以前といっても2~3年前の話だが「眼光紙背に徹する」ほどに真空管・ネットオークションを見入っていたものだが、このところとんとご無沙汰気味である。
ほぼ欲しい真空管は既に手に入れており、スペアも確保しているという安心感もあるし、それなりのブランドであれば音質的にそう大きな差も無いだろうというのがその理由。
ところが、やっぱり認識が甘かったようだ(笑)。
このほど真空管が音質を大きく左右することをつくづく思い知らされた実例を2点ほど挙げてみよう。
スピーカーに「AXIOM80」を使っての話である。
✰ 71Aシングルアンプのケース
出力管に「71系」を使ったアンプだが、出力はわずか1ワットにも満たないのにこのくらい音の素性がいい球も珍しい。音のスピードは速いし、嫌な響きを出すこともいっさい無い。まず、生きてる限り絶対に手放せないアンプである。
ただし、オークションで手に入れたときの当初の仕様には飽き足らず2点ほど改造している。
一つはインターステージ・トランスの挿入、二つ目は前段管を「6SN7GT」から「A411」(ドイツ製:バリウム昇華型フィラメント)仕様へと改造している。これで見違えるほど気に入った音が出てきた。
それはともかく、改造後はずっと出力管に「171」(トリタン・フィラメント)を使っていたのだが、ときどき音が「かすれ気味」になってきた。
息も絶え絶えというか、何しろ1920年代の製造でおよそ100年前の真空管だからそろそろ寿命がきてもおかしくない。
そこで、「171」の芳醇な音に大いに未練を残しながら、仕方なくレイセオンの「71A」(ST管:赤ラベル)に交換したところ、これがまあ段違いの音になったのである。
高域方向への周波数レンジの広がりや繊細さとともに、「AXIOM80」独特のボーカルがちょっと鼻にかかって抜けていくような「得(え)も言われない」魅力的な音に変身した。
いかに名管「171」といえどもヘタってしまうと「老いては駄馬」ですかねえ。
「老兵は死なずただ消え去るのみ」(マッカーサー)の一幕でした(笑)。
おっと、もうひとつ大切なことを忘れていた。
整流管についてだが、いつも使っているSTCの「80A」から「北国の真空管博士」ご推奨の「83V」(刻印)に代えたところ情報量が大いにアップしてうれしさのあまり小躍りしたことを付け加えておこう(笑)。
✰ 6098シングルアンプのケース
忘れもしない今から3か月前の5月20日に我が家に到着したアンプである。当初は試聴用として送付されてきたものだったが、我が家の既存のアンプにはない「元気溌溂さ」がとてもユニークだったので、購入を決めたものだ。
あえて区分すれば上記の「71Aアンプ」が「音楽的」だとすれば、このアンプは「オーディオ的」だと言えるかもしれない。
周波数レンジも広く、どこといって音質に不満が見当たらないアンプで、これほど改造する気が起こらないアンプも珍しい(笑)。
ただし、このアンプはインターステージ・トランスが入っていない分、前段管次第でころころと音が変わる。
当初に付いていたシルヴァニアの「6SL7」は我が家のシステム環境ではイマイチだったので、以前のブログにも記した通り、GE、RCA、ムラード、STCなどの銘柄を次から次に実験したうえで最終的には「STC」の「CV569=ECC35」に落ち着いた。
この球でずっと来ていたのだが、この頃やたらに音がキンキンして跳ね上がり気味の感じでどうも聴きづらくなってきた。
おかしいなあ・・・。
そこでムラードの「ECC35」に換えてみたところ、キンキン感がすっかり納まって魅力的なムードに大変身!
「あのテストの時に私は狂っていたとしか思えない」(笑)ほどの変わりようで、この音なら「ウェストミンスター」でも十分通用すると思い、切り替えたところベスト級と唸るほどだった。
STCもムラードも英国製の名だたるブランドだが、当初と比べてどうしてこんなに印象が変わったのだろうか?
さしあたり、思い当たる節を挙げてみよう。
1 6098アンプのエージングがすっかり完了して、前段管とのマッチングが変化した
2 DAコンバーターの電源を「200V → 100V電源」から「リチウムイオン電池」に交換して音が様変わりしたのも一因か。
3 身体の健康度合いが改善し、それに応じて気分が晴れ晴れとして万事に前向きになってきた
以上ぐらいですかねえ・・・。
3については本人の健康状態が聴感に及ぼす影響が無視できないので解説が要りそうだ。
以前のブログにも記載した通り、8月上旬の検査で持病の血糖値がハイになり過ぎてしまい慌てて本格的に改善に取り組んだ結果がどうやら功を奏したようなのだ。
たとえば、ここ3週間ほど午前と午後の運動量を2倍にし、間食をいっさい止めるを忠実に実行。
そして「免疫力」を強化するために5つの食品を摂っている。具体的に紹介したいところだがいかにも「健康オタク」みたいで気恥ずかしい(実際にそうだが~笑~)。
もし興味のある方はメール(メルアドは自己紹介欄)をください。詳しくお知らせします。
というわけで、もし、ご高齢の方で現在の音質にご不満があるという方は機器類の交換よりも先に、まずは己の健康改善に取り組まれることをお薦めします(笑)。
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