赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

村上雅郁さん、新作『かたなのif』

2024-06-17 08:47:22 | その他

村上雅郁さんの新作がフレーベル館から発売されました。

若い人から指示されている、人気作家さんです。また、児童文学の中では、数少ない男性作家になります。

不思議な出会いと喪失が、やわらかな表現で書かれた作品。ifは、イマジナリーフレンドのことのよう。子どもの頃とかに一時的にその子の友だちとしてあらわれる存在。

児童文学ではよく扱われた題材です。

でも、今回は、そこからさらに、不思議は発展していきます。

まず、おどろいたのは、中盤。ネタばれになるので書けないのですが、え、え、そうなの!!!、どういうこと?という驚きの展開があります。

ここはほんとぎょっとしました。

その謎解きに、夢渡りというものが使われるのですが、多少、こじつけに思えるここを、作者の友だちを思う強い気持ちに後押しされてみごとに書き切っています。

このあたり、作家としての実力がついてきましたよね。

でも、わたしは最後の三〇ページがいいと思いました。

友だちとの関係をもう一度考えようとする香奈多に心が熱くなりました。

とはいえ、村上さんは若い作家。

ただいも(←ただいま、のこと)とか、いもいも とかいうノリは、時々、わたしはちょっとついていけない…… (ごめんなさいね)

でも、それが今の中学生のリアルで、だからこそ、多くの人に支持されるところなんでしょうね。

読み終わったあと、頭がやわらかくなったような気がしました。

フレーベル館から絶賛発売中です。

 

また、わたしの本もついでによろしく! 

紀伊國屋書店、国分寺店で平積みにしていただきました。ありがとうございます。

 

 

 

ノンフィクションの力

2024-06-14 18:37:51 | その他

 

田沢五月さんが書いた、ノンフィクション、『海よ光れ 3・11 被災者を励ました学校新聞』を読みました。

これは今年の課題図書に選ばれています。

岩手県の山田町をおそった津波は、たくさんのものを飲み込みました。

大沢小学校では、避難訓練もしていたため、学校に逃げて、小学生は無事だったそうです。

学校は、避難所になりましたが、しばらくは援助もこないで、寒い中、たいへん不自由な日々をすごされたようです。

それを子どもの視点でみごとにノンフィクションで書き切っています。

ノンフィクションは、当人たちを説得するのが大変です。田沢さんが同じ岩手の方なので、取材を受ける小学生も気おわず話せたのかもしれません。

震災の話なのですが、暗いばかりではあいません。子どもたちがなんとか大人を助けたいと動くすがたがなんともけなげです。

こんなすてきな小学生がいるのか!と胸があつくなりました。

そして、手作りの新聞です。海を光れは、学校新聞の名前でもあります。

いくつもの実際の学校新聞が、この本にはのっています。くるしいときも、震災にあった人たちをはげましたいと、新聞をつくるのをやめなかったそうです。その新聞がまた、みごと。内容も小学生らしく、あたたかいんですね。

なんとも心があらわれた気持ちになる一冊です。

この本は去年のサピックスの課題図書でもあります。おすすめです。

課題図書でもあるので、ぜひ、読んでみてください。


重版出来

2024-06-12 09:58:00 | その他

『AIマスクはいかがえすか?』の重版ができあがりました。たくさんすっていただき、ありがとうございます。

この重版は「さぴあ作文コンクール」の推薦に決まったおかげです。SAPIX小学部 | さぴあ作文コンクール (sapientica.com)

ぜひ、感想文、挑戦してくださいね。

どのAIマスクが好きだったか? どんなAIマスクがほしいか、自由に書いてください。

ただ、今、ネットの書店では売り切れ状態になっていて注文できないようです。

たまたま注文が重なってしまったようです。

今、在庫をネット書店にもまわしてもらうそうなので、ちょっとだけまって、また、見てください。

 

あと、これからのわたしの新刊情報ですが

秋に二冊、出版できるようです!! いちおう、どちらもすてきな画家さんが決まり、今、絵を描いてもらっています。

あと、国土社の幻獣シリーズの続きもあり、こちらも絵を描いてもらってるのですが、これは出版時期がペンディング状態。

また、発表できるようになりましたら、発表します。

 


柳亭市若 落語会

2024-06-09 10:22:57 | その他

 昨日は、落語会に行きました。

柳亭市若さん。名前から推測されるように、柳亭市馬さん(落語協会理事長)のお弟子さんで二つ目です。

なぜ、この方の落語会にというと、なんと、児童書の翻訳や紙芝居の普及出活躍の野坂悦子さんの息子さんなんですよ。

経歴を見ると、大学までは理系のようです。それが落語家って、なんかおもしろい。会社員も経験されているようです。

落語は語り口がやわらかで、声がいい。落語向きですよね。

聞いているだけで、のびやかな気分になれる、気持ちのいい話し方で、三席やってくれました。

古典落語のおもしろさを堪能しました。写真もとってくれました。

市若さん、大きかった。大きな芸をめざしてください。

この落語会、児童文学作家の友だち、Hさん、Tさんがさそってくれたので、行けました。

野坂さんからは絵本ももらっちゃって、ありがとうございました。

終わったあと、おしゃべりもできてたのしい一日でした。

帰りは外国人も多く行き交う谷中を歩き、日暮里駅に。

駅は新しく暮という字が猫耳になっていました。


おおぎやなぎちかさん、俳句絵本

2024-06-05 08:41:25 | その他

おおぎやなぎちかさんが、新刊をだされました。絵本です。

わくわくもりのはいくえん 『おともだち できるかな?』 国土社。

おおぎやなぎちかさん、大活躍ですね。

保育園ではなく、はいくえんなのですね。そこがおおぎやなぎさんらしい。

おおぎやなぎさんは、わたしの俳句の先生です。

今回の本が、「はる」となっているので、このあと、夏、秋、冬と続くのでしょう。

保育園に行ってるくらい、初めて字をおぼえるくらいの年齢にむけて、ストーリー仕立てで俳句のことを楽しく説明しています。

中にでてくる、動物たちがつくる俳句がとても楽しい。さすがですね! こんな俳句がつくりたいですね。

 

そういえば、わたしも俳句、週末にひとつ、〆切りがあります。

でも、この頃、いそがしくて俳句の頭になっていなくて、どうしよう……って思います。

思いつくと、ポンポンといくのですが、いったん、長文の文章になると、俳句がぱったりでてこなくなったりします。

秋に出版の高学年ものにかかりっきりだったので、頭がそっちにいってしまっています。

なんとか切り替えてつくりたい。

おおぎやなぎさんは、こういうときも、ぱっと切り替えられるんだろうな。

 

さて、去年は咲かなかったあじさい。今年はきれいに咲きました↓ うちには、4種類のあじさいがあって、今年は全部咲きました。