折句ラッシュ・クリスマス

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、縦読み
クジラうえリクエストした水族館マダイが歌うスローバラード、クリスマス

ハッピー・ニュー・イヤー(高速カレンダー)

2021-01-07 07:36:00 | ナノノベル
 新年というのは慌ただしく過ぎ去るもんでござんす。餅を食べたり年賀状を読んだりしている内に、気がつくとお正月は終わり、それどころかもう月が変わっていて驚かされたりするもんでございます。3月は去ると申しましょうか、新春が過ぎ、春がきたと思っているとあっという間に桜が散っていたりして、まさに時の流れの速さというのは手に負えないもんでござんす。わるいことに、これはどうも年々加速していっているようなんでございますな。

「もう5月か。年が明けたと思ったらあっという間に5月じゃねえか」
「お前がぼーっとしてるからだよ」
「鬼退治の豆がまだ残ってるのに」
「早いとこ片づけやがれ」

「色々と忙しいんだよ」
「何も忙しいことねえだろうがよ」
「顔を洗ったり服を洗ったり皿を洗ったり……」
「たいして忙しくねえじゃねえかよ」

「疲れたら寝っ転がったり」
「忙しくねえんだよ」
「たまにはぼーっとすることもあるしな」
「ぼーっとしてんじゃねえかよ」

「5月になったと思ったらもう折り返しだ」
「お前がぼーっとしてるからだよ」
「折り返したらと思ったら月末だ。いったいどうなってんだ?」
「お前がぼーっとしてるからだろうが」
「そんなことはねえよ」

 春は別れの季節と言われておりまして、別れがくれば出会いもあるとしたもんでござんす。新しい生活も始まりそろそろ慣れてきたというくらいに、厄介なのが5月の病でございます。何かよくわからないが気分が冴えない。何か調子が上がらない。何かあいつは気に入らねえな。なんであいつはあんな偉そうなんだい。これ皆5月の病というもんでござんす。困ったことに、こいつにはまだ特効薬が見つかっておりません。どうしたもんかと頭をひねったところで、こればっかりはどうしようもない。待つしかねえ。まあごちゃごちゃ言ってる間に5月なんかは終わっちまうんでござんすよ。よーっ!

チャカチャンチャンチャン♪

「気がついたら6月だ。何か雨が多いじゃねえか」
「梅雨入りしたんじゃねえか」
「昔から梅雨が苦手だったんだよ」
「雨が嫌なのかよ」
「雨はいいけどじめじめが駄目なんだよ」
「まあ梅雨はじめじめするもんだからな」

「でも最近はそれほどでもなくなったな」
「どうした?」
「気がついたら梅雨が明けてるんだよな」
「お前がぼーっとしてるからだよ」
「お前よりは忙しいぞ」
「何がそんなに忙しいんだよ」

「コンビニ行って公園行って郵便局行ってスーパーに寄って」
「たいして忙しくねえだろうが」
「疲れたら寝っ転がってマンガくらい読まないとな」
「忙しくねえじゃねえか」
「アイスくらい食ってアニメでも見ないと世の中ついて行けないぜ」
「全然ついて行けてねえんだよ」

 昔から6月ともなれば雨が続いたもんでござんす。また雨かよー、そうぼやいたところで、そういう季節なんだから仕方がない。人間は自然の下にいるもんでござんす。雨がなければ農作物も育ちません。降りすぎても困るけども、全く降らないというのも困る。ちょうどいい雨があればいいが、どうも近頃は空模様が不穏でござんす。非常に偏った降らせ方をなされる。夕べなんかは店を出た途端に降り始めてずぶ濡れでござんす。周りを見渡せば、誰も傘なんか差してないし濡れてもない。なんだこの雨は、あっしの頭上にだけ降ってやがる。いったいあっしに何の恨みがあるんで? えーっ、どうなんですかーい!

チャカチャンチャンチャン♪

「夏は苦手だったんだよ」
「苦手が多いな」
「昔は7月になると憂鬱だったな」
「大変だな」
「いよいよ夏かと思うと重圧がすごかったのよ」
「気の弱い奴だな」

「それが最近の夏はそうでもないな」
「昔より暑いだろうが。大変じゃねえか」
「何か早いんだよな」
「何が早いんだよ」

「蝉の歌が短くなったな。温暖化のせいかな」
「お前が聴いてないだけだろうよ」
「祭りなんかすぐに終わるのよ」
「お前がぼーっとしてるからじゃねえか」
「気がついたら盆がすぎて花火も終わって墓参りも行けてない」
「お墓くらいちゃんと行けよ」

「時間が早すぎて行く暇が見つからないんだよ」
「いくらでも暇はあるだろうよ」
「アイス食って素麺食ってかき氷食って横になるんだよ」
「だらだらしてんじゃねえか」
「横になったらマンガくらい読まないとな」
「マンガ置いてお墓行けるだろうがよ」
「たまにはぼーっとする時間もいるしな」
「いつもぼーっとしてるじゃねえかよ」

 昔から夏休みというのは思い出を作りやすいもんでござんす。海に行ったら海の絵日記を描き、スイカを割ればスイカの絵日記を描く。そうして地道に描いている間はいいんですが、それがだんだん面倒になってくるとあとでまとめて描けばいいか、なんて考えるようになるんでござんす。記憶ってのは曖昧なもんで、その日あったことなら平気だが、十日も前のこととなったら、何だか自分でもよくわからなくなる。海行ったかな? 山行ったかな? お墓行ったかな? 何かよくわからねえ、もうみんな行ったことにしとけってなもんで、まとめて描く絵日記なんてのはもうフィクションの塊みたいなもんでござんす。月の上を歩いてたり、UFOやエイリアンが出てきて一緒にバーベキューをしてたりともう無茶苦茶でございます。しかし楽しいことというのは速く過ぎていくもんでござんす。長いと思っていた夏休みがもう明日で終わりか。その頃になると過去を振り返って「明日から夏休みか」なんて楽しみにしていたくらいが一番よかったな、なんて思うんでござんすな。楽しみが先にあるくらいが、しあわせかも。そんな風に思わされるなんて、夏の終わりは切ないもんじゃあござんせんか。えーっ、どうなんだーい!

チャカチャンチャンチャン♪

「7月8月は2つで1つになったのかな」
「そんなことはないよ」
「何か肌寒いと思ったら9月の折り返しなんだよ」
「折り返しで気づいたのかよ」
「そうなんだよ。忙しくて月の入りを見逃しちゃうんだよ」
「いや忙しいからじゃねえよ」
「あーよかった、長袖仕舞ってなくてよかったー」
「何で仕舞わないんだよ」

「秋が帰ってくるのもだんだん早くなってるからよ」
「変わってないけどな」
「雨が降ったなと思ったら10月になってるんだよ」
「お前の時間はどうなってんだよ」

「昔から10月が好きでね」
「まあ暑くも寒くもないからな」
「芸術の秋だからな」
「お前は関係ねえだろうが」
「急に芸術家になれる気がするんだよ」
「急にはなれないんだよ。不断の努力がいるんだよ」
「でも忙しいせいかな」
「忙しくねえだろうよ」

「好きな10月が一番早く過ぎるな」
「残念だな」
「チョコ食って、ラーメン食って、横になって」
「普段通りじゃねえかよ」
「好きなことしてると時間経つの早いな」
「たいしたことしてねえんだよ」
「風呂入って、アイス食って、横になってマンガ読んで」
「結局ぼーっとしてるんじゃねえかよ」

 春夏秋冬と申しましょうか。夏が終われば順番に秋がくるんでございますな。真っ先にくるのが虫でござんす。少し耳障りでもあった蝉の声から、何とも風情豊かな秋の虫たちの声に変わります。それからしばらくしてから、人間たちが朝晩の気温の変化に気づくんでござんす。いつまでも半袖なんて着てられるもんじゃあござんせん。ちょうどこの頃になると夏の疲れがどっと出たりするもんですから、体調管理には十分に気をつけるべきでござんすよ。熱帯夜時代の寝不足を解消し、しっかりと栄養をつけておくんなせえ。何てったって秋は食い物が旨いんだい。ちくわ、たまご、大根、こんにゃく、ゴボウ天、牛すじ、何でもあらあ。うどんもござんす。さーっ、何食うんだーい!

チャカチャンチャンチャン♪

「気づけば11月か。早いよな」
「お前がぼーっとしてるからだよ」
「あれ、もう12月か。超早いな」
「ぼーっとしすぎなんだよ」
「急に寒くなるな。コート置いといてよかった」
「春になったら片づけとけよ」
「どうせすぐ冬がくると思ってたんだよ」
「すぐじゃねえよ。1年経ってるんだよ」

「昔から12月って結構好きなんだよな」
「クリスマスもあるしな」
「何か切羽詰まった感じが好きなんだよ」
「年の締めくくりだからな」
「特別に何かできそうな気がするんだよ」
「大掃除くらいした方がいいぞ」

「あれもしたいこれもしたい」
「欲張っても駄目だぞ。普段怠けてる奴が」
「限られた時間に思いっ切り詰め込めたい」
「無理するなって」
「でもやっぱりできないんだよな。忙しくてさ」
「忙しくないだろうよ」

「芋食って、おでん食って、横になって」
「最後まで同じじゃねえか」
「寝っ転がったらマンガくらい読むよな」
「マンガ置いて掃除しろってのよ」
「たまにはぼーっとする日もあるしよ」
「いつもいつもぼーっとしてんじゃねえかよ」
「また冬将軍来たか。よかった炬燵置いといて」
「いや1年中出しっ放しかよ」

 12月になると急に忙しなくなるもんでござんす。師走という言葉がまた妙に慌ただしく響くものでございます。歳末セールだ、クリスマスだ、大掃除だ、お正月の準備だ。あれもこれも人間まとめてできるもんではございません。月のはじめが気づいた時には折り返し、繰り返し歌を聞かされている内に、クリスマスだ、鶏を食え、雑巾かけろ、年賀書け、餅をつけ、鐘をつけ。何だかんだやろうと思っている内に、何1つろくにできてないということになったりします。最後の最後になってから、突然やろうとするところに無理があるんでございますな。やはり、人間大事なのは普段の行いでございましょう。コツコツコツコツ、コツコツコツコツ、毎日、よい行いを溜めていくことが、ハッピーエンドをつくるのでございます。コツコツコツコツ、オリジナルチキン、よろしいですな。

チャカチャンチャンチャン♪

「おめでとうございますってどうかね」
「最初の挨拶は大事だろうよ」
「この前言っただろ」
「あれから1年経ってるんだよ」
「忙しすぎると1年も早いもんだな」
「お前がぼーっとしてるからだよ」
「いやお前ほどじゃねえよ」
コメント

【新小説指導】恋愛感覚

2021-01-07 04:40:00 | 新・小説指導
あんたの小説
ちょっと見させてもらったけど
あんた葱切っとったな

トントントン
トントントントントントントントントン

何がおもろいねん
えらい言葉を尽くして
葱ばっかり切って

トントントン
トントントントントントントントントン
トントントントントントントントントン
トントントントントントントントントントン
いつまで切っとんねんっ

「主人公はまな板ですか?」

先生にはわからへん
どういうことや
誰に向かっとるんですか?
まあわかりにくい

「わかってもあかんねんで!」

わかる?
わかりきったことなら
もうみんなも知ってんねんから
読者が望むものは何でしょう?

「それは未知との遭遇です」

わかりきったことは十分です
書き尽くされたこともうんざりされる
人と同じでどうないすんの

わかる?

違うだけでもあかんねんで
わかりすぎてもあかんねん

「わかったつもりはもっとあかんで」

楽したらあかん
わかったようなわかってないような
わかるようなわからんような

何かもやもやっとした

もやもやーっとした

「恋愛みたいなもんですな」

好きなようなちゃうような
わかる?
わかったらあかんねんて
ややこしいの

「小説書くのはややこしいですよ」

わかる?
あかんちゅうねん

正解いうのはないわけやから

伝わってますか?

コメント