ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

私の関西百山(83)皆子山

2014-10-01 07:59:37 | 私の関西百山

83 皆子山(971.5m ) <京都北部>

(みなこやま)京都府の最高峰である。渓谷と自然林の美しさを楽しむことができる京都北山でも人気の高い山である。旧山名は霞ゲ嶽と呼ばれていたが、現在の名は旧制三高山岳部による命名である。山頂へは足尾谷~ツボクリ谷、寺谷、皆子谷からの3つのコースがある。



1998年11月3日、二人で大津市平から百井川沿いの林道を走り、ゲート横に車を置かせて貰う。いかにも北山という雰囲気の杉の美林の中、川添いの林道を抜け寺谷出合に来る。橋は流失していたが徒渉は出来そうだ。この谷を登り、皆子谷を下るつもりだったが、もし下りた後で百井川を渡れないと困るので、さらに奥へ進む。



林道終点から川へ下ると対岸に登山道が見えたが、ここにも橋はないのでズボンをたくし上げ、靴は首にぶら下げて川に入る。結構、流れが速く水嵩は膝上まであったが、それ程冷たくないのが幸いだ。



杉林の中を少し登りまた下って皆子谷に下り、飛び石伝いに何度も渡り返したり、傍らの道を辿ったりして高度を上げていく。



所どころに大小の美しい滝を架ける明るい谷で、最初の10分ほどの間は鮎釣りの人を見かけたが、後は誰にも出会わない。流れは次第に細くなり、傾斜が強まる。木の根を掴んでよじ登って小台地状の所に出た。とてつもなく大きいブナの木が、青空一杯に黄金色を散りばめて立っている。辺りは緑の笹原。思わず「静かな、静かなヤマの秋…」と和子が歌い出した。



流れを離れ、背丈を超すササの中を急勾配の直登。僅かの頑張りで寺谷からの道との合流点である稜線に出る。



蓬莱山から権現山へ続く比良南部の山並み、その左に琵琶湖と大津市街が見える。琵琶湖大橋が霞んでいた。山頂へはササの中を5分ほどで到着。



小広い台地に先客が2人、私たちと逆に、寺谷から登ってきて皆子谷へ降りるという。ここからは武奈ヶ岳のゆったりした姿が美しい。



寺谷を下る。こちらは皆子谷に比べると道も良く、傾斜も緩いので歩きやすい。深まりゆく北山の秋を惜しみながら、元来た道をのんびり歩いて帰る。しばらくぶりに快晴と展望に恵まれ、山らしい山に登れた喜びで一杯の二人だった。
【コースタイム】平8:30…寺谷出合9:00…徒渉地点9:35~9:45…<皆子谷>…尾根に出る11:30~11:35…皆子山11:40~12:25…<寺谷>…山道谷道分岐13:15…寺谷出合13:45…平14:15
 
2001年9月22日、日本山岳会関西支部例会14人パーティ。バスで鯖街道へ入り、足尾谷橋下車。15分ほどで林道が尽きると足尾谷に沿った道になる。道が次第に狭まり、木橋を渡ったり飛び石伝いに行きツボクリ谷に入る。



美しい滝やハシゴ場などが続くが、京都バスの「北山トレック」200人の大パーティに追いついてしまう。なんとかトラロープのある急坂の手前で、中間点と先頭のガイドがトランシーバーで連絡を取り合って、先に行くことができた。



目印になる大きなトチノキからの標高差300mの急な登りは少し厳しかった。まず別の支流沿いに行く。やがて水が少なくなった支流が溝になった中を登る。虎ロープの急勾配の登りから最後は笹原の急坂を登り切ると皆子山山頂だった。



今日も雲一つなく比良の山並みの眺めが美しい。正面が武奈ヶ岳、その左に蛇谷ヶ峰が見える。慌ただしく記念写真を撮る間に、山頂はぞくぞく登ってくるトレックの人で埋まってくる。予定を変更して二年前の皆子谷を下りることになった。快晴に恵まれた楽しい山行で、諸先輩から色々教わることが多かった。しかも涼しくて、ほとんど汗もかかなかった。あの大パーティに追われずにゆっくり谷歩きが楽しめたら、もっともっと良かったのに…。
【コースタイム】足尾谷橋9:10…ツボクリ谷分岐10:45…<ツボクリ谷>…皆子山山頂11:35~11:45…昼食(皆子谷)12:15~12:45…林道終点13:45…平14:50