経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

日常での企業の見方

2006年10月18日 | Weblog
 ここ数回。思いつくまま、日常で誰でもできる企業の見方について記している。本稿もそれを続けてみたい。

経営に当たって理念、戦略は必須である。がその前提として、人としての必須として、たとえば信念、ロマン、明るさ、誠実さ、こうしたものが不可欠であろう。
 
これを別の側面からいうと、経営を知る前に人間を知る。経営書にむしゃぶり着く前に、小説、歴史書。頭から入るのではなく、足から入る、こういった素地の部分を養生しておく。
 
企業に不可欠な、理念にしろ、戦略にしろ、そうした人間的な素養が大きく影響するからだ。経営理念は、企業なり組織のいわば壁紙。見るものが反発をかったり、暗い気持ちになったりであってはならない。

戦略は択一。択一にはその基準が不可欠である。その基準は企業の論理以前に、人間としての基準が優先されるのは当然である。さらにこの戦略思考が無ければ、その場、その場の内の問題では、自己の、組織の、あるいは従業員の受けの良い事だけをやるご機嫌取り、外への問題としても、株主などの関係先、ときとして消費者にへつらう経営になってしまう。

消費者に一時的には受け入れられないこと、反対されるようなことでも、さらに自社に短期的には痛みがあろうとも、真に消費者の為になる経営のあり方、そうした骨太の経営。それをやれるには、揺るぎない人間としての理念・信念、将来(さき)を見据えた戦略が、不可欠だ。

こうしたことを、頭に置き、今の企業を診てみたら、将来に残る企業とそうでない企業が、経営者としての日常の言動、立ち振る舞いの中から、おぼろげながら判別できるのではなかろうか。