じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

垣根涼介「室町無頼 下」

2024-06-05 20:00:23 | Weblog

★ 今日は宇治のあがた祭り。塾生は祭りに興じているらしく、塾は開店休業。

★ 時間が空いたので、垣根亮介さんの「室町無頼」下巻(新潮文庫)を読み終えた。面白かった。

★ 室町時代後期。幕府の権威は落ち、民は支配者たちの重税に窮していた。そんな時代、京に二人の豪傑がいた。1人は稲荷大社を拠点に、弱体化した幕府に変わって町の治安をあずかる無頼の頭、道賢。もう1人は、向日神社を拠点とする無頼の頭、兵衛。立場を異にするも豪傑は相通じるものがあると見えて、お互いの腕と才を認め合う関係だった。

★ そしてもう1人。家族に恵まれず、幼いころから棒振りで糊口をしのぎ、棒術の際に恵まれやがては土倉の用心棒となる才蔵という男。

★ 道賢の一味が土倉を襲った際、道賢は気まぐれか、あるいは才蔵に何かを感じたのか、彼の命を助ける。そしてその身柄をライバルの兵衛に預ける。

★ 兵衛は滋賀に住む棒術の名人に才蔵を預け、その腕を磨かせる。決死の訓練の末、才蔵は実戦で活かせる棒術を極める。兵衛はなぜ才蔵に棒術を磨かせたのか。それには理由があった。

★ 下巻に入り、時は風雲急を告げる。兵衛は権力者たちに虐げられた民を率いて一揆を起こす。

★ 豪傑たちが時代を変えるのか、それとも時の流れが豪傑を生むのか。彼らの死の上に時代は移り変わってゆく。やがて、応仁の乱となり、戦国の世が訪れる。

★ 戦闘シーンなど京都の地名が多く出てくる。600年も前の話だが、京都に生まれ暮らしていると馴染みが深く親近感を感じた。

★ 垣根さんの時代小説、次は「信長の原理」(上・下巻)(角川文庫)に挑戦してみよう。

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