赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

新刊『さよ 十二歳の刺客』 森川成美

2018-11-18 18:06:18 | その他
今日は、早めにお歳暮を贈りに。なんか、もう、一年が終わりそうかとさびしい気持ちになりました。

この前、新刊をだしたばかりの森川成美さんがまた、違うタイプの作品をだされました。

力強いタッチの歴史を題材にした物語。十二歳の平家の姫さま、さよが男性になり、活躍します。

物語りは、いきおいよくすすみます。まずは、流鏑馬をしている描写からです。

壇ノ浦の戦いでやぶれ、海に落とされた平氏の姫さま、さよが、幸運にも助かり、十二歳に育ち、馬にのって弓を射っているのです。
平泉のそばの骨村荘園にいるさよは、源氏の大将義経への復讐心をもっていました。そしてチャンスがおきます。平泉にかくまわれている義経が、流鏑馬を披露したさよに、義経の息子、千歳丸の遊び相手として、接待館にこないかと声をかけたのです。
さよは、復讐をはたす機会をねらうつもりで、接待館に男としてむかいます。さて、さよの復讐は成功するのでしょうか・・・・・・。

これは歴史の教科書に書かれたものと違っている箇所もあります。けど、森川さんは、想像力を駆使し、歴史の一コマから新しい作品を生み出しました。でも、すべてを変えたわけではなく、義経がいた平泉などを訪れて取材されています。また、この時代の作法などよく調べられていて、ほんとうに歴史にこういうことがあったのではないかと思えるように書かれています。だから、さよが復讐を果たせるのかどうか、はらはらドキドキしながら読めます。

なにより、作者の森川さんが、この物語の中に入り込み、楽しんで書いているのが読みながらも感じられますよ。

明日の夜はビブリオバトル・スター大会を見に行きます。
壇蜜や福くん、三遊亭兼好など、芸達者な人たちが、どんな本を紹介してくれるのか、楽しみです。