勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

守護神(2006年)

2007年02月10日 | 洋画(アメリカ系)
アメリカ沿岸警備隊の救難士の活躍を描く映画。ケビン・コスナーが伝説のベテラン救難士を演じています。

沿岸警備隊の救難士と言えば『海猿』を思い出すところですが、若い男女の恋模様も描き出した『海猿』とは異なり、こちらの『守護神』はベテラン救難士とその後継者にならんとする若い救難士の交流のあたりが描かれている男臭い物語になっています。ネタばれになるので詳しくは記しませんが、そんな男臭いというところから想像付くように、ベテラン救難士と若手救難士の衝突と和解、迫る世代交代、そして、予想通りの結末と進んでいきます。そう言う意味では、ストーリーに予想が付く安心してみることが出来る映画です。

この『守護神』は、2005年のハリケーン・カトリーナの際の沿岸警備隊の活躍からインスパイアされたと言うことで(実際、映像中にもカトリーナに言及しているシーンがあります)、『海猿』との関連は否定されているわけですが、それでも、海中から海面を見上げてのカメラアングルなんかは、その類似性を指摘したくなったりもします。まぁ、それ以外の類似点は、それほど感じなかったですけどね。むしろエンディングは『アルマゲドン』のストーリーとの類似性を指摘したくなりますね。まぁ、こう言う内容では、似てしまうのは仕方ないのかもしれませんが。

この映画の特徴、それは荒海(ベーリング海)でのシーン。映像では、まるで本当の荒海のように見えますが、実はこれはセット。300万リットルもの水を蓄えることのある大きなセットを構築し、これまた150馬力の造波装置を3台使って、さまざまなモードの波を作りながら撮影したとか。映像で見るとまるで本物に見えますから、映像技術って凄いですね。

ところで、ケビン・コスナーって、こう言うベテランの役が多いですね。まぁ、実際、ベテランの俳優でもあるわけですが、かつて活躍したが、何らかの理由で苦悩しているベテランと言う役どころにはぴったりです。アシュトン・カッチャーも、若干陰のある自信過剰の若手を良く演じています。最終的にはベテランに鍛えられて、いい救難士になって行くわけですけどね。アシュトン・カッチャーは、撮影前に8ヶ月もの特訓を行うことで、8~10キロほども筋肉が付いたらしいです。

この映画を見て改めて思い出されるのは、アメリカの沿岸警備隊は準軍事組織だということ。平時は警察機関というか、国境警備隊というか、軍隊ではない活動を中心に行っているわけですが、戦時には第一艦隊としてアメリカ海軍に組み込まれることになっているんですよね。階級も海軍と同じだし。その辺が、完全に海上警察組織である海上保安庁とは大きく違うところです。まぁ、そんな事を知らなくても楽しめる映画なので、男臭い物語が見たいときは、非常にいいと思います。

タイトル 守護神
原題 The Guardian
日本公開年 2007年
製作年/製作国 2006年/アメリカ
監督 アンドリュー・デイヴィス
出演 ケビン・コスナー、アシュトン・カッチャー、ニール・マクドノー、メリッサ・サージミラー、クランシー・ブラウン

[2007/02/10]鑑賞・投稿