たんなるエスノグラファーの日記

エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために

E.Kohn の How Forests Think を読む(2015.4.14.~)

2015年04月12日 22時41分46秒 | 大学

開発コミュニケーション特論 (Special Seminar on Developmental Communication)
(2015年度春学期・立教大学大学院講義)

担当者(Instructor) 奥野 克巳(OKUNO KATSUMI)
時間/毎週火曜18:30~20:00 立教大学池袋キャンパス 7205(7号館)
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/



授業の目標
(Course Objectives)

開発に関わるコミュニケーションは、 人と人との 「人間的な」 領域のコミュニケーションだけではなく、 人、 動物や植物などのあらゆる生命、 景観や物理的世界を含む非生命が、 重層的に織りなす諸々のコミュニケーションを含んでいます。 この授業では、 開発される側の世界に実在する、 諸存在の関係性の網の目のなかに紡ぎ出されるコミュニケーションのあり方を、 文化人類学の新たなトレンドである 「人間的なるものを超えた人類学(anthropology beyond the human)」 の観点から検討します。

授業の内容(Course Contents)

この授業では、 チャールズ・パースの記号論とテレンス・ディーコンの創発理論を組み合わせて、 南米・エクアドルの熱帯雨林に住まうルナ人たちのもとでのフィールドワーク経験に基づいて書かれた、 エドゥアルド・コーンの『森は考えるー人間的なるものを超えた人類学ー』を取り上げます。 それは、 文化、 言語や自己などの諸概念を問い直し、 まったく新しい学問を創造するスピリットに溢れた、 ポスト・ヒューマニティーズの民族誌です。 この授業では、 現在翻訳中の日本語の訳稿を利用しながら、 その本を受講生とともに読み進み、 理解を深めます。

授業計画(Course Schedule)

1. イントロダクション、 授業の進め方について
2. 序 ルナ・プーマ
3. 第1章 開かれた全体(1)
4. 第1章 開かれた全体(2)
5. 第2章 生ある思考(1)
6. 第2章 生ある思考(2)
7. 第3章 魂盲
8. 第4章 種-横断的ピジン
9. 第5章 形式の労なき効力(1)
10. 第5章 形式の労なき効力(2)
11. 第6章 生きている未来(1)
12. 第6章 生きている未来(2)
13. エピローグ
14. 全体のまとめ

授業時間外(予習・復習等)の学習(Study Required Outside of Class)
毎回の授業時に指示します。

成績評価方法・基準(Evaluation)
最終レポート(Final Report)(40%)/出席と授業での取り組み(60%)

テキスト(Textbooks)
Eduardo Kohn How Forests Think: Toward an Anthropology beyond the Human (University of California Press 2013 978-0-520-27611-6)
日本語の訳稿については、 当該授業の前週に、 RIKWESないしはメールをつうじて配布します。

問い合わせ先:katsumiokuno@rikkyo.ac.jp


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