2週間ほど前に写真の新書を読んだ。この新書の著者、木村盛世さんは、最近マスコミに時々登場する方だ。厚労省の医系技官でジョンズホプキンス大学出身の方、肩書なら、新型コロナで一番正確な情報をお持ちの方のようだ。
さて、この新書では、「ジグザグ戦略以外に解決方法はない」という。ジグザグ戦略とは、著者の言葉で、緩い対策と厳しい対策を交互に行うもの。非常事態宣言はもうできないなどと言っていたら、感染は爆発する、一方宣言を継続していたら、経済が回らなくなる。従ってジグザグにならざるを得ないのだ。これで社会に抗体ができるまで継続するというものだ。
厳しい対策を行ったからって、早く収束することはない。抗体が行きわたるのが遅くなるだけだ。抗体が行きわたらないと、海外から入ってくる、いつまでも海外と交流しないわけにはいかないだろう、必ず海外からウイルスが入ってくる、日本人だけが抗体無しで済むことはできない。
もう一つ、医師会と厚労省の大罪という章がある。日本は他国に比べて感染は1/10以下だ、それなのに医療崩壊の心配、と医師会が言っている。これがそもそもおかしい。コロナが入ってきて1年経つが、その間、医療体制はあまり変わっていない。
以下、私の感想・・
コロナ対策は経済制限と医療体制のバランスから決まると思う。経済はいかに制限するか、医療はいかに充実させるかだ。経済面では感染防止に協力しないお店は罰則が出来た。また経済が原因で若い女性の自殺が増加している。一方で医療体制はどうだ、ベッド数は多いが、コロナベッドは少ない。医師が過労で自殺したなんて聞いたことがない。民間病院もコロナに協力しないなら、罰則を作るくらいの厳しさを求めるべきだろう。この間、厚労省と医師会が何もやってこなかったのだ。個々の医師や医療関係者は一生懸命やってくれているが、政策決定するトップが何もしていなかった、という意味だ。
また経済面では補償金をもっと増やすべきだろう。昨年一人10万円を配ったが、あれを毎月配ればいい。国債を発行すればそれでいいのだ。国債発行でネックになるのはインフレの心配だけ。今のデフレの日本では心配ない。じゃ、何がネックか、それは財務官僚の出世に影響することだけだ。実につまらない理由で日本国が潰れそうになっている。財務省の話はまた別のところでね。
困ったものが入ってきた。このコロナで、人生狂った方も多いんじゃなかろうか。「ワクチンが行きわたるまで、ジグザグ戦略以外に解決方法はない」と思う。ワクチンが成果を上げるまで、もう半年か1年の辛抱かな。