3月16日(土)の一日講座「公募の壁を突破しよう!」が近づいてきました。
今回のメイン講座はきむらゆういちさんの講演です。きむらゆういちさんの代表作は『あらしのよるに』。これは平成を代表するメガヒット作品で、世代をこえたファンに愛されています。
また、演劇界に大変愛された作品でもあり、朗読劇、舞台、音楽劇、そしてなんと歌舞伎にまでなりました。こんな作品、他には知りません。
今回、講座を前にわたしはこの『あらしのよるに』全七話を読み直しました.
一話、二話までしか読んでいない人は、この機会に七話「まんげつのよるに」まで読んでいただくことをおすすめします。通して読んで、一話の感動がさらに深まり広がっていくからです。
おおかみのカブとやぎのメイ、たった二匹で繰り広げられる物語りですが、わたしたちにいろんなことを気づかせてくれます。
新ためてよんで、さまざまな工夫がされて、うまいなぁとため息がでました。七話あっても、似た展開のものはなく、どの作品でも山場のシーンが目にうかぶように書かれています。このあたり、さすが、絵本をやられている人で映像を喚起させるのが巧みです。また、文章も簡潔でムダがなく、それでいて、読者の想像を広げるような余韻が広がります。
でも、やはり一番の魅力は、根底に流れる二匹をお互いを思う気持ちの強さでしょう。
講談社文庫の一巻目のあとがきで、宮本亜門さんが書いています。(2002年4月とあります)
僕にとってのメイとカブは、国であり、民族であり、宗教であり、恋愛であり、
本来この地球上に生を受けたあらゆるものの姿である。
この機会に読んでみるのも、いいですよ。
(この記事は、3月2日 講座ブログに書いたのと同じものです。一日講座の詳細はこちら