向かう。八丁坂よりはなだらかだが、登りではどうしてもハアハアしてしまう。
中岳の標識のところで写真をとり、その後ろ側から御嶽山がよく見えるというので岩ゴロゴロの頂上のあたりで回ってみた。若い女性たちが前方で見入っていた。
それから、さらに回り込んで北側?の下りに入る。やはり岩だらけなので、下りも慎重になる。こちらからも御嶽山が見渡せた。下の方に駒ケ岳頂上山荘が見える。
慎重に降りて無事だったが、駒ケ岳頂上山頂まで重いザックを背負って行っても消耗してしまいそうなので、小屋でバッジを買ったついでにザックを表のベンチに置かせていただいた。風が吹き曝しなので、一枚着こんだ。
木曽駒頂上山荘のあたりはテント場になっていた。中岳から降りてくる登山者の列が続いている。
頂上には二つの駒ケ岳神社の社があった。一つは木曽福島側。一つは伊那側の神社らしい。
木曽福島側の神社にて
伊那側の神社
ザックを軽くして、登ったが、やはり登りではハアハア言ってしまった。
神社にお参りしてから、頂上の方位盤らしいところに赤い字で頂上と書かれていた。
後で気づいたが、神社の石垣の下に、標識が倒れて置かれていた。
360度の展望を楽しんだ。こちらは北アルプス方面。槍ヶ岳のとんがりが目立つ。
御嶽山方面。
こちらはどっち方面かな?八ヶ岳方面かも?
富士山ももちろん見えていた(真ん中あたり)。下の方に頂上山荘が見える。
反対側の方の少し下がったところに頂上木曽小屋らしい建物が見えていた。写真は撮らなかった。
それから昼食は頂上小屋のところで食べようと置いてきてしまったので、また登山道を下りて、ベンチのザックを回収し、大きめの岩のところで昼食とした。リーダーが持参のレトルトのリゾットを頂いたが、温かい日差しで、常温でも十分頂けた。ごちそうさまでした。私は朝食べようと用意したおかずを少し取り分けてきたので、それを分けて頂いた。種有のブドウが安かったので持参したら、美味しく食べられた。
それから中岳に登り返し、宝剣山荘に戻った。まだ12時過ぎたばかりなので、宝剣岳に登ってもなんとかロープウェイで帰れると思っていたが、遠くから放送が聞こえて、整理券を発行しているという声が聞こえて来た。それで宝剣岳に登らずにそのまま下山することになった。ザックはまだ重い。
八丁坂では、登ってくる人は少なくなっていたが、まだ続いていて、すれ違いに時間がかかった。転ばないように気を付けながら、どんどん若い人たちに抜かれて行った。
まだかすかに富士山が見えていた。やや左手。雲が多くなってきたが。
その間にも、放送が聞こえてきて、今整理券を受け取った人は約30分後になりますとか、その後も今の整理券では45分後、さらには、1時間後という放送も。私は靴が当たるところの足が痛くなって、スピードダウン。写真も撮った。
リーダーは一目散にロープウェイ駅に突進、なんとか1時間10分待ちくらいの整理券を獲得していた。ありがとうございました。
それから日差しは暑かったが、空いているベンチで休憩しながら、時間待ち。外国人が隣に座ったり、老夫婦が昔は木曽駒に登っていたそうだが、今は無理でベンチからそのあたりの景色を思い出話をしながら楽しんでいらしたりなさっていた。
ソフトクリームがあるらしいと思ったが、この高さでは高いかなと思って、買い求めに行かなかったら、美味しそうなソフトクリームを持った人が通りかかった。もうロープウェイに乗れそうな時間になっていたので、下で売っていたら買って食べましょうと話したが、ロープウェイから降りたら、バス待ちかと思って、バス停に直行してしまった。
雲の間に、かすかに富士山が見えていた。カメラでは分からなくなってしまったが。
そうそう下山通知をコンバスに通知しようとしたら、またもヤフーメールが具合悪くなって困った。またアンインストールしてインストールしなおしたら、無事にメールが見れるようになって、通知できたけれど。Gメールも使えるようにしたつもりがテストメールを返していなかったせいなのか、入ってきていなかった。いざとなったらコンパスのサイトにパスワード入れて通知は出来たのだが。
