「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

地区計画についてのアンケート by 七里ガ浜自治会

2009-03-15 09:14:59 | 環境・土地
私が住む西武七里ガ浜住宅地には住民協定があり、土地取引や住宅建築について大雑把な取り決めがある。しかしながら不動産業者、建築工事請負業者、そして住民の一部はそれを守るだけのマナーを持ちあわせていない。不利を承知で長年協定を守り環境を維持して来た大多数の住民は、それを横目に一部の人々がとる抜け駆け的行為に翻弄されているのである。住民協定には法的強制力がないため、いくら近隣住民や自治会役員が説得を試みても、協定違反の取引や工事が後を絶たない。そのためこの協定を法的強制力を持つ地区計画に昇格させる案が浮上している。

(画像は今朝の七里ガ浜自治会館)

しかしこの問題について住民の関心は低く、最近自治会が地区計画について実施したアンケート回答の回収率が著しく低い。しかし住民がこの問題と無縁かと言うと決してそうではなく、実際協定破りの取引や工事が始まる度に、近隣の住民は自治会に助けを求めている。自治会の役員はご苦労なことにその都度アクションをとり、関係者に理解を求める努力を続ける。成功することもあるが、無視されることも多い。

地区計画についてのアンケートに対する住民から寄せられた回答は回収率は低いものの、回収された回答に関する限り、「地区計画制定に賛成する」が圧倒的に多い。ただし回収率の低さから、それをもって住民の総意とは言えない状況である。

1年前に自治会役員の方々とお話する機会があって、この件についての私の理解はかなり深まった。また今回のアンケートに先立ち「意見があれば言え」とあったので、私がこのブログで書いた協定に関する話(次のURL)http://blog.goo.ne.jp/kama_8/e/c96437d11ae5b475988b5b57a9f32b51で始まる「西武七里ガ浜住宅地の住民協定(1)~(6)」を簡略にまとめ、私の意見として提出した。更に今回のアンケート結果を踏まえ、自治会の今後の方針が決まったようだがそれについて再び「意見があれば文書で提出せよ」とあったので、またもや意見を提出した。私の「虫食い状態の地区計画推進作戦」である。その実現可能性は低そうだが、少しでも環境維持にプラスならと取り敢えず提出してみた。以下がそのコピーだ:

七里ガ浜自治会環境委員 御中

地区計画に関するアンケートについて

いつも自治会活動にご尽力頂き、誠に有難うございます。自治会だより20年度第11号を拝見し頂戴しました。重ねてお礼申し上げます。

地区計画アンケート結果に関して見解を示され、「意見のある会員は文書でお寄せください」とあったので、この意見書を提出するものです。私自身は地区計画の制定推進を願うものです。協定でも本来十分なはずですが、業者と住民自身がそれを破ることが多発する以上、地区計画を制定するしか手はないものと、過去に他の住宅地で得た自らの経験から考えております。自らは自治会活動を直接お手伝いすることも出来ないのに、長々と意見ばかり出して皆様の手を煩わせる私のご無礼をお許し下さい。

さて、アンケート回答者のうちの過半数が「賛成」としたものの、アンケート回答者数自体が少なすぎるため、これをもって地区計画制定が住民の総意とは言えないと、自治会だよりにお書きになっています。私もまったく同感です。

続けて、自治会全体としてではなく、地区単位毎に賛否を問い、地区別に自主的に地区計画を実施する他ないのではないか、とされています。私は不勉強で「地区」というものがどういう単位を指しているのかがよくわかりません。おそらく「支部」よりは小さい単位なのだろうと推測しますが、いずれにしろ、それを地区単位におろして議論し賛否を問うても結果は同じことではないかと懸念します。無関心あるいは近隣との対立を避けたい心情(無回答、棄権、参加せず)、そして自分もいつかは協定破りをして家を売却するかもしれないという利己主義(反対)がそのまま小規模に地区単位で延長されるだけなのではないかと懸念しているのです。

地区単位で検討し賛否を問うことも検討すれば良いと思います。それが本来の筋でしょう。しかしそれがうまく行かない可能性も高いので、その場合に備えて、それと並行して私が前回アンケート時に意見として提出致した「虫食い状態での地区計画制定」の実行可能性を市役所と折衝して頂けないでしょうか。それが難しいのは承知の上ですが。

