「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「マンション住まい」のオーディオ

2012年09月05日 | オーディオ談義

別府の片田舎から都会に出てくると、さすがに空へ、空へと伸びる街並みの立体感に驚く。8月31日から2泊3日の小旅行で福岡を訪れた感想が先ずこれだった。しかし、元々、福岡生まれの福岡育ちなので久しぶりに来てみるとやはり懐かしい。

この7月に大阪から福岡に転勤になった娘が住むマンションは「博多駅」から地下鉄で10分ほどの駅の近くの閑静な住宅街にあったが、見渡す限り周囲は高層マンションばかりで、これら
を眺めていると都会に住むオーディオマニアはマンション住まいがかなり多いのではなかろうかと、改めて思ってしまった。

比較的、気兼ねなく”デカイ”音を出せる「一戸建て住まい」と「マンション住まい」とでは、オーディオに対するアプローチも随分違うことだろうと推察する。

自分の場合、日頃からエネルギー(汗と涙)の7割近くを低音域に傾注しているが、後者の場合だといったいどういうところにポイントを置くんだろう?

もちろん、どちらが「いい、悪い」ということではなく、「音の姿」として「ピラミッド型」と「細長い2等辺三角形型」に分けられるとすれば、それぞれに応じた「スタイル」で楽しめばいいだけの話だが。

後者の場合はボーカル、室内楽などの小編成にはもってこいに違いないし、むしろ大型システムよりもシンプルなシステムの方が聴きやすいこともあるので、オーディオばかりは格差社会がそのまま通用しないところが実に面白い。

さて、先日、娘にトレードしたオーディオ・システムの実際の設置状況がこの画像。

                 

(トレードに)該当するのは中央の下方にある白い色の機器でアッテネーター(左)とアンプ、そして左右両端のスピーカーと合わせて三点セットだが、いずれも小振りなのでこの部屋のスペースにまさに”おあつらえ向き”だった。

初めにテレビの音を聴いてみたが、たしかに娘が嘆いたように非常によろしくない。すごく聴きづらいのでいったいどこにスピーカーが付いているんだろうと調べてみると、なんと画面の両端の真下から床に向けて音が出ていた。

こんなことをしていたら指向性に乏しい低域はともかく、中高域の音は完全に”ぼやけて”ひどい音になるはず。今どきのテレビはコスト優先のためにこんな”あくどい”ことをやっているのかと驚いたが、「音にうるさい人は別途お気に入りの音響システムを購入してください」というメーカーの思惑があるのだろう。そうとしか考えようがない。

しかし、(メーカー期待の)5・1チャンネルも映画鑑賞などでは威力を発揮するんだろうが、「音楽」を鑑賞するとなるとちょっと思案橋ではなかろうか。

その昔、オーディオメーカーや評論家に踊らされて「4チャンネル」を試したことがあり、結果的に「ひどい目」にあったので、今でも多チャンネル方式ばかりはもう”懲り懲り”の思いがしている。

音は空気の振動による「波紋」だからいろんな方向から聴取者に向かって(波紋が)押し寄せてくると音の洪水になって溺れてしまいそう。ふと、音が鳴り止んだときの深い静寂感とか大切な音像定位などがどうなるか、およそ想像がつく。

ここで音響実験を二つほどやってみた。

☆ ケーブルの交換

娘に内緒で自宅から運んできたのが「PAD」のケーブル2ペア(画像:左)。娘が現在使っているのは、ごくありふれたピンケーブル。(画像:右)

           

「PAD」のケーブルはずっと昔に購入したものだが、ちょっと理由があって今は使っていない。娘が拒否反応を示せばすぐにでも引っ込めるつもりだったが、「現在使っているのは長すぎるし、使わないのに黄色の(映像)ケーブルが付いているのはイヤ」というコメントで予想外の歓迎ムードにほっと一息。

交換してみると、テレビの音ではちょっと分かりずらかったが、(ブルーレイで)CDを聴いてみると明らかに情報量が増えた印象を受けた。「アッ、音が良くなった気がする!」と娘。

☆ スピーカー台

(最初の画像の)システムの設置状況を見て、オーディオ・マニアならピンと来られたと思うがスピーカーが床に直に置いてある。これは明らかに”ご法度”で絶対に改善の必要あり。1日(土)にショッピングに出かけた際に「鉢スタンド」を2個購入して敷いてみた。

                               

これで「音」も「見かけ」も良くなって一挙両得。ちなみにこのスタンドは1個100円なり。

このオーディオ・システムの将来の発展性として考えられるのは、真空管アンプの導入とスピーカーの交換ぐらいだろうか。手持ちはいくつかあるが娘の意向次第なのであまり押し付けるわけにもいかず、当面そっとしておこう。

最後になったが、1日(土)の夜は香椎の海浜で恒例の花火大会(20時~21時)があった。カミさんの実姉が香椎に住んでおり、招待を受けたので3人で行ってみた。香椎の海浜といえば松本清張の名作「点と線」の舞台となったところ。

                 

夏の夜空で華やかにパッと咲いては潔く散っていく花火を見ていると、つい、限りある生命の”はかなさ”を思いやった。

そこで一句、
「面白うて やがて悲しき 夜の華(はな)」

「夜の華」を「鵜舟かな」に置き換えると長良川(岐阜県)で詠んだ芭蕉の名句となる。これは明らかに盗作だ(笑)。

帰りのJRは花火客のために大混雑で最初の便は乗れなかったほど。マンションに帰りついたのは22時40分頃で、今日1日で歩いた距離は何と1万3千歩に達した。

都会はやっぱり疲れる~!
 


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