バス停では、駒ヶ根に行く人も菅の台行きにのって、乗り継いでくださいと放送されて、係りの人がいたのにお聞きすることもなく、乗り込んだら、すぐ横に駒ヶ根行きのバスが来て、がっくり。直行できれば重いザックの上げ下ろしがなくて済むのに!まあ、それほど大変ではなかったのですが。
菅の台ですぐ後続の駒ヶ根行きに乗り換えて、初めての駒ヶ根駅へ。すずらんどおりがバスターミナルに近いというので降りたが、ホテルが見つからない。お店で聞こうと思ったら、警察官が買い物に来ていて、時間がかかりそうだったので、スマホで確認して、無事にたどり着いた。
予定よりも大分早く格安ビジネスホテルに入ったが部屋は用意してあると言われて、入った部屋のベッドカバーがシミがついていて汚れた感じ。下のシーツは大丈夫そうだったけれど、やっぱり気持ちが悪いので電話して苦情を言ったら、部屋を取り換えてくれた。最初の部屋よりは広くて、カバーもきれいそうだったが、今度はせっかくある冷蔵庫がつかない。でもあれこれ言うのも面倒なので、諦めた。
食事は最初ネットで調べた老夫婦のやっているという食堂に行こうと思ったが、店にあまり人が入っていなかったので、ホテルで案内された店に行ってみた。まあまあのお味だったが、常連さん優遇で、ちょっとね。ソースカツとそばのセットを頂いたが、ソースはどちらかというと醤油ベースだったかも。ヒレカツだったけれど、カツはロースの方が美味しいですね。
でも満腹になってホテルに戻った。今度はテレビの電源が入らない。リモコンの電池が切れていたみたい。最初つけたときは無事ついたのにね。リーダーがヘッドライト用?に持っていらした電池を入れてみたら使えたので、つけてから、電池は元に戻して、消すときはコンセントを外した。
素泊まりにしては、他の格安ホテルと比べると安いというよりは高い方だと思うけれど、まあ、色々ありますね。結構人は入っているみたいだったのですが。
ということで、朝ごはんも持参したパンとかカップスープとか頂いた。湯沸かしは一人用なので、時間がかかった。すぐ近くのバスターミナルから新宿行きの高速バスに乗り込んだ。
何もないバスターミナルだったが、通りがかりのおばあさんと、駒ケ岳の話をしたら、最初から最後まで富士山が見えたら、いいことがありますよ、と言ってくださった。そうなると良いですね。
コロナ対策のバスでした。
駒ヶ根インターから入るのかと思ったら、伊那駅までは、所々の停留所で、帰省していた学生さんらしい人が多かったが、次々乗り込んで、8割がたの席は埋まって、伊那インターから中央道に入った。諏訪南あたりまでは、初めてのコースなので風景に見とれていた。左右の山並みと、リンゴなどが実り、稲が天日干しされていたり、そばが咲いていたり。懐かしい寒〇パパの工場も伊那〇品というだけあって、道路沿いに見られた。
それから居眠りするうちにサービスエリアに入り、お土産を探したが、私は結局家族に草餅一個買っただけ。シャインマスカットは高すぎ。リンゴは3個500円の安いものがあったのに買わなかった。買えばよかったわ。
新宿近くなって都内はやや渋滞ということで45分位予定よりも遅れて到着したが、無事に帰りつきました。
今回もいろいろめまぐるしい山旅でした。晴天続きで、これなら穂高に言っていたら、登れたと思うが、木曽駒でも疲れてしまうのだから、今の体力では無理そうですね。まずは靴が当たる痛みをなんとかしないとなりません。体重とザックの中身を軽くする工夫も。
追記:昨日今日と平日に同じコース(山小屋どまり)をだどった友人はスイスイと宝剣山も木曽駒ケ岳も登れたそうだ。若干雲がでて、景色はいまいちだったそうだけれど。ただ、最後は事故渋滞で予定よりも相当に帰着が遅れたそうだ。道路状況は運しだいですものね。観光地と重なる登山は平日に限りますね。