赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

この頃、本の帯が大きい……?

2014-02-27 07:07:21 | 日記
母の病院待ちで時間があいて、一般書を読みたくなって、西加奈子の新作『舞台』を買いました。
西加奈子は、ずっと気になっていて、初めて手にとりました。手にとったわけは、字が大きくてすぐに読めそうだったから(^^;)

この本、本の半分くらいの帯がついていました。王様のブランチで評判という帯です。
で、思うのですが、この頃、帯が大きいです。『紙の月』角田光代の時もそうですが、家々の情景がかかれたきれいな絵なのですが、それがほとんとかくれるほど大きな帯がつき、テレビドラマの原田知世のアップの帯がついていました。原田知世は好きな女優だけど、装丁家が最初に考え、編集者が頭をひねって考えた言葉がのっている帯がわたしは好きです。
この大きな帯、人の目をひくためのしかけでしょう。今、きっと流行っているんですね。
以前、佐藤多佳子の『一瞬の風になる』が売れている時は、それに似た装丁(人がいない風景の中、タイトルが小さい)がたくさんでたりしましたものね。

で、『舞台』は、一気に読めておもしろかったです。
自意識の高い主人公の愛読書は『人間失格』。
あこがれのニューヨークでほんのちょっとうかれたばかりに、すべてがはいったバッグをとられてしまう。
そこからがこの作者の描き方がおもしろい。だって、そのカッコ悪さをさらけだせず、なんでもないってふりをして笑ってしまった、ということです。
常に正解が知りたい主人公は「好きにしろ」っていわれると、大変困るとか。
みんな人生の舞台で、演技しているのだろう、という作者の視点は共感するとともに、少しうすら寒い気もしました。
でも、作者がからっと明るいので、作品全体も明るいです。すごーく困っているはずなのに、どこかほのぼの。
ほほえんでしまいます。これがこの作者が読まれている理由でしょうか。
西加奈子、もっと手にとってみたくなりました。
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