経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

情報収集のコツ

2006年10月22日 | Weblog
情報収集について、一言。三言。
情報、意見の本質は、バラバラや違いにある。そうでなかったら、改めて収集する必要はないからである。だからまずは違いその”もの”の違いを認め、ただ並列すればいいのであって、評価は禁物である。またそうでないと情報や意見は集まらない。集まっても、後述するが偏ったものになる。

要は、日常性、普遍性の高いところでの違い、変化を見逃さない。逆に言えば収集のレベルで特殊性、特異なものに偏重しないこと。まずは数の多さ。違いを見つけて数を集める。これが第一義になる。
英国製の高級スーツを身につけた人や著名人のいう情報に重きをおいて、作業着の人や中学生の言うことは軽視する、といったことがあってもならない。情報は収集レベルでは、皆、平等。並列する、というのはその意味である。

「人間、考えること、結局はみな同じ」といったことでは、情報はあつまらない。その意味で、「ごもっとも」、とか「同感です」と、社長の意見に右ならいであれば会議は意味をなさない。

情報や意見は、「判断」の材料なのである。少なければ、「判断」に偏りが出る。だが実際現場を見ていると、上位者が自分の考えや思いと違う異見がでると、「それは違う」とジャッジしている。判断、というより私見、先見で、はねて材料を減らしたり、自分の考えに集約したりしている。だから自分と同じのが出てきたら、「そう、そう、それはいい」と嬉しそうな顔をする。気に入らないのがあると、「なんじゃこれ」、「誰だ、こんなつまらんこと書いたのは」と怒鳴る。だから次からみなそのトップと同じ意見しか言わない。そうなると今度は「うちの連中、おとなしくて困る。もっと積極的に発言して欲しいものだ」などといっている。
 
 「社員の意見など聞いているようなトップはダメ社長だ」といったことを、N社主催のセミナーで、あるタレント社長が行っていたがどうだろ。私には、彼こそダメ社長と思える。(事実、彼の会社は現在再建中である)。戦略にもとづく決断はトップが成さねばならないが、意見、情報は広く多くの人から集める。社員が100人いて、1つ異見を出したら100になる。101の材料で作る料理と、1つの材料で作ったものでは、どちらが勝るか。

 どんなすばらしいトップであろうと頭は1つ。目は2つに耳二つ。孟嘗君は食客を2千人かかえていたのは、2千と4千の目と耳からの情報と意見を収集し、1つの頭で決断するためであったことは知られるところである。

 様々な人の意見を聞く。なにげない日常性の情報を見逃さない。こうしたことが、トップの情報収集のコツと、考える。