私が提案する「虫食い状態での地区計画」は以下の手法をとります:
① 賛成か反対かと問えばアンケートのように賛成が過半数です。まずは地区計画(内容は現在の協定に準じるもので十分)の内容を早急に定め、今までに賛成票を投じた302世帯だけでも地区計画地域にさっさと組み入れてしまう。そのお宅には「地区計画遵守区画」というプレートを配って掲示してもらうようお願いする。
② ①のような状態を「虫食い状態」と自嘲的に呼ぶ。一方地区計画と並立で協定は存続させ、地区計画遵守区画とならないお宅には協定の網をかぶせておく。
③ 地区計画(あるいは現在の協定)の水準を満たさないお宅に対しても、地区計画制定以前からそうであったお宅は現状有姿で地区計画を満たすとされる(通常どこでも地区計画ではそうなっています)ことを強調して理解してもらい、環境劣化を避ける意味から①同様に「地区計画遵守区画」となってもらうようお願いする。それを受け入れてもらえるお宅から地区計画地域に組み入れ、プレートを掲示してもらう。
④ プレートには「地区計画遵守区画」と掲示するだけでなく、「環境劣化をこれ以上進めることのないよう、未加入のお宅もすぐに地区計画遵守区画に参加を!詳しくは自治会館へ、あるいは自治会だよりを見て!あなたの参加が住宅街の環境や景観を守ります。わずかの手間があなたの区画の永遠の環境の保持につながります」と呼びかける内容を書き込み、追加的な地区計画遵守区画への参入を増やせるように努力する。
⑤ ④のプレートと同様の内容の掲示、看板をあちこちに立て、自治会員の追加的地区計画への参入を呼び掛け促進する。
⑥ 自治会だよりや回覧や掲示版においても、地区計画加入率をどんどん公表し、追加的参入を呼びかける。ブロック毎の加入率の変化を示す。地区計画遵守区画の地図を更新し、全戸配布し、景観の重要さを訴える。それを永遠に続ける。あまり厭味にならない程度、反感を買わない程度に(これが難しいが)。

こうした虫食い状態の地区計画制定は前例がないものと想像します。市役所は受け付けてくれないかもしれません。しかし我々と市役所に環境劣化を防ぐ意思があれば、出来ないことではないと思います。住民の関心は薄いのに、協定破りがあるたびそれに隣接した住民は自治会に助けを求めます。でもそのたびに協定の強制力のなさからくる挫折感を住民や自治会は味わいます。そんなことはもう避けるべきだと思います。

協定に準じた内容の地区計画を定めれば、それに参加しない人はそもそも協定自体を守るつもりもないことがはっきりします。自分の土地を分割して売る人は、この協定により曲がりなりにも守られてきたこの住宅地の環境の高さを利用しています。それは協定を守る隣人達が作ってきた環境を踏み台にして、自分だけが協定を破り土地を分割して売却し、その環境劣化のつけを善良な隣人に押しつけて出て行く行為であり、犯罪にも等しいものです。経済学でいう「ただ乗り」(例: 川の汚染浄化は広く市民から集められた税金による施設で行われているのに、その横で汚水を垂れ流す工場のように、負担を他に押し付け自分のみ利益を得ること)です。

ゴミ出しルールを守らない住民は近隣から指弾されますが、言ってみれば「たかがゴミ出し」です。実はたいしたことはありません。しかし一度土地を分割したら、二度ともとには戻りません。協定を守らない住民はゴミ出しルールを守らないこと以上にはるかに重大な違反行為を犯していることに、思い至る必要があると考えます。

相続だとか、老人ホームに入るだとか分割売却の理由をあれこれ挙げる人がいますが、そんなのは言い訳です。人気の分譲地ですから値段を下げれば必ずスグに売れます。より高く、より早く売りたいがための利己主義的釈明に、善良な住民が犠牲にされる必要はありません。ルールは出来るだけ簡単なものを定め、それを全員が例外なく守ることが必要だと思います。

平成21年3月8日

<コピー終わり>

当自治会の会員の皆さん、環境劣化を防ぐことを考えませんか。



上は本日の鎌倉山で撮影した画像だ。荒れつつはあるものの、鎌倉山には往時の風格ある景観が随所に残っている。鎌倉石と俗に呼ばれる柔らかい質感の石で造られた古い石垣が、苔をまといそのまま残っているところが多い。ご覧のとおりよく育った生け垣が、それぞれのスタイルで趣を保って手入れされている。緑が滴り、潤いが演出されているのだ。

鎌倉山にははるか及ばないものの、我が住宅街も石垣として大谷石が積まれ、ある種の統一感がある。それなりに設計者の意図があり、考えられた上で各区画は一定の面積や形に仕切られていて、景観にもリズムがある。それらのリズムを一気に崩し大谷石を退け、生垣等植栽を抜き、段差を取り払って道路から全面をフラットにコンクリートで固めて駐車場及び入口としての通路にしてしまうことがよく行われる。そのような風景が延々と連続した時、道路を歩く人に見える風景は、通路の左右のコンクリート上に並べられたクルマだけが顔を覗かせるスーパーの駐車場の景色と何ら変わらなくなるだろう。多くの場合、敷地を分割して売買するという協定違反行為がその発端となっている。
コメント (4)
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