14日付、「朝日」は1面トップで、東電の山下和彦フェロー(技術顧問)の13日の発言を大きく報道しました。 山下フェローの発言(要旨)は次のとおりです。
「首相の発言のいきさつは存じ上げない。 予想されるリスクについてはコントロールされている。 ただ、想定値を超えてしまうことが起きているのは事実。今の状態はコントロールできていないと考えている」(「朝日」)
安倍首相の国際オリンピック委員会総会の関連発言(要旨)「状況はコントロールされている。汚染水による影響は福島第1原発の港湾内0.3平方㌔メートル範囲内で完全にブロックされている」(同紙)
菅官房長官は記者会見で、「放射性物質の影響は港湾内にとどまっていると認識している」と述べていますが、その根拠はありません。
「しんぶん赤旗」15日付日曜版は、この問題について、写真入りで詳しく報道しています。
「汚染水は港湾内にとどまるのか―。東電自身が『完全に海水の行き来がゼロとは思っていない』と、首相発言を否定しています。 東電によると、1~4号機前の狭い内堤防の部分と港湾内、外洋の海水は、それぞれ1日50%も入れ替わります。 汚染水の海洋拡散は否定できません」と指摘しています。
さらに、「貯蔵タンクから漏れた約300㌧の高濃度汚染水が、排水溝を通じて外洋に流出した可能性もあります。 東電も『排水溝から外洋に出た可能性は否定できない』と認めています」と報道しました。そして、連日、タンク周辺からの汚染水の検出が続いています。
日本共産党の市田書記局長は、「現状はコントロールどころか制御不能だ。 放射能汚染水がどこから、どう漏れ出しているのか、全容すらわからない。 対策も具体的にとれていない」
「国際的な場で述べた以上、国際公約になる。 『問題ない』というなら、その根拠を国際的にも、国民と国会の前にも明らかにして責任を果たす必要がある」と主張しています。