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ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

神の山・三輪山とササユリの大神神社(2012.06.15)

2012-06-17 11:16:26 | 山日記

三輪山(みわやま) 標高467.1m。大和平野の東に並ぶ青垣の山々の南端にある、美しい円錐形の山。
大神大物主(おおものぬし)神(大国主神)を祭神とする大神(おおみわ)神社の神体山として尊崇されています。
*こちらのサイト「ペンギン夫婦お山歩日記・奈良百遊山」もご覧ください*

奈良市にある大神神社の摂社・率川(いさかわ)神社で毎年6月17日に行われる三枝祭(さいぐさまつり)は別名を「ゆりまつり」と呼ばれています。この神事は、すでに文武天皇の大宝元年(701)制定の「大宝令」には既に国家の祭祀として規定されています。率川神社の祭神ヒメタタライスズヒメノミコトが三輪山麓の狭井で育ったことから、当時そこに咲いていたササユリの花でお供えの酒樽を飾る習わしが今も続いています。近年になって大神神社周辺にササユリを再生する試みが行われ、現在では約2000本といわれるササユリが生育されています。

ちょうど見頃と新聞で報じられ、「ささゆり奉献神事」が行われる16日の前日に出かけました。

まず拝殿前斎庭に設けられた「茅の輪くぐり」。無病息災を祈りながら三つの輪を中央、右、中央、左、中央…と潜ります。そして参拝。
大神神社は背後の三輪山そのものが御神体なので本殿はなく、この拝殿が重要な建物になっています。現在の建物は1664年(寛文4年)四代将軍家綱の造営になるものです。

 

儀式殿横から狭井神社への道は「久すり道」と呼ばれ、さまざまな薬の原料になる木や草が植えられています。これは狭井神社が古くから「華鎮社(はなしづめのやしろ)」と呼ばれ、病気を鎮める神様として信仰されてきたからです。
左に見える赤い鳥居は市杵島姫神社。市杵島姫は弁財天として知られる水の神様で、安芸の宮島神社の祭神でもあります。鳥居を潜り、正面の本殿に参拝を済ませて社務所で住所・氏名などを記帳して鈴の付いた襷をお借りします。

狭井神社登拝口です。現在、三輪山に登るのはここからの往復に限られ、社務所で初穂料(300円)を収め、襷を首にかけて山に入ります。往復2時間足らずの往復でしたが、山中では飲食、喫煙、写真撮影の一切が禁止されています。神様の山の様子は詳しく人に話さないのがよいと思いますので、あえて記述しないことにして、駐車場にあった説明板の文章を一部引用しておきます。

『全山杉やヒノキなどの常緑樹に覆われ、山中には神の憑代(よりしろ)とされる奥津、中津、辺津の磐座(いわくら)がある』

神社の名前ともなっている「狭井」。神水の井戸から湧き出る水は「薬水」と呼ばれ、諸病に効力があるといわれています。
「清浄の音 心静かにお聞きください」という表示があります。耳を傾けると澄み切ったコンという音が…水琴窟といわれる仕組みです。

今はボタンを押すと蛇口から冷たい水がほとばしり出るようになっています。ペットボトルにも頂いて帰りました。

参拝を済ませてササユリを見にユリ園の方へ帰ります。
辨天池の横に咲くササユリ。後の石碑は三島由紀夫の筆で「清明」の文字が刻まれています。「豊饒の海」を執筆した時にここを訪れました。

池の西側にササユリが群落しています。この光景を見ただけで十分満足できました。

この一帯は「大美和の杜」と呼ばれています。展望台に上ると金剛、葛城から二上山に続く山並みを背にした大和三山<写真では畝傍山(左)と耳成山(右)が写っています。天香久山は畝傍の更に左>、大鳥居と、梅雨時にしては素晴らし眺めでした。

祓戸神社北側にあるユリ園のササユリの花は、残念ながらやや時期遅れの感じでした。しかし、その数は年々増えている様子です。ササユリの花は種を播いてから開花するまで6年もかかるそうです。

山野ではごくわずかに自生するだけの清楚で美しいササユリの姿を近くで存分に見ることができるのは、神社豊年講の方々の長い年月にわたるご努力のお蔭で本当にありがたいことです。

