「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魔笛視聴コーナー~DVDの部~♯12

2007年05月26日 | 魔笛視聴コーナー~DVDの部~

DVD番号     OA0886D
収録年       2003年

評価
(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)

総   合     A+   音楽、演劇、豪華な舞台装置による上質の魔笛

指揮者       A+   
コリン・デイヴィス(1927~  )

管弦楽団     A-    コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団

合唱団       A-       同上 合唱団

ザラストロ     A-   フランツ=ヨーゼフ・ゼリヒ

夜の女王     A+    ディアーナ・ダムラウ

タミーノ       A-   ヴィル・ハルトマン

パミーナ      A-    ドロティア・レシュマン

パパゲーノ     A-    サイモン キーンリーサイド

演出・舞台装置  A+

音    質     A-

上映時間     185分(本編164分、字幕英語)

ロンドンのコヴェント・ガーデン王立歌劇場でのライブ収録で、演劇の面からも音楽性の面からも上質の魔笛だった。

音質の方はややこもった印象を受けるのが玉に瑕だが、セパレーション、奥行き、清澄感いずれも及第点で、加えてこの歌劇場にふさわしい豪華な舞台装置と非常に手の込んだ演出によりまるで夢のようなメルヘンの世界に誘われる。

序曲の最初の和音が鳴り響いたときに、1984年のCDの音が蘇ったが、指揮者デイヴィスは19年間のブランクを感じさせず、むしろ上回るほどの出来栄えで、リズムとテンポが実に快調でオケも大編成で良く鳴っており、厚み、多彩な管楽器(使い方が実にうまい!)、大太鼓の迫力、スケール感いずれも会心の仕上がりだろう。

近年の古楽器的演奏に影響を受けることもなく、まったく彼独自のスケールの大きい堂々とした魔笛ワールドともいうべき世界を築いていて、円熟の境地に達しておりやはり当代最高のモーツァルト指揮者といわれるだけのことはある。

歌手陣も、現代最高の歌手達がそれぞれの役柄にピタリと収まって最高の力量を発揮した印象だ。DVDの場合、容姿の面が無視できないので歌唱力が二の次になるケースが多いがこれほど粒がそろった歌手陣も珍しい。

パミーナ役のレシュマンはアバド盤(CD)では感情過多が目立ち、この盤でもややオーバー気味のところもあるが抒情味溢れる歌唱だった。魅力を引き出すのも指揮者の手腕だろう。

魔笛のDVD盤は本当にピンからキリまであるが、これはベストの部類に入り映像、音質、演出、舞台装置、音楽性のいずれをとっても今のところこれ以上の魔笛は必要がないと思うほど。

なお、このデービス指揮の魔笛は2007年4月30日未明にNHKBS2の「クラシック・ロイヤルシート」で0:55~4:30まで放映された。もちろん、自宅で最高画質・音質のXP(32)のハイスピードでDVD3枚に亘って録画したので早速このDVD盤との比較試聴を行った。

画質の差はそれほど感じなかったが、音質の差は歴然としていた。1枚に収録した市販のものと3枚に分けて収録したものとの差は明白でBS放映を録画した方がずっと良かった。

事前に放映が分っていれば高いお金を出してDVD盤を購入することもなかったのに!

                     
                      王立歌劇場        パパゲーノとパミーナ     

                 
        夜の女王の登場      ザラストロの登場       エンディング
         










 

 

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