全国いっせいの学力テストが始まってから
12年も経った。もともと大きな批判のあっ
た学力テストであったが、第1次安倍内閣
のもとで強行されたもの。
全日本教職員組合(全教)は、はじめて学
校での実態調査を行った。
やはり予想通りというより、もっと深刻な
事態が起きている。
こちら ⇒
指導内容では、過去問題が73%、学力テス
トを想定した主題が40・6%、テストを想
定した授業や予想間題の実施が14%
学力テストを中心に授業が回るようになって
いる。
結果の利用は、学校の平均点を公表している
のは18・4%。「学校で独自に採点・分析」
は34・7%、「独自採点はしないが分析して
いる」は30・7%、「学校独自の利用はおこ
なっていない」は17・7%
これでは、自校の学習状況を把握できないし、
平均点の公表が2割近くになっている。
子どもたちにも教師にも悲しい結果を招いて
いる。
全国学力テスト実態調査に寄せられた自由記
述の一部は、
・「うちの学校は市内で最下位だから」など
と子どもたちが言うようになった
・「OO中はアホやろ」と自己肯定感をもて
ないような発言がみられる
・担任にとって平均点が全国より高いかのプ
レッシャーは大きい
・(特に難しい間題は)下位の子どもにとっ
ては何を聞いているのか、何を答えるのか
さえ分からず、やる気をなくしてしまう
どれほど子どもたちの心を傷つけているのだ
ろうか。
本来の学力とは無縁の事態になってきている。
現場の疲弊を生みだす「点数競争」になって
いる。
平均点競争のドロ沼 ⇒
安倍首相をはじめ、安倍官邸の人間観が異常
に歪んでいる現れではないだろうか。
安倍政権に逆らって、事実上の更迭をされた
前川喜平前文科省事務次官は「官邸官僚が全
分野で政策を立案し、各省庁を下部機関化し、
自制心のきかない『権力のフル活用化』が急
速に進んでいる」
「政治権力は教育に介入してはならない。教
育とは特定の答えを押し付けるものではなく
子どもや教員が自ら学び判断する主体性を育
てることにある」
まさに真っ当な意見だ。
しかし、自民・公明、維新の議員が安倍政権
に乗っかり、真逆のことを行っている。
安倍首相が戦前の独裁政治を夢見ているよう
に。
やはり学力テストは廃止しなければ。