昨日のドラマ「相棒」にフェルメールがでてきた。
いわずもがな、光と影の画家だ。「真珠の耳飾りの少女」「牛乳を注ぐ女」など、窓からの光と人物が見事に描かれている。
以前、札幌で「真珠の耳飾りの少女」が当時の時代ではどのような色であったか、コンピュータ技術で再現した絵画展があった。
それはそれは見事なものであったが、私個人としてはとても高くて買えなかったことを思い出した。
有名な複製絵画は数万円から数十万円もする。
この有名なフェルメールの絵画は、20世紀最大の贋作事件をうみだした。メーヘレンという贋作画家であり、当時のドイツのナチス政権に国の宝であるフェルメールの絵を売った「売国奴」として非難されていた。
ところが、ナチスに売った絵は、私が作った贋作であること公表した。
世間は誰も信じなかった。当時の美術界、鑑定士など、メーヘレンの売った十数点の絵画は本物であると認めていたから。
信じてくれないので、メーヘレンみずから刑務所で描いて見せた。
驚天動地の出来事であった。
国の宝でもあるフェルメールの「エマオの食事」も自分が描いたと証言した。これも当時の美術界ではフェルメールの「本物」と鑑定されていた。
今ではメーヘレンの「エマオの食事」と訂正された。
そして「売国奴」から一転して、ナチスから莫大な金を、美術品を取り戻した「英雄」となったが、若くして病死した。
ゆえに「20世紀最大の贋作事件」と呼ばれている。
小説や映画など、さまざまに紹介されている。
昨日の相棒では「フェルメールの壺」と称して、贋作を取り上げていた。
「贋作」、いまは「フェイク」と呼んだほうがわかりやすい。
インターネットの時代に入り、「フェイク」はますます重要なキーワードとなっている。
同時に、政治の世界も国民一人ひとりから見れば、いかに「フェイク」が多いか。
自民党政治家のお金をめぐる問題、「有識者」といわれる報告書、宗教と国家権力の問題での「統一教会」。
自民党の「救済法案」がいかに「フェイク」であったか。
多少とも修正されたが、最大の課題がマインドコントロール下の「寄付」問題だ。
衆議院で可決され、舞台は参議院に移ろうとしている。
これで終わりとせず、2世信者や弁護士の声をしっかり聞いて、実効性のある法律をつくりあげてほしい。
そして統一教会の解散まで追いこまなければ。