ヨーヨー・マといえば、クラッシック界の巨匠 今世紀最高のチェロ奏者。
そのヨーヨー・マが、音の文化遺産を守り、音楽の力で争いの絶えない世界に希望をもたらそうと、演奏ユニットを立ち上げるドキュメンタリー映画です。
こんな地味ぃ~な映画は、さぞやガラガラなんだろうなと思って出かけたら・・・・なにがなにが、満席。
全館ほぼ1人客。もちろん私も。誰のおしゃべりも聞こえず、みな静かにスクリーンに見入って(聞き入って)ました。
原題は「The Music of Strangers」"異邦人たちの音楽"とでもいえばいいのかな。
こんな深いタイトルがついてるのに・・・邦題が「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」とは(爆)
まあ、私だってヨーヨー・マの名前につられてやってきた観客ではありますが。
ヨーヨー・マがさまざまな古典楽器の名演奏家たちを集めて演奏集団『シルクロードアンサンブル』を作ります。
演奏家たちは、それぞれに思いを抱えています。
内戦で故国を追われ、家族を故国に残すシリアのクラリネット奏者。
ミサイル攻撃で家族全員を亡くしたイランの民族楽器の奏者。
文化大革命の迫害を逃れアメリカに来た中国琵琶の女性奏者。
ヨーヨー・マ自身も東洋人だけど、生まれはパリで、少年時代にニューヨークへ移住。
自分はなにものなのか、アイデンティティーを求め続けるストレンジャーたちの魂の音楽です。
演奏がほんとうに素晴らしい。
とにかく音が美しい。ハッとするくらい音色が澄んでいたり、泥くさく力強かったり。
世界最高のヨーヨー・マのチェロも、ふんだんに聞くことが出来ます。素人耳の私でも、じぃ~んと来ます。
映画が終わった後、スタッフさんに「いゃあ、感動的でした。上映してくれてありがとう。」と声をかけてるおじさんがいました。同感です。
地方でこういう映画を上映してくれるのは、サロンシネマ系列館の心意気にかかっとる。
チェロ演奏となると「鳥の歌」ですが(これしか思い浮かびません笑)
パブロカザルスの演奏もヨーヨーマの演奏も魂を揺さぶる感動があります。
食事会の前に観ようと思ったら、予約時間には間に合いませんでした(^^;
6月末期限の招待券に気づいたのが前日のこと。大急ぎで行ってきました。
映画の中では「鳥の歌」は、ありませんでしたが、サン・サーンスの「白鳥」は、ありました。
バッハの「無伴奏チェロ組曲一番」も!
ヨーヨーマが、ニユーヨークの公園で、一人で練習するんですよ。それをわずかな人数の街の人が静かに聞いている。(たぶん無料で(笑))
目の前にいるおじさん、ヨーヨーマだよ!と教えたかった(笑)
そういえば横川シネマで見逃した「人生フルーツ」が八丁座に来ます。これ、ご一緒しましょ。