「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

奥様不在の鎌倉七里ガ浜(2) 暗いムードの9月とMonster♪

2020-09-05 16:07:47 | モノ・お金
2週間ほど前に日帰り健康診断入りしたアベちゃんを、下に貼り付けた日経平均株価のグラフを掲載して、このブログで「それでもアベちゃんは偉かった」という話を私は投稿したのだが、私の非力な応援空しく、アベちゃんはその直後に辞任してしまった。



バブル経済崩壊から30年間、ほとんど沈むだけの日本経済。それに鑑みれば、アベちゃん政権の約8年は突出して良かったと私は思うのである。そりゃ、功罪いろいろあるし、ずいぶんアベちゃんって酷いなぁと思われることもあった。しかし一方で彼は、それ以前の数多くの短命政権のどれもが達成できなかった実績を残していることも否定できないのである。

「景気が良いのは大企業と株式市場だけのアホノミクス」と批判する人が多い経済政策も、もしそれがなかったとしたら、どうなっていたかを考えた方が良い。わずか10年前のことでもしっかりと記憶する人は少ない。我々はカオス状態の民主党政権下であの金融危機直後の厳しい時期を迎えたことを思い出そう。あのままアベちゃんが出て来なかったら、そして日銀のクロちゃんが出て来なかったら(それはそれでまた別の問題もあるんだけど)、おそらく大企業も株式市場もそれ以前の四半世紀近くにわたり見られた弱体化がさらに継続し、それを受け中小企業もますます弱体化し、失業率は今もかなり高く、学生の就職氷河期は継続的に悪化して永久凍土状態になり、日経平均株価は下げ続けて5,000円ほどになっていたかもしれず、株式に多くがつぎ込まれている我々の公的年金制度の破綻は早まり、年金給付金の水準がどんどん切り下がっていたかもしれない。だから昨年日本中が大騒ぎした「公的年金不足2,000万円問題」なんて、実はもっと早期に「公的年金不足4,000万円問題」になっていたかもしれない。そんな世相であなた満足ですか? 

私は別にアベちゃんの支持者じゃない。彼の前任者たちに比較して「彼はかなりマシなパフォーマンスを残したなぁ」と言っているに過ぎない。



話は逸れるが、その公的年金不足2,000万円問題で「もっと年金よこせ!」とアベちゃん政権を突き上げていた国民の多くは、問題の本質を理解していたとは思えない。なぜならその理由は以下の通りだ:

(1)大昔から公的年金なんてものは、それだけで誰もが老後を楽に暮らして行けるという制度にはなっていないのである。だからそれで老後の生活資金が不足したとしてもそれはアベちゃん政権のせいではない。「もっと年金よこせ!」と主張するなら、今の公的年金制度ができた何十年も前からそう言わなきゃいけなかったわけだ。しかもですね、もしそんな豊かな給付水準の年金制度ができた暁には、誰もが今よりずいぶん高い水準の掛金を積み立てさせられることになるが、それでいいの?

(2)そもそもあらゆる年金制度は保険や宝くじとは本質的に異なるものだ。現役時代に掛金を積み上げ投資運用し、引退後はそこから少しずつ給付金を受け取るのが年金制度であって、自分が積み上げた掛金(プラス運用益)以上に給付金を受取るなんていう都合の良いことは実現不可能なのである。

(3)でももしあなたが「もっと年金給付金が欲しい!」と言うなら・・・

 (3)の1.あなたは自分で新たに個人年金運用商品がある所、つまり信託銀行か生命保険会社に行って口座を開設するか国民年金基金に加入するか等した上で、生活を切り詰めるかあるいは自分でビジネスを切り開くかあるいはその両方に励み、個人年金のための蓄財に勤しむ必要がある。

 (3)の2.あるいは奮起して、今も優良で健全な企業年金制度を維持する日本の一流民間企業のどこかに転職しその抜け目なさそうな同僚と一緒に定年まで猛烈にヒィヒィ働いて、引退後は公的年金に加え企業年金基金からも給付金を受け取るべく頑張るという手もあるにはある。

(4)元に戻って、年金給付の元となる年金財源の運用先でもある株式の時価は、上のグラフに見るように、アベノミクスが無ければおそらく今頃は最悪の状態に陥っていたと思われ、年金制度自体が今よりもっと深刻な危機にさらされていたことだろう。

結論: だからこの公的年金不足問題についても、それはアベちゃん政権のせいでもなんでもなく、むしろアベちゃん政権はその問題に関してプラスに作用していたというのが、フェアな評価だろう。


アベちゃんの後任としてはスガちゃんが出ると言ったのだから、それで決まりだろう。スガちゃんなら大丈夫と思われる。政治家では稀な知的な人で、失敗も少なそう。今後最長でもまずは1年のリリーフ政権だ。事務運営が滞らないという最低限のレベルでは及第点を最も取りそうな候補者がスガちゃんである。任期満了後も政権が続けられるくらいに、まずはスガちゃんに頑張ってもらいましょう。

