DVD番号 TDBAー0094(2枚組)
収録年 1982年
評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 A- 豪華な歌手陣なのにやや軽薄な印象
指揮者 A- ジェームズ・レヴァイン(1943年~ )
管弦楽団 A- ウィーン・フィルハーモニー
合唱団 A- ウィーン国立歌劇場合唱団
ザラストロ A- マルッティ・タルヴェラ
夜の女王 A+ エディタ・グルベローヴァ
タミーノ A+ ペーター・シュライアー
パミーナ A- イレアーナ・コトルバス
パパゲーノ A- クリスティアン・ベッシュ
演出・舞台装置 A+
音 質 B+ セパレーションと解像度不足気味。ややSNが悪い
上映時間 188分(全プログラム)
指揮者のレヴァインはアメリカのシンシナティ生まれで幼い頃から音楽に才能を発揮し、2004年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任している。
この魔笛は1982年8月ザルツブルグの劇場におけるライブ収録で、若干39歳で抜擢されたわけだ。続いて1991年に再度DVDで魔笛を収録している。また、CDでは1980年にスタジオ録音をしている。
音質の方は広くて天井の高い大劇場でのライブ収録ということで、反響音が豊かで臨場感があるが、欲を言えばセパレーションと解像度がもっと欲しい。それにややノイズ(背景にジーといった音が一緒に録音されている)が目立つ。
映像、舞台装置、演出についてはこれで十分だと思う。
歌手についてはタミーノ役シュライアーの舞台姿は最初で最後だが相変わらずの歌唱力には惚れ惚れする。
夜の女王役はこれまたあのグルベロ-ヴァで十分な存在感を示し、彼女の登場で舞台が一気に盛り上がり、超難度の2つのアリアに観衆の感嘆が伝わってくる。鳥肌が立つようなコロラトゥーラで絶好調といってよい。
ただし、ザラストロ役にはもっと声量の豊かさ、パミーナ役にはもっと透き通った歌声が欲しいが欲を言えばきりがないだろう。パパゲーノ役は熱演でこれで十分である。
これだけの歌手陣をそろえ、しかも不世出の演出家ポネルが手がけた豪華な衣装と華麗な舞台装置と充実した演出、これで総合A+でないとおかしいぐらいだが指揮者のレヴァインはどうも性に合わない。やや軽くてドライすぎる印象を受けてしようがない。
タミーノとパミーナ