「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

持ちつ持たれつの関係

2015年12月15日 | オーディオ談義

このところ「どうしても聴きたい音楽」というのが段々と少なくなってきているように思う。若い頃のような瑞々しい感性が薄れてきたこともあるだろうし、耳に倦んできたせいかもしれない。少なくとも手持ちのCDの中にはあまり見当たらないので、今回の試聴会にあたり事前に仲間たちに次のように訴えた。

「お見えになるときに、お気に入りのCDを持参してきていただけませんか。どうもこの頃、我が家のCDを聴く意欲が薄くなってきて困ってます。一方ではオーディオ弄りが自分でも目に余るほどです。これでは単なる音キチになりそうで怖いくらいです。」

すると、やはり仲間はありがたい。ちゃんと答えが返ってきた。

「音楽とオーディオは持ちつ持たれつですよ。極端に言えば音楽だけを聴くのであればラジカセで十分でしょう。いい音楽を好きな音で確認する、好きな音をいい音楽で確認する。いわば相互作用みたいなものです。音だけを目的にすると歪(いびつ)な方向に行ってしまいますよ。オーディオが長続きしない連中を何人も見てきましたが、すべて好きな音楽というものが不在でした。」

やはり、根元に好きな音楽があってこそオーディオという趣味が成り立つのだろう。

前置きが長くなったが、そういうわけで今回いろいろとテスト用のCDを持参してきてもらった。

「10ライブwestern sound」(オムニバス版)、「ギター エッセンシャルズ」(ギターの協演)、「モニカ・ウィズ・ビルエヴァンス」「疑似マスターテープから直接CD化したジャズ」など、クラシックからジャズまで、楽器の方もボーカルからヴィオリン、ピアノ、ギターまでほとんどが網羅されている。

いずれも優秀録音ばかりだったが、これらのCDを中心にシステムごとに聴き比べした。

まずは最初のテーマから。


☆ グッドマンのSPユニット「AXIOM300」の試聴結果について

結論からいくと大好評だったが、まず聴いていただいたシステムのラインアップを紹介しておこう。

dCSの「CDトランスポート」と「DAコンバーター」 → 「大西工房製プリアンプ」 → 「パワーアンプ:PP5/400真空管シングル」 → 「AXIOM300」(口径30センチ:ダブルコーン・フルレンジ)

初めだけはせめて手持ちのSACDをというわけで、女流ヴァイオリニストのシュタインバッハー弾くところの「ヴィオリン協奏曲」(モーツァルト)を鳴らしてみた。ファースト・インプレッションという大切な役割を担っていたが、見事に合格。

音の奥行き感といい、朗々たる音の豊かさといい、素晴らしい出来栄え。「ウ~ン、これはいいですね!」という、たしかな手ごたえがあった。

日頃、パワーアンプの出力管は「PX25」(ナス管)を使っているのだが、今回はSさんたってのご所望で「PP5/400」(英国マツダ)の出番となった。この球は製造時期によって初期、中期、終期に分かれるようだが、初期版が最も音がいいとされている。今回使用したのはその初期版だが、3本しか持ってないので日頃はもったいなくてとても使う気になれない(笑)。

しかし、さすがに「PP5/400」だけあって、中低音域の図太さがPX25と比べると月とスッポンみたいに違う。これほどとはと、我ながら驚いた。

「以前のフィリップスのユニット(フェライト・マグネット)と比べるとやはり相当違いますよ。さすがはグッドマンですね~。使用するアンプとの相性もいいです。これで決まりでしょう。」と、Sさん。ちなみにSさんは「PP5/400」を数ペア所持されているほどの大ファン。

Kさんからも「PP5/400は初期版に限ってですが、出力管の王様だと私のアンプのお師匠さんが常々言ってますよ。」

         

ドライバー管は「レイセオンの71A」、整流管は「274B」、UTCのドライバー・トランス仕様というシンプルなツクリ。PP5/400の管頂には「MAZDA」のプリントがまだはっきり見えるので、程度の方も極上である。

ギターのテスト盤をひとしきり聴いてから、Sさんのご所望で今度はスピーカーを「AXIOM80」に切り替えた。同じグッドマン同士なのでいい勝負だろうと聴かない前からおおよそ分かるが、一同興味津々。

「生の音よりもギターっぽい音がしますね。さすがにAXIOM80です。弦の細かい震えの再生となると、やはりこのユニットの右に出るものはないですよ。」と、Sさんの言葉に全員納得。

線の太さが所望なら「AXIOM300」、緻密な再生ということになれば「AXIOM80」ということになる。

「AXIOM80」をそのままで今度はアンプの方を代えてみましょうか、というわけで出番が回ってきたのが、「71Aシングル」。我が家では「PP5/400」アンプと並んでエース的な存在。

         

以下、続く。
 


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