話は変わって・・・9月4日金曜日の日本時間で9:30pm、米国東海岸時間で朝8:30amに、米国の8月の雇用統計が発表された。非農業部門雇用者数はペースは鈍ったものの引き続き改善中だ。また相変わらず「雇用されているが、休職中」の人が就業者扱いになっているというデータ算入のテクニカルな問題はあるが、失業率は予想を上回る大幅な改善(低下)を見せた。下のグラフがそうだ。米国労働省のウェブサイトに行けば、直近10年のデータがExcelで取れる。何度見ても経済統計とは思えない形だね。



しかし現実の経済実態がどうあろうが、いつも世の中を勝手に先読みする金融市場はこの8月の雇用統計に冷淡に反応した。前日9月3日に大きく下落していることも、心理的に重く作用した。

下のグラフは米国株式市場の代表的指数S&P500の推移である。6月は冴えなかったが、米国株式市場は7月も8月もこれ以上ないほどの安定的な上昇を続けた。特にハイテク関連がすごい。AmazonやTeslaに代表される新興企業だ。誰もが「割高だよねえ、大丈夫??」と感じていたが、スイスイと株式相場は上昇して、ついにCOVID-19が騒がれる前の2月につけた史上最高値を更新してしまったのだ。



だから逆に9月3日は特段の新たなマイナス材料もなく、おおよそ▲3.5%と久々の大幅下げを見ることになった。ハイテク関連の下げが大きい。しかし皆あまり驚かなかった。7~8月からすでに割高感でいっぱいだったからだ。その状況を受けて翌日9月4日を迎え、朝早くに失業率の予想を上回る低下(つまりは経済状況の改善)を見ても、もはや喜んで株式を新たに買おうという雰囲気にはならず、9月4日もご覧のような状況で弱かった。毎年9月は暗いことが多いような気がするけど気のせい? 少なくとも今年の9月は初めから暗いねぇ。

上のグラフをもういちどよぉ~く見てください。この馬でも鹿でも儲けられそうな素直でキレイな上昇相場の8月に、私のグローバル・マクロ・ヘッジファンドはさぞかし儲けたことだろう。だって普通に米国株式の投信を持っているだけで10%近くは上昇しているわけで、素人個人投資家だってウハウハで儲けられたわけだし。一方米国の長期債券利回りは大まかに言って上昇(=債券価格は低下)しており、初心者の債券ディーラーですら債券先物を売ってたら容易に儲けられる。ましてやプロ中のプロのグローバル・マクロのヘッジファンドはレバレッジも効いているし、手法はあれやこれや駆使してるんだから最低でも8月単月で20%くらい、あるいはもっと多くを儲けているだろうね。

・・・なんて思っていたら、シンガポールからメールが来て、「8月は+2%ほどのリターンでした」とある。獲らぬ狸状態だ。何やってんだよ。マイナスでないだけ良いのだけれど、8月にめっちゃ稼げなきゃ、いったいアナタはいつ稼ぐんだ??って話だ。9月なんて、何でもありのヘッジファンドでも稼ぐのは結構難しいと思うよ。

とうことで、私は9月は月初からとっても暗いのでした。

ではこちらの曲(Monster♪)を。



このPVを初めて見た時、このメロディも振付もカッコいいなぁ・・・大野君って歌うまいなぁ・・・と思い、私だって嵐のメンバーになりたい!と思ったものでした(←なんで??私って 頭おかしい??)

そんなに前のことじゃないだろ?と思うMonsterだが、なんともう10年前にリリースされた曲なんだね。

タラレバの話だが、この曲がリリースされた日(2010年5月19日)にもしあなたがS&P500指数に投資していたら、今頃その時価は3倍には軽くなっていたはず。



1万円が3万円、10万円が30万円、100万円が300万円、1,000万円なら3,000万円・・・

10年前に茅ヶ崎市で新築マンションを買おうと思って3,500万円貯めた人がそのままそこに3,500万円のマンションを買っていれば、その後地価は緩やかに低下し建物は順調に減価して、今頃そのマンションの売値は例えば2,500万円くらいだろうか。しかしその人が賢明にもそのマンションを買うのは止め、その3,500万円をS&P500のETFに投じれば、その後じっと10年間カッコいい嵐のMonster♪を聴いているだけで、自動的にそれは1億円以上の価値を持ったわけよ(為替相場は考慮していないが、今から10年前は今より円高だったので、今の円での価値はさらに増すはず)。

タラレバですねぇ。でもこの3つの方針は、その後良い結果をもたらす確率が高い:

1. 素人が難しいことを考えて短期間にあれやこれやとやっても、まぐれはあるかもしれないが当たり続けるのは不可能。どこかで大きくやられる。
2. ドカン!と下がった時に、勇気を出してわかりやすいものを時間や銘柄を分散して買おう。
3. その後は慌てずに長期間にわたりそれをじっと持とう。
コメント (12)
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