勝手に映画評

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キャピタリズム~マネーは踊る~

2009年12月05日 | 洋画(アメリカ系)
常にシニカルな見方でアメリカの問題点を抉る、マイケル・ムーア監督の最新作。2007年の前作『シッコ』では、アメリカの医療問題について深く切り込んでいましたが、今回は、アメリカの資本主義について深く切り込んでいます。

『シッコ』から、まだ2年しか経っていないんですが、“Yes, we can!”のフレーズを原動力にして当選したオバマ大統領による医療保険改革により、アメリカは変革を始めようとしています。しかし、そのオバマ大統領誕生の背景には、この資本主義の問題が垣間見えます。つまり、アメリカ国民は、歪んだ資本主義を変えると言う願いも込めて、オバマ大統領を誕生させたと言っても良いような気がします。就任一年目が過ぎようとしていますが、のこり3年の人気で、どこまで成果が出せるでしょうね? そして、その後の再選は叶うんでしょうか?

それにしても、酷いね。ニュースで公的資金が投入された金融機関が、高額ボーナスを支払っているという事を聞き、理不尽な出来事に憤慨しましたが、それにしても酷い。取立てを警官・保安官が行うというのもアメリカ独特ですが、何だかなぁと言う気になりました。

それと、社員に勝手に生命保険をかけて、社員が死んだら保険金を貰うという会社。いやぁ、怖いね。一例として名前が挙がった会社は、日本人も知っている大企業ばっかりだからなぁ。逆に、そう言う企業だから、利益至上主義なのか? P&Gの日本法人は、そう言うことしてないだろうなぁ。それと、ま・さ・か、業績が悪くなったら、社員を暗殺したりしないよね?

でも、今回は、何となくスッキリしません。なんか切り込み感が足りないんだよなぁ。マイケル・ムーアは、これを最後に、ドキュメンタリーは終わりと言う意向を示しているらしいのですが、最後の作品なら、もっと捻って、切り込んで欲しかった。『華氏911』や『シッコ』で見られた鋭さが、何か感じませんでしたね。って言うか、彼の天敵ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領を退いたからなのでしょうかね?

さて、プロモーションで来日したマイケル・ムーアが、“日本は日本の良いところがある。アメリカの様にならなくて良い”と言うような趣旨の事を言っていたと思いますが、まさにその通りですね。医療崩壊、格差拡大と、まさにアメリカの後を追うような事態になっている日本。アメリカを他山の石として、良い日本を取り戻したいですね。

タイトル キャピタリズム~マネーは踊る~
原題 Capitalism: A Love Story
日本公開年 2009年
製作年/製作国 2009年/アメリカ
監督・脚本・出演 マイケル・ムーア

[2009/12/05]鑑賞・投稿


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