赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

映画、『八月の蝉』

2011-05-27 08:11:54 | 日記
昨日は、立川の図書館に調べものへ。その帰り道、映画館のわきをとおったら、どうしても映画が見たくなって寄りました。『八月の蝉』原作も大好きだったし、この映画、ももたろうのYamamotoさんが、おもしろいと言っていたのを思いだしたkらです

そして、見にいってよかったです。
永作博美も、井上真央もとてもいい演技をしていました。小豆島の自然の美しさがていねいにカメラにおさめられていて、あざとい演出もないのに、自然に涙があふれだしました。
井上真央も、朝の連ドラのこぼれるような笑顔とは、まったく異なった厳しい表情で、環境に翻弄されて、感情を押し殺すのに慣れてしまった、女性をみごとに演じてました。永作博美も童女のような、純粋な笑顔で、子育ての幸せを演じきっていました。わたしも、子どもが小さかった頃の楽しかった瞬間を思いだしました。楽しい中、この子を守らなきゃいけないと、気をはっていた、あの頃を。

また、この映画は原作をそのままなぞっていません。原作と違った視点、誘拐された「恵理菜」の視点にそって描かれ、違った解釈もされています。それがすごく新鮮でした。
まじめにまっすぐに人の心と向き合っている作品ーーー人によっては重たく感じるかもしれませんが、わたしは、こういうのが好きなんだなっと改めて思いました。

この作品のテーマは母性。それなのに映画をとろうとした監督は男性です。原作にほれこんだとか。男はだらしなくて、女性ばっかりが目立つ作品なのに、それを男性が目をつけるなんておもしろいですね。きっと女性の監督だと、また、違う作品になっていたでしょう。

パンフレットの中で、香山リカさんが、女性は人生のステージごとに、「わたしって何?」という本質的な問いが起こり、そのため『空白をうめる旅』に出かけなければならなくなると言っています。わたしの『心の空白をうめる旅』は、作品を書くことだった気がしています。旅の行きつく先は、まだ、見えていません……。