Evergreenでちょっとsilverなdiary

人生100年時代といえども後半戦。好きなものはアレコレ・・・本、映画、観劇、ガーデニングに食べること。

「あこがれ」、「若冲」

2016-08-28 | カルチャー

広島ブログ

最近読んだ本の中でも、特に印象に残った2冊について。
川上 未映子さんは、子どもを主人公にしたお話しが多い作家で、今回読んだ「あこがれ」の主人公も、仲の良い12歳の小学生の男の子と女の子のお話し。
装丁に描かれているサンドイッチと苺ジャムにまつわる「あこがれ」が、子どもの目線で書かれています。
                     
主人公の12歳たちは、ちょっとだけややこしい環境に生まれついているのだけど、子どもながらに人に対して思いやりを持ち、優しく強く、12歳の今を駆け抜ける。そのけなげさに、おばちゃん思わず涙ポロリです。
作者自身が、主人公2人の関係を「大人になる前夜の最後のイノセンス」だと語っていましたが、その通り。
心にやわらかく響く良いお話しでした。

そしてもう1冊。私の最愛の画家は、江戸時代の奇矯な画家 伊藤 若冲。
最近、ことに人気が出てきて伊藤 若冲。私も初めて彼の絵をなまで見たとき、心身に衝撃が走りました。「すごい」こんな絵は、ただ技術があるというだけでは描けない、魂の画家だと思いました。

その若冲を主人公にした澤田 瞳子さんの直木賞候補作。そのその名もズバリ「若冲」
図書館で予約して1年はたっているけど、なかなか順番が回ってこないので、ついに自分で購入しました。
装丁のこの絵を見ただけでも、若冲の天才ぶりがわかるというもの。
                
ストーリーの軸になっている家族との関係は、創作だとは思いますが、若冲の超絶技巧の理由が、まるで本当のことであるかのように浮かび上がってきます。
製作過程を描くシーンでは、ああ、あの絵のことだろうな、と思いあたる場面に出くわすので、先に若冲の画集を見ておくと、スンナリ理解しやすいかも。
若冲の画集は、それはそれは見ごたえがあり、眺めているだけで、時間を忘れさせてくれます。

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