森川成美さんが新刊をだされました。「こんな部活あります」シリーズで生物部を書いています。
生物部を選ぶというのが森川さんらしい。そして、ぴったりあっています。
研究のしかたなど、わたしはちんぷんかんぷんなのですが、わかりやすく書いてくれて、こういうことをするのかとよくわかりました。
解剖は、したい人、したくない人、いそうですよね。でも、そこを書くのが物語としておもしろい。
部活って人間関係をはぐくんだり、悩んだりする場でもあるけど、それもよく書かれています。
とくに気にいったのは、「自分の中に強くてゆずれない部分があると、どうしても、人とうまくやっていけないんだよね」
これって、時々、かんじますよね。
あと、人はみんなちがう感覚で世界をみて生きているんだもん。隅から隅までいっしょの考えになることないんだし。
と、あかねが姉にいうラストのシーン、とてもいいと思いました。
姉妹の中で育った森川さんだからこそ、書けたのかもしれません。
このシリーズ、いろんな部活が紹介されるようですね。
わたしは残念ながらたのまれていませんが、もし、たのまれたら、落語部を書きたいかな、なんてね。
今日は冷たい雨。どうか、桜が散らずにもう少し残りますように。
いつも桜の季節には安房直子さんの『緑のスキップ』という作品を思いだします。
大好きな作品です。花かげちゃんという桜の妖精がいて、その子がとてもかわいいので、ふくろうは桜が散らないように番をします。
何日も寝ないで目を見ひらいて。でも、ちょっと目をとじたすきに、ああ、なんと、緑のスキップはしのびこんできて、桜を散らしてしまうのです。
春がくること、新緑の季節にうつることを、緑のスキップといった名作絵童話です。
今は、出久根育さんの絵で読めるそうです。