ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

拉薩紀行 (バルコル街)

2006-05-29 19:56:39 | 旅日記
バルコル(八角街)はジョカン寺を取り巻くラサ随一の繁華街です。
仏具や日用品、食料品など色んな店がびっしり並んでいます。
殆どの人がジョカン寺を右手にコルラして、同じ方向に歩いている
ので、流れに逆らって歩くのは少し勇気が必要です。



中央で座り込んでいるように見える人は、ただいま五体投地の礼拝
の最中です。



このように全身で祈りを捧げ、我が身を大地に打ちつけながら、
少しずつ聖なるジョカン寺に近づいていきます。



ジョカン寺前の広場に入ると、少し混雑はましになります。
ここにもお土産用仏具、日用品、果物からCD、古本まで色んな
お店が並んでいます。これはカタや五色の布を売る店です。



きれいなお姉さんのお店で、お土産に小さな数珠を買いました。






拉薩紀行 (5月22日-ジョカン寺 )

2006-05-29 16:56:07 | 旅日記
夕方、チベット仏教の総本山とも言えるジョカン寺(大昭寺)
に行きました。
ラサ市内の中心にあるここからラサの歴史が始まったとも言える
重要なお寺で、周辺は連日(昨日の夕方にもちょっと外から見た)
チベット各地からの熱心な巡礼者で賑わっています。

正面の石畳は五体投地の礼拝をする巡礼者で、ぴかぴかに磨かれ
ています。



同上。屋上から俯瞰したところ。



この中庭はかってダライラマ臨席のもとに仏教哲学の試験が行われ
たところです。セラ寺の若いお坊さんたちも、ここで試験を受けるの
でしょうか?



本堂の左側にはマニ車がずらりと並ぶ回廊があります。
その数、実に305!!。これだけの数の大きなマニ車を回すのは
かなりの重労働です。回し終えると手は真っ黒でベトベト、腕が
重くなりました。



内院をぐるりと右回り(コルラ)しました。数えきれぬほどのお堂
と壁画に圧倒されます。
中でも印象に残ったのは、ジョカン寺縁起ともいうべき歴史絵巻
の壁画です。魔物(羅刹女)の棲んでいたオタン湖を埋め立て、
それを鎮めるためにジョカン寺を建設し、完成を祝う祝宴までの
様子が精密に描かれていて、とても興味深いものでした。

ご本尊の釈迦牟尼仏は元来、外から拝むだけで扉が閉じられて
いるのですが、この日はなんと私たちが参拝している間だけ開扉
されました。あまたの宝石で飾られた金ぴかの仏像の裏側へ廻って、
敬虔な気持ちでカタを捧げました。

そのあと、心の美しい人には湖のせせらぎが、悪い人には羅刹女の
心臓の音が聞こえるという大きな黒い石に耳を寄せてみましたが…
風のようなかすかな音が聞こえたように思います。



屋上にあがって休憩所で一休みしました。中国の有名な喜劇俳優
がきていて、先程の特別ご開帳の理由がこれで分かりました。
私たちは実にタイミング良く、お相伴にあずかれたという訳です。

写真は屋上から見た門前の眺めです。右手奥にはポタラ宮が望め
ます。広場の両側には土産物を中心としたお店が並んでいます。




拉薩紀行(5月22日-セラ寺)

2006-05-29 16:02:33 | 旅日記
この日、午後に市北方にあるセラ寺を訪ねました。

セラ寺は河口慧海師、多田等観師などが修行したところで、
日本にもゆかりの深いゲルク派の大僧院です。
特に河口慧海師は、インド仏典の原典に近いチベット大蔵経を
入手するため、1901年、鎖国中のチベットに潜入して多数の仏典
、民俗資料などを持ち帰ったことで知られています。

かって師の「チベット旅行記」を耽読し、JAC関西支部70周年
事業で04年の「西チベット学術登山隊」、05年の高野山における
記念登山などで、ほんの少しながらご縁のできた私にとっては、
今回の旅行でぜひとも訪れたい場所の一つでした。



参道の美しいマニ石の前に赤い僧衣が置かれています。



広い敷地の中にはセラ・メ、ンガバ、セラ・チェの三つのタツァン
(学堂)とツォクツェンという大集会堂があります。
セラツェ学堂では河口慧海師の学んだ部屋にある記念碑にカタを
捧げました。
ここも内部では写真を撮りませんでした。バターの臭いが充満して
いる堂内から出て、戸外の空気にホッとしているところです。



午後3時、中庭で有名な「問答」が始まりました。
修行中の若いお坊さんたちが、二人一組で教典を題材にして一人
が問いを出し、一人が答えます。立っている方が大声で問いかけ、
数珠をかけた手を打ち鳴らします。



動画で見て頂けないのが残念なシーンです。



かなり迫力がある昇進試験なのですが、中には私たち見物人を意識
したお坊さんや、何度も試験に落ちたのかいい加減な態度の中年僧
もいたりして面白かったです。