二日後に控えた率川神社の三枝祭では、姫蹈鞴五十鈴姫さまもきっと故郷から運ばれたササユリの姿、香りに御心を慰められることでしょう。


わが家の庭で(2012.06.14)

2012-06-14 13:17:37 | 我が家の歳時記

梅雨の中休みで朝から強い陽射しが降り注いでいます。

崑崙原産の朝顔。だいぶ蔓を伸ばしました。

発芽の遅れていたのもそろそれ定植の時期に…

アジサイがようやく色づき始めました。

エビソウもまだほんのり赤い色に染まり始めたばかりです。

カタバミ。雑草ですが色と形が美しかったので…

ナンテンの花。庭のあちこちで満開です。

ゼラニュウム。この時期はちょっと淋しい庭に、ただ一つ彩りを添えてくれています。


梅雨の晴れ間に…(2012.06.11)

2012-06-12 17:44:31 | 今日の大和民俗公園

と思っていたら朝の青空はどこへやら、午後からまたどんよりした曇り空になりました。夕方、用事が終わったので傘を持って大和民俗公園へ。

花菖蒲園のアヤメはまだまだ、これからです。

熟した麦の穂の向こうに様々な色のダリアが見えます。

コラージュにまとめてみました。

ササユリが咲きました。

やや小粒ですが、オオヤマレンゲもまだ咲いています。深山の花たちに近くで会えるのも嬉しいことです。

今年はキササゲの生育が早いようです。もう実がぶら下がっています。

これは去年6月6日の写真です。まだ美しい花が満開でした。

ポツポツ雨が落ちてきたので急いで帰りました。

 

 


ササユリ匂う交野山(2012.06.08)

2012-06-09 10:17:54 | 山日記

交野山(341m) 生駒山地最北端に位置する山で、山頂からの眺めがよいことで知られています。去年より一週間早いのでササユリの開花状況が心配でしたが、昼までは降らないという予報に急いで準備をして出かけました。

大阪府道7号線奈良県道7号線は起点が大阪府枚方市で終点は大和郡山市冠山町、通称・枚方大和郡山線と呼ばれています。朝8時家をでて、すぐ近くの富雄川に沿って北上します。富雄駅付近と国道163号と交差する付近で少し渋滞しましたが、あとは順調に走って「くろんど池」の横を通ります。次第に急勾配の山道になり、峠を越えて大阪府に入ります。ここは、古くは「傍示越え」と呼ばれて、平安時代には現在の交野市にあった八葉蓮華寺の僧兵たちが利用した道といわれています。その後も北河内から大和に向かう道として利用されてきたようです。峠を越えるとすぐ右手に広い駐車場があります。9時の開門直後でしたが、すでに先着の車が1台置いてありました。

9時5分スタート。急な木の階段で尾根に登り、いったん水の流れのある谷間に下って登り返します。ウグイスに交じってホトトギスの声も聞こえました。稜線に出た処には、直進して下ると「白旗池近道」と記された標識があります。

右手に赤い鳥居が見え、左に登っていくと二つ目の鳥居の上に大きな岩があります。右側の金属製の階段を登ると山頂は間近です。

山頂には観音岩と呼ばれる大きな二つの巨岩があり、太い鎖に囲まれて「交野山古代岩座跡」と彫られた石柱が立っています。ザックを置いて登ってみましたが、今日も遠見は利かず六甲や北摂の山々は霞んでいました。すぐに反対側に下ります。(9時30分~9時35分)

今日初めて登ってくる人に出会いました。ゴルフ場道路にでて、今日は源氏の滝の方に行かず道路を横断して白旗池へ。「いきものふれあいセンター」前のベンチはかなり賑わっていました。しばらく周辺をうろうろして国見山へ向かいます。(9時55分~10時)

