日本児童文学者協会・新人賞を受賞された『かすみ川の人魚』を読みました。
少年とふしぎな人魚とのかかわりを描いた作品。文章がうまく、一人称で、少年の気持ちをていねいに書いて、行間に奥行きをかもしだしています。
友だちが少ない主人公の少年とその友だちでもの知りの千秋がとてもよく造詣されていて、雰囲気は翻訳作品を読んでいるよう。(←これ、ほめ言葉のつもり)
それにくらべ、人魚の描写は少ないように思いました。でも、それがかえって、少年から見た人魚像のようで、読むほうは自由に想像できる余地でもあり、この作品では効果的だったように思います。
最後まで人魚の存在はなぞを残しますが、そのあたり、余韻が残ります。全部書けばいいってもんじゃないって、教えてもらったようでした。
ちょっぴりどきっとする展開もあって、こうなるか、と思わされるうまさもありました。
若い作家の作品。ぜひ、読んでみてください。
この作品関連で思うのですが、水があるところって、特別な気持ちになりますよね。
ファンタジーでも橋とか湖とかよくつかわれます。
かすみ川は実際にある川がモデルのようだと聞いたことがあるのですが、うちの近くにも姿見の池というのがあって、わたしの散歩コースです。
この前いって、水がきれいになっていてびっくりしました。写真に映して、木々がうつっているでしょ? 前はもっと汚れていたのに。
黄色い菖蒲の花もたくさん咲いていました。
いつかこの池を舞台に作品を書きたいと思っています。でも、なかなかとりかかれないんですね。
今、わたしは、講談社さんの企画ものに取り組んでいて、うーんとうなったり、どうしようと首をひねったり。でも、知らないことを調べて書くのはわくわくする部分も多いです。
そうそう、日本児童文学学校、第2回目も無事終わりました。石井睦美さんのお話しは、作品そのものの雰囲気と奥行きがあって、感激しました。
そうですよね。書くしかないですよね・・・・(←自分にもいいきかしている)
ちょっぴりアクシデントもあった2回目ですが、反省するところは反省して、気をひきしめて、次にいきたいと思います。