冤罪(えんざい)
いやな言葉である。あってはならないことでもある。
しかしどれだけの冤罪事件があるのだろうか。
名張毒ぶどう酒事件は、奥西さんがなくなっても、
再審を続けると決めた。
*名張毒ぶどう酒事件の「奥西さんを守る東京の会」
ホームページをご覧になってください。
表題の「禍福はあざなえる縄のごとし」は、冤罪小説
の「死亡推定時刻」の最後に出てくる言葉である。
数々の冤罪事件に取り組んだ老弁護士の言葉。
著者は、朔 立木(さく たつき)氏で、どのように
冤罪がつくられていくか、詳細に展開されていく。
小説ではなく、ドキュメンタリーと思ってしまうほど、
リアルだ。光文社の文庫本。
私の小さい子どものころ、父が藁(わら)から器用に縄
を編んでいたことを思い出した。足の親指に藁をかけて、
あざなっていく。
遠い記憶でもある。
あざなえる縄のイメージが浮かぶ。