ゴルフ場のトンネルを抜けて左に大きく曲がり、三叉路を左へ行くと我が家ではとっくに終わったタツナミソウが満開でした。

しばらく先で左へ階段道を登って国見山山頂着(10時40分)。陽射しが強く、早々に退散しました。反対側の展望台にも登ってみたりして、しばらくこの辺りもうろうろ。

11時05分、「交野いきものふれあいセンター」前へ帰りました。小さな水車の回る池に、赤いメダカが泳いでいました。

帰りは少しゴルフ場専用道路を歩かせて貰って、草地の中の道から朝の尾根の標識のある処に登りました。尾根に出るすぐ下で両側から山肌が迫って切通し状になったところでは、ツルアリドオシの花がたくさん咲いていました。小さな小さな花ですが、蕾の時からみんな仲良く二輪づつ並んでいます。(残念ながらピンボケです)11時35分、ハナウツギの咲く駐車場に帰りました。

今日であったササユリたち。(ここでも、不心得な人たちに荒らされてかなり数が減っています。念のために撮影ポイントをぼかしておきます)
ポイントB。他に蕾数輪。少し奥に早く咲き終わった一輪。

ポイントD。去年より蕾が増えています。ただし踏み跡が広くなり、訪れる人が増えている様子です。

ポイントE。珍しく純白のササユリ。普通はピンクですが、土質のPH度の違いなどでピンクでも濃淡ができるそうです。よく撮影にくるという近くにお住まいの方に教えて頂きました。

去年に比べると、ずいぶん数の減ったポイントFの中で、一番美しい形の花です。
なお、ポイントAでは咲いていたのは1輪だけですが、蕾が多く、これからといったところ。ポイントCは去年たくさん見られたのに、蕾も見当たりません。他に思いもかけない場所で、手厚い保護のためか少し数が増えていました。

この日、近畿地方にも梅雨入りが発表されました。車に帰るまでと思っていたのに家に帰るまで雨に遭わずに、美しい花たちに出会えて幸いでした。


梅雨入り前の大和民俗公園(2012.06.08)

2012-06-08 16:39:11 | 今日の大和民俗公園

雲間から柔らかな日差しが降り注いでいます。

タイサンボクが素晴らしい香りを放っています。

西側の池のヒツジグサ(スイレン?)

アジサイは色づき始めたばかりです。

ササユリはまだ蕾です。

夏の花・ダリアが開き始めています。

菖蒲園はまだこんな状態です。

これは3年前(2009年)の同じ6月7日の菖蒲園です。今年は花が遅いのか、それとも…???


松尾寺のバラ

2012-06-06 10:01:19 | 花日記

 

 奈良県大和郡山の松尾寺は日本最古の厄除けのお寺です。ここの庭園で毎年5月中旬~6月初旬にバラ園が公開されています。世界各国の様々な品種のバラが色とりどりに艶を競う様子をご覧下さい。 

*上の右端のアイコンをクリックして大きい画面でご覧ください。その左の砂時計のアイコンでスライドの表示時間を調整できます*


わが家の庭で(2012.06.05)

2012-06-05 11:24:33 | 我が家の歳時記
今日は二四節気の「芒種」。「芒・ぼう」というのはノギ、稲で言えば籾殻にあるトゲのことだそうですね。「暦便覧」という本に「芒(のぎ)ある穀類、稼種(播種?)する時なり」とあるそうですが、以上すべてWikipediaの受け売りです。
もう田植えが済んだところも多いのに、ちょっと季節感がずれているようですが、次の節気はもう夏至になります。



柿の実が少し大きくなりました。



ムラサキツユクサ
高校の理科実験で雄蕊をテンプレートに乗せて顕微鏡で覗くと、細胞の「原形質流動」(だったか…?)が見えて、生命の神秘を感じたことを思い出します。





トキワツユクサ
普通のツユクサは水色なのに白い三角形の花を咲かせます。「露草」ですが、私にはこの花が咲きだすと山に行き辛い嫌な季節が来るので、「梅雨草」がぴったり来ます。



カラー
洋花かと思っていましたが、実は海芋(かいう)といって江戸時代に「海を渡ってきたイモ」として知られていたそうです。
同じサトイモ科のミズバショウに似ていますね。



ドクダミ
白い花に見えるのは苞で、花は小さい小さい黄色い部分。漢字で書くと「毒」の字でなくネットでは使えないような難しい字です。ただ別名は、ドクダメ(毒溜め)、ギョセイソウ(魚腥草)、ジゴクソバ(地獄蕎麦)など恐ろしそうな名前ばかり。全体に独特の臭みがあり、十薬として漢方薬に使われるのはよく知られていますが、なんとベトナムでは香草として料理に使われるているそうです。



白い花が多い中で紅一点のミニバラ。もう終わりです。

身近な自然がいっぱいの矢田丘陵(2012.06.02)

2012-06-04 16:16:48 | 矢田だより
「梅雨近し」を思わせるどんよりした曇り空の矢田丘陵を、今日はFacebookがご縁で知り合った新しい山仲間二人とご一緒に歩きます。
9時前「矢田あそびの森」こども交流館でお二人と待ち合わせ。一人は、二上山から金剛山までダイトレ縦走路踏査、清掃および草刈り、そして 登山道の補修と整備をされている「二剛会」の代表理事・山田孝一氏。もうお一人は生駒山系を中心に活躍されているHigao登山部隊長の土野茂賢氏。土野さんは大阪の自然、特に昆虫に詳しい方です。お二人とは初対面でしたが、お互いに山好き同士、すぐに旧来の友のように打ち解けて親しくお話しできました。

さて今日のコースは任されたので、まず滝寺廃寺の磨崖仏を見に行きました。昨夜の雨で湿った下り道で、土野さんがさっそく珍しい蝶を発見。アカシジミという貴重な蝶だそうです。私はうまく写せませんでしたのでツッチーの昆虫日誌をご覧ください。



峠池に引き返し東明寺に向かう途中で、サルトリイバラの葉の上にこんな昆虫が…。背中に鮮やかなハート型の模様があります。
土野さんにお聞きすると、エサキモンキツノカメムシという長い名前です。「エサキという人が初めて名前を付けた、黄色の紋をもった、角をもったカメムシ」と教えて頂きました。



サルトリイバラ。山帰来(サンキライ)ともいいます。山田さんにもお祖母さんから、この葉を集めてお餅を包むと教えられた想い出があるそうです。もう実ができていました。



サワフタギ



矢田寺への途中で、こんな虫が飛んでいて土野さんが手で捉えました。飛び立つ寸前をパチリ…。
ジョウカイボンといいます。名前は平清盛の法名である浄海坊から来ています。実は、近縁種のカミキリモドキという昆虫があり、これに触れると毒液を出して手などが赤く腫れただれます。熱病で死んだという清盛になぞらえたのですが、よく似ているお蔭でとんだ濡れ衣。この虫には毒がないそうです。

まだまだ珍しい蝶や昆虫をいくつも教えて頂きましたが、これまであまり興味がなく「きれいな蝶々やなあ」とか「へんな虫やなあ」で片づけてきた変愚院には「ネコに小判」。写真もこの二種以外はうまく撮れませんでした。これから少し注意して歩きます。



矢田寺はこの前日の6月1日からアジサイ園が開園したばかり。



まだ何種かがわずかに色付いたばかりですが、大勢の人で賑わっていました。ゆっくりアジサイ園と見本園を見て回って境内をでます。南僧坊谷橋から国見台へ登りましたが、残念ながら展望は皆無。下の郡山市街も見えません。尾根に出たところのベンチでお昼にしました。今日は珍しく大勢の人が、中には20人近い大グループも尾根道を歩いていました。



食事をすませて松尾寺に下り、バラ園を見ました。5日には閉園ですが、まだまだ見事に咲き誇っています。お二人にモデルになって頂きました。



松尾山の三角点。シオカラトンボが留っていました。



松尾湿原に寄り道した後、ヤマボウシの咲く道を矢田山へ歩きます。ハルゼミやホトトギスの鳴き声がずっと追いかけてくるようです。矢田山三角点から「まほろば展望所」に引き返し最高点で記念撮影後、小憩。ここからの東の山もどんより黒い雲に覆われています。手すりがグラグラする「展望台」に登りましたが、目の前の生駒山も霞み、東山と松尾山が見えるだけで金剛葛城も黒い雲の中。雷鳴も聞こえ出したので急いで降りて矢田寺への分岐で、峠から萩の台に下られるお二人とお別れしました。大石まで下ると急に激しい雷雨になり、川のようになった道を急いで地蔵さんの辻に置いてある車に帰りました。

山田さん、土野さん、色々と教えて頂いていい勉強になりました。また是非、矢田丘陵においでください。