周知のとおり、プロ野球の場合シーズンを通して「本拠地」(ホームグラウンド)と「敵地」(アウェイ=Away)の交互で試合をしている。
つまり、本拠地を根城に行ったり来たりしているわけだが、我が家のオーディオにも本拠地があることに、つい最近気が付いた。
どういうことかというと・・。
常に6系統のスピーカーに囲まれて毎日ルンルン気分だが、どうやら一定のパターンがあるようで、たとえば「JBLのスピーカー」を1週間程度聴くと、ウェストミンスターが聴きたくなる、そして1週間ほどするとグッドマンの「TRIAXIOM」を聴き、しばらくしてから再び「ウェストミンスター」へ戻るという繰り返し。
つまり「ウェストミンスター」が心理的にホッとする「本拠地」になっているというわけですな(笑)。
やはり、大きな箱じゃないとどうしても安心できない音があるみたいですよ。
で、このウェストミンスターについては先日のブログ「ウィスキーとバラの日々」で述べたように、「200~1000ヘルツの間に・・」と、要らんことを書いたばかりに「自縄自縛」になりやむなくクロスオーヴァー(以下「クロス」)を200ヘルツに設定したが、実はもうひとつの方法がある。
つまり、今度はクロスを1000ヘルツ以上に設定するやり方。
で、この際だから申し述べておくと市販のスピーカーを使用されている方にとっては未知の世界だが、「クロス」の設定に無縁の方はオーディオの楽しみを半分ほどしか味わえない方だと思っている。
なにしろ、設定値次第でアンプを代えたぐらいの変化があるのだからたまらない。
我が家の基本形は「フルレンジ+ツィーター」あるいは「フルレンジ+サブウーファー」だが、このウェストミンスターに限っては無限の可能性を秘めているので例外措置扱いにしている。
で、今回の実験は次のとおり。
まずは「銅箔コイル」(1.2mh(ミリヘンリー)で、1500ヘルツあたりで「ハイカット」(-6db/oct)する。
次に「高音域」を受け持つJBLの「175ドライバー」について、これまでは弁当箱のような大きさの「コンデンサー」(22μF(マイクロファラッド)を使って、900ヘルツ(-6db/oct)ローカットしていたが、今回はウェスタン製の「オイルコンデンサー」(10μF)を使い、2000ヘルツあたりでローカットした。
アンプは低音域用を「PX25シングル」、高音域用を「71Aシングル」で駆動。
そしてワクワク・ドキドキしながら出てきた音と言えば・・。
後はご想像にお任せします(笑)。
ちなみに試聴盤は「大公トリオ」(ベートーヴェン)でした。
あの「瀬川冬樹」さんが「大公トリオ」を聴かれながら、感動のあまり「ウ~ン」と頭を抱えて座りこまれたという逸話を読んだことがあるが、おそらく「第三楽章」(終盤のヴァイオリンからチェロに引き継ぐ部分)ではないかと推測している。
この曲には不思議なことにベートーヴェン特有の「音楽はあらゆる知恵や哲学よりも高度な啓示である。さあ、俺の音楽を聴け!」という「気負いや押しつけがましさ」が無いですね。あの交響曲「第6番」(田園)も同様です。
至高の名曲だと思うけど、皆様はいかがかな~。