呉市かまがり天体観測館

呉市かまがり天体観測館のブログです。
イベントや星空情報等を掲載していきます。

「ひとみ」の成果

2016-07-08 15:19:08 | 天文ニュース

残念ながら、本格観測を開始する前にトラブルに見舞われ、運用を
断念したX線天文衛星「ひとみ」ですが、試験観測段階で得られた
データの解析から、新しい発見をしました。

地球から2億5千万光年にあるペルセウス座銀河団を取り巻く高温ガスを
約60時間にわたり観測したところ、巨大ブラックホールから放たれる
ジェットの影響でガスの運動が乱され、ガスは1,000km/s以上の速度で
運動していると考えられてきたのですが、実は200km/s以下の低速で
運動していることが分かったのです。つまり、ジェットの影響が想像
よりもはるかに小さいことが分かりました。

データからはこれまで過去に行われてきた観測の20倍以上もの精度で
観測できていることも判明し、期待以上の成果が出せる力を秘めていた
ことが分かります。順調に運用ができていれば、この他にもどれほどの
宇宙の謎を解き明かせたことか。

予定通りの運用ができなくなってしまったことが本当に悔やまれます。


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七夕(2016)

2016-07-07 13:16:35 | 星空情報

7月7日は七夕ですね。

七夕は1300年ほども前から行われている伝統的な行事で、沿岸の地域では、
願い事を書いた短冊を笹に飾り、7月7日の朝に海へ流すのが風習です。
つまり、7月6日夜から7月7日朝にかけて行う徹夜のお祭りです。

もともとは奈良時代に中国から伝わり、日本の棚織津女(たなばたつめ)の
伝説と合わさったものだと言われています。これは村の災厄を除くために
水辺で衣を織り、神の降臨を待つ巫女のお話です。

現在知られている七夕のお話しは、結婚してから働かなくなった機織の上手
な織姫(こと座のベガ)と牛飼いである彦星(わし座のアルタイル)を天帝
(はくちょう座のデネブ)が天の川を隔てて引き離し、7月7日にだけ会う
ことを許すというものです。

古来は旧暦の7月7日に行う秋のお祭でしたが、1873年の改暦後は新暦
(グレゴリオ暦)の7月7日に行われることが多くなりました。残念ながら、
新暦の7月7日は梅雨の最中なので雨の日が多く、星空の行事を行うには
難しい時期となってしまいました。

2016年の場合、旧暦7月7日は8月9日に当たります。

また、本当の七夕の日には毎年必ず半月になります。夜半に月が沈み、
その後に天の川が見えるようになるのです。今年は8月9日(8日夜
から9日朝にかけて)に昔の人が見ていたのと同じ七夕の夜空を体験
してみるのも良いかもしれませんね。

さて、みなさんはどんな願い事をしますか?






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木星に到着!

2016-07-06 14:25:05 | 天文ニュース

2011年8月に打ち上げられた探査機「ジュノー」が5年の
宇宙の旅を経て、ようやく木星に到着しました。

これから2年弱にわたり、木星の大気、重力場、磁場、磁気圏、
オーロラ、固体核などを調べ、木星の起源や進化についての
謎に迫る予定です。

本格的な観測開始は10月頃です。



(画像:NASA/JPL-Caltech)


ちなみに、ジュノー(Juno)とは、ローマ神話に登場する女神のことです。
ユピテル(木星のこと)の妻であり、最高位の神として知られています。
ジューン・ブライドはこのジュノーの加護を祈る風習です。

ジュノーからどのような報せが届くか楽しみですね。



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夏休みのイベント(2016)

2016-07-02 13:50:39 | 天文台情報

夏休みに開催予定のイベントを2つご紹介します。

まず、7月のイベントです。
7月29日~31日に「土星と天の川をみよう」を開催します。
大きな望遠鏡を使って、土星の環を観察します。あの有名なわっか
がくっ付いた姿をハッキリと確認することができます。また、夏の
天の川の観察や夏の星空解説もあります。

次に、8月のイベントです。
8月12日~14日に「月と七夕の星をみよう」を開催します。
今年は8月9日が伝統的な七夕の日にあたります。そこで、この時季に
合わせ、大きな望遠鏡使って、月や七夕の星などを観察していきます。
月明かりがあり条件は悪いもののちょうどペルセウス座流星群の極大期
にあたるため、もしかすると、流れ星も見ることができるかも。

この他、毎週土曜日には定例観察会も開催しています。


ぜひ、夏休みの夜はかま天へお越しください。



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 「土星と天の川をみよう」

  日 時 : 7月29日(金)~31日(日) 20時00分~22時00分

  場 所 : かまがり天体観測館

  対 象 : どなたでも(予約不要)

   参加費 : 大人200円、小人100円

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 「月と七夕の星をみよう」

  日 時 : 8月12日(金)~14日(日) 20時00分~22時00分

  場 所 : かまがり天体観測館

  対 象 : どなたでも(予約不要)

   参加費 : 大人200円、小人100円

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てんびん座

2016-07-01 13:35:32 | 星空の楽しみ方

今日は夏の星座の1つである「てんびん座(Libra)」を紹介します。





さそり座のすぐ西側にある星座で、あまり明るい星がないのですが、
慣れれば比較的簡単に見つけることができると思います。





てんびん座は女神アストライアが使った正義をはかる天秤に例えられます。

昔、秋分の頃に太陽がこの星座にあったため昼夜を等しく分ける、収穫の時期
を知るなどの役割が与えられたものと考えられます。てんびん座のすぐ西側には
おとめ座が位置しており、これは豊穣の女神ディメーテル、またはアストライア
を表していると云われています。

今年はたまたまてんびん座付近に火星があるため、およその位置がとても
分かりやすく、てんびん座を見つけるチャンスです。










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