ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

今年も秋の富士へ

2012-09-17 21:21:06 | 山日記

毎年恒例となった秋の富士登山。今年はMさんご夫婦とご一緒に登ることになった。
「二台で走るのは不経済だから…」というお言葉に甘えて、新名神・草津田上IC近くのMさん宅へ車を置かせて頂く。お家のすぐ横にある牟礼山(221m)はMさんの毎日の散歩コース、広いリビングルームからは金勝アルプスが箱庭のように見える絶好のロケーションである。

9月14日11時前、Mさんの愛車に乗せて頂いて初めて新名神道路を南へ。鈴鹿山脈を越える頃、心配していた黒い雲から激しい雨が落ちてきた。鈴鹿で東名阪と合流すると晴れて伊勢湾岸道、東名道と順調に走る。しかし浜名湖SAでウナギの昼食を食べていると、また激しい雨になり走って車に帰る。      しばらくで雨は止んだが、静岡を過ぎても由比でも富士の姿は見えず、富士川SAでも雲の中に隠れていた。西富士道路で再びゲリラ的に短い雨があり、スカイラインに入ると霧が視界を遮り、時々雨滴が落ちてくる。しかし霧は上に流れているので、必ず晴れると祈りながら登る。

期待通り四合目を過ぎると青空が覗いてきた。五合目駐車場は雪崩による災害復旧作業中で売店周辺は駐車できない。ただでさえ500台のスペースしかなく、夏の最盛期には数キロ下まで路肩駐車すると聞いていたのに、今日は3連休の初日で置場所があるか心配だったが、幸い登山口近くのスペースに停めることができた。登山靴に履き替えオールコック碑前で写真を撮って出発する。
 

環境省自慢のハイテクトイレを過ぎると、ゴロゴロした火山礫の登りになる。草紅葉の始まった山肌が美しく、山頂部は夕陽を浴びて輝いている。どうせ今夜は六合目泊まり。ゆっくりしたペースで歩く。
 

細かい砂礫の道に変わり山腹を横切るように登る。大きな岩が転がり落ちていた。新六合目には二軒の山小屋があるが、私たちの定宿は奥の宝永山荘。経営者の渡井夫妻の暖かい出迎えを受ける。夕食の時間まで宝永遊歩道をしばらく散歩する。ミヤマオトコヨモギやオンタデの花が咲いてたが、コケモモの実はまだ色が薄かった。
 
 
ミヤマオトコヨモギ。葉はヨモギに似ている。美しい淡黄色の花をつける。

 
オンタデ。富士山でもっともよく見かける花である。乾燥した荒れ地に強いので、森林限界付近はもちろん、かなり上でも見ることができる。
 
 
去年、お月見の夕方にブロッケンを見た宝永火口を見下ろす分岐まで行って引き返す。宝永山が夕陽を浴びて赤く燃えていた。
 
 

小屋に帰ってまずは生ビールで乾杯。お皿には名物の富士宮焼きソバ。富士山には小屋は多いが、「生」が飲めるのはここだけ。ヤキソバもいろんな雑誌に紹介されて有名で、わざわざ食べに登ってくるファンもいるほどの美味しさだ。
 

外が暗くなると眼下に美しい夜景が拡がった。左手の三島から御殿場、右の富士宮、静岡にかけて宝石箱をぶちまけたようにキラキラ輝いている。空には星がまたたいている。明日はきっと晴れるだろう。
 今夜は私たちの他には東京からの若い男性ひとりだけの泊り客で、広々した部屋を貸切状態で占領した。しかし夜半に風の音が凄く、おまけに変愚院が二度もトイレに立つので、他の3人もほとんど寝られなかった。