見もの・読みもの日記

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関西週末旅行9月編(2)京都国立博物館・陶磁、考古

2007-09-30 23:50:19 | 行ったもの(美術館・見仏)
○京都国立博物館(平常展示)・陶磁、考古

http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html

 週末関西旅行から本日、帰還。いやー奈良博の『美麗 院政期の絵画』がすごかったので、開いた口がふさがらない状態。まず土曜日の京都編を、ピッチを上げて片付けなくては。

 彫刻(仏像)を見終えて、陶磁器の展示室に移動。そういえば、ここもほとんど見たことがないなあ、と思う。まず目に入ったのは、明代の青花(染付)。三国志の一場面を描いた『青花三国志文壺』面白いなあ。筒型の胴にアラビア文字をあしらった『正徳青花アラビア文字文筆筒』。読めないけど、何が書いてあるのだろう? はたして正しいアラビア語なのか?と疑ったが、解説によれば、明代にはイスラム教徒の宦官が多く、正徳年(1506~1521)まで、しばしば宦官が景徳鎮官窯を統括する監陶官をつとめたので、アラビア文字の青花磁器は、正徳年製の染付銘を持つものが多いのだそうだ。それじゃ、現代の東南アジアの日本語Tシャツみたいなわけにはいかないな。

 別の青花磁器の解説によれば、永楽年間以前は無銘のものが多く、宣徳年間以降は製作年の銘が増えるのだとか。ここの解説、簡単だが、初めて知ることが多くて勉強になった。白地に黒が基本の磁州窯について、2つの技法「白地黒釉」と「白地黒掻落し」を並べて、その差異を見せている点もいいと思う。やっぱり、京都はお客さんのレベルが高くて、陶磁器の展示は気が抜けないだろうな。清代の磁器がなく(私は好きなんだけど)、明以前で古様にまとめていたのもそのためか。

 ふと見ると、明るい黄茶色に小鳥の姿が浮き出した小ぶりな茶碗。おお、これは三井記念美術館で見た『鸞天目(らんてんもく)』(吉州窯玳玻釉飛鳥折枝文碗)である。その隣り、兎の毛並みのような細かい文様が美しい『禾目天目(のぎめてんもく)』(建窯黒釉兎毫斑碗)も見た記憶がある。

 隣室は日本の磁器。西洋人のおばさんが「wonderful!!」と少女のようにはしゃいでいたのは、柿右衛門の『色絵花鳥水注』つまり、小さなティーポットだった。確かに、かわいい。そして、どこか西洋人受けするところがあるのだろう。

 次は考古。学生の頃、京博を見学したとき、2階に絵画や工芸があるのを知らず、1階の考古遺物から見始めて、すっかり退屈してしまった記憶がある(当時は、今ほど歴史に興味がなかった)。あらためて見ると、瓦も埴輪も面白い。埴輪の1種、小さな『土馬』は、平城京やその周辺で多く出土しているそうだ。法華寺の犬守りを思わせる。さりげなく、国宝の『金銅小野毛人墓誌』も出ていた。

 2階に